メイン・ディッシュ (集英社文庫)
作者 北森 鴻
価格 660 円
出版社名 集英社
出版年月 2002/03
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■読者の評価     おすすめ度平均

自分の中ではメインではない       おすすめ度
様々な伏線は理解できるけれども、自分の中ではメインではない。やはりもう少し驚くような発想が欲しかった。短編はどこで驚かせるかと言うことに尽きる。その点では、この作品はまだまだ静かなのだ。


北森鴻らしい一冊 文句なく5点       おすすめ度
 まず最初に書いちゃいますが、この本は5段階評価で間違いなく5の評価の出せる傑作作品です。
 また、北森鴻らしい特徴が随所に見られる、ある意味、もっとも北森鴻らしい作品ともいえます。
 例えば、短編連作集が一つの長編を形作って行くという構成スタイル。これにはいつもながら本当にうまいものだと感心するより他はありません。そして、作品タイトルからも分かる通りですが、他の作品同様に、今回もまた腕利きの料理人と料理が出てきます。そしてまた、その料理が非常に美味しそうで思わず何かちょっと手のこんだものが食べたくなるところなど、まさに北森鴻ならではです。
 今作は、「ミケ」という謎の料理がうまい同居人と、彼を拾ってきて一緒に暮らしている劇団紅神楽の座長兼看板女優のユリエ、そして狂言回し的に絡んでくる座付き作家の小杉を中心に彼らの劇団やその関係者を巡るミステリと、「ミケ」こと三津谷修の過去と正体が軸となるもう一つのミステリが複雑に絡み合って進んでいくお話なんですが、シリアスな部分とライトな部分のバランスが非常によく、また作品の各短編のテイストも楽しいものからきつしものまでバラエティに富んでいてまったく飽きさせず、構成でいえば完璧の一語につきます。
 北森作品に詳しい人なら分かってもらえるかと思いますが、「冬狐堂」のシリーズや「蓮城那智」のシリーズをシリアス路線、「裏京都の有馬次郎」や「親不孝通りディティクティブ」をライト路線とするなら、その中間あたりでうまくバランスが取れています。テイスト的には「香菜里屋」シリーズに近いですが、もう少し笑えたり幸せになる要素が増えた感じでしょうか。
 単行本から文庫に落ちた時に、ファンなら思わずニヤリとするようなボーナストラック的なものを入れてサービスしている部分もあり、単行本でしか読んでいない人も是非読み返すと思って(それでも十分面白いので)また読んでも全然損はないと思います。ひさびさに読むと叙述トリックにまたはまったりして再読にも耐える一冊です。お勧め。


混乱したミステリ       おすすめ度
 1999年に出た単行本の文庫化。新たに「特別料理」が書き下ろしで加えられている。
 11の短篇からなる連作ミステリ。舞台劇や作中作などが入り混じり、混沌とした世界が描き出されている。それでも、ひとつずつにつながりがあり、最後もまとめきっている点はさすが。
 本書の読みどころは二つ。ひとつは狂言回し的な「小杉」という人物の造形。おばかなミステリ作家を登場させるのは著者の得意な手法らしいが、話が進むに連れて、どんどんコミカルになっていって面白い。
 もうひとつは料理の美味しそうな点。グルテンのフライはぜひやってみたいくらいだ。
 ミステリとしては、つくりこみ過ぎているように感じた。骨董ものや民俗学では違和感がないのだが、本書ではちょっと違和感を覚えた。個々のアイデイアは面白いのだが、うまく収拾できなかったのか。


美味でござぃまする〜       おすすめ度
初めてのお店で予想もしなかった特別フルコースを頂いたよぅな気分です。食前酒の少し冷えた甘ぃ口当たりから次の気の効いた料理…「物語」に入っていくのが面白ぃなぁ〜 物語の指軸が色んな方向から出てきて最初は戸惑ぃますがまるで見たことの無ぃ食材で作られた料理を初めて食する感じです。最後まで飽きずに堪能しちょっぴり得した気分です。
ご馳走さまでした(^^)v


短編集だけど。       おすすめ度
この本には、北森 鴻が得意な?「様々な処にある伏線」が見物。
短編集な筈なのに、何時の間にか全てが一つに集約されている。
料理のフルコースの様に、メインディッシュの為の前菜たちがとても美味しく、前菜が無ければコースとして成り立たないように、この本も全ての短編が無ければ完成しないミステリーのフルコースだろう。

また、北森 鴻が得意な?一風変わった登場人物によってさくっと読める仕上がり。是非読んでみて下さい。