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いい意味で予想を裏切られた作品です。
友を得ることでモノクロの世界に色がついていくそんなすばらしさを描いた物語。「帽子」「数字の2」「きゅうり」性格の全く違う三人(?)の思いがけず愉快な交流を描くお話。個性豊かな(そりゃ、身分からして想像豊かだよな。。)三人。
”愛すべき登場人物たち”ほんと、それにつきます。この本の紹介は。是非是非是非読んでみてください。
未読の方にはぜひオススメしたい1冊です。
童話のような雰囲気が流れる中、気付けば登場人物たちが人間でないことや、
その他非日常的な情景にも、すんなり溶け込めます。
文庫版ならではのサイズですので、ぜひ手元に置いておきたくて、私は購入しました。
装丁や時折挟まれている絵画も、とても素敵です。
読み始めると、ゆるやかな時間が流れる…そんな1冊です。
休日の午後や、旅先、夏の午後が似合いそうな本です。
ところどころにある挿絵も作品と合っていて、独特のいい雰囲気を作り出していると思います。
この物語の主人公たちはかなり個性的(帽子は生きてないし、数字の2なんて物質ですらない)です。個性的というよりは、個性だけを取り出したらきゅうりや帽子になった、って感じなのかな。帽子がお酒を飲んだり数字の2が役所に勤めたりっていうのは不可思議で、想像するとおかしいんだけど、彼らの感情はとてもありふれたもので、共感できます。
江國さんの作品って、起伏に富んでいたりハラハラさせられたりってことはあまりないですよね。でも私はいつも何だか心をつかまれます。あっと驚くことや未知のことは起きないけど、自分の持ってる記憶や気持ちを呼び起こすような、そんなところがとても好きです。
この3人(っていう呼び方でいいのかな・・たぶん)が職業を持ち生活をしているのです。どんな仕事をし、どんな生活を送っているかはぜひ読んでみてください。
大人でも十分に楽しめる絵本だと思います。
話の内容としては、ありふれたごく普通の日常の一部を切り取っただけの話ですが、人ではないものをあたかも人のように主人公として描いているところと、ページのところどころに現れる佐々木敦子さんの挿絵によって、非常に不思議なものへとなっています。
3人(?)の間にできる友情も非常に心温まるものがありますが、何よりこの本から考えさせられるのは「人」と「日常」についてです。
主人公が帽子と、きゅうり、数字の2であっても、僕は彼らをいつの間に「人」として物語を読んでいました。なぜならば、彼らの間には「関係」が存在し、また彼らは仕事を持ちアパートで生活をするという「社会」の中の存在であるからです。こうして考えてみると、生物学的な「ニンゲン」という点よりも、他者との関係性を持ち、社会の構成要素であることが「人」の定義ではないのかなと思います。
それから、この本の中で描かれていることは、この3人が酒を飲んだりとか、音楽を聴いたり、失恋をしたりといったごくありふれた「日常」です。しかし、それがなぜこうした不思議で癒される物語になるのか。作者の表現力という考え方ものあるとは思いますが、僕はそうではなく、「日常」を捉え直しているからであると考えます。
何気なく過ごしていれば、何気なく過ぎていく「日常」。しかし、ちょっとした意識の違いで面白いものがそこにはたくさん隠されている。
こうしたことを作者は言いたいのではないだろうか。
とりあえず、読んだ後に何となくいい感じになりました。

