ハミザベス (集英社文庫)
作者 栗田 有起
価格 480 円
出版社名 集英社
出版年月 2005/07/20
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■読者の評価     おすすめ度平均

何か特異なものを持ってはいるがまだつかまえられていない       おすすめ度
『コイノカオリ』のアンソロジーが良かったので、そこから遡ってここまで。あの短編に凝縮された死のテーマ、性のテーマなどが、まだうまく表現できないままに唐突なファンタジーとしておかれているのが、ある意味面白い。


買い、ですか?       おすすめ度
なにで知ったのか判然としませんが、表紙の絵や単行本の帯の笙野頼子さんの名前(文庫の解説のいしいしんじさんから入ったらまた違っていたかもしれませんが)にそういった作風を予想していたのですが、そういった予想と異なっていたことを抜きにしても、個人的に肩すかしを食ったような気持ちになりました。全体の構図を俯瞰して必然的に作られたのではなく、言葉は悪いですが、物語の展開が場当たり的に上塗りを繰り返しているように思えて仕方なかったです。個人的に読めてないだけかもしれませんが、このテーマで、この書き方で書くのなら、もっと密度があってもよいのではないでしょうか。仕掛けや取っ掛かりがあまりにも欠けているように思いました。


あり得ない設定での日常       おすすめ度
お縫い子テルミーよりはインパクトが小さかったけれど、あり得ない設定での日常を描いていて、読んでいるとなんだか可笑しくてしかたがなくなる。
どうってこともない内容なのだけれど、読めば楽しいし読後感も悪くない。

ワンコインで買うか買わないか。
図書館で借りる本ではないですね、自腹を切って楽しまなくちゃ。
わたしは、豆姉妹のほうが好きでした。 もちろんハミザベスも悪くないですよ。


久々に面白い作家さん!!       おすすめ度
ハミザベス・豆姉妹の2編が入っている。
解説がいしいしんじだったので、購入してみた。

ハミザベスは話に登場する動物の名前。
最初この題名を見て何か深刻な話かと思ったら、
とても楽しい話だった。そして名前の由来も可愛い。
でもどちらかというと豆姉妹の方が面白い。要所要所笑いがある。
どちらの話も日常の淡々とした話のようで、そうでもなかったりする。
重くどろどろ書こうと思えば書ける話をあっさりと書いている。
作風的には川上弘美さんとか長嶋有さんとかに似ているような。
読後感のさわやかさや満足度が似ているのかな。繰返し読めそう。
豆姉妹・・。お勧め。


生きるは不可解なり       おすすめ度
生きていることは不可解だと言うのは紛れもなく真実で,
小説はその不可解さを少しわかり易く提示する分だけ作為が入ります。
この著者は小説から作為をなるだけ取り除いた正確無比な世界を構築しようとしたのでしょう。
とっても不可解に仕上がっています。
文章 わかりやすい。
起こったこと わかりやすい。
登場人物の性質 わかりやすい。
でも,すっごく不可解なそれゆえに魅力的な世界です。

読後に腹いっぱいになるのでもなく,
物足りなさを感じるのでもなく,
ただそのままの世界が感じられます。