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全てに当てはまるのは、誰一人として年齢が出ないこと。
評価が結構高かったので読んでみましたが、私には少々向かなかったようで
全体的に、男性の目線から書かれていますので、男性の方が読まれたほうが共感得られると思います。
恋愛等でお悩みの方、時間つぶしにご覧になるのもいいかもしれません。。。
それぞれのタイトルからソソられるものはない。あまりピンとこない。しかし、これが読んでみると唸らされた。表題作はもう付き合って長いと思われる男女が電話で会話するだけの話である。男の主観で描かれるのだが、とりとめのない会話の中で男なら誰もがたどったことのある思考の過程が膝を叩いて喜んでしまうくらい楽しく描いてある。
以降の作品はすべてどことなく不気味で不安な作品ばかりだ。ミステリ色が濃い。「西洋風林檎ワイン煮」は、奇妙な味のホラーだ。女が鍋の中で煮込んでいるのは何なのか、気になって仕方がない。
そして、そして本書の中で一番気に入ったのが「ポール・ニザンを残して」。コレ読んでびっくりしてしまった。良質のミステリではないか。このラストの切れ味の良さはどうだろう。心地よいショックだ。この一作を読むためだけでも本書を買う価値はあるといえる。その後、角川ホラー文庫から「屑篭一杯の剃刀」という自選恐怖短編集が出たが、「ポール・ニザンを残して」は、そこにも収録されている。
とにかく、この短編集はめっけもんだった。いまだに強く印象に残っている。
2作目の「西洋風りんごワイン煮」では、一転して某TV局タモリ司会のホラーサスペンス短編の脚本を思わせる作品。
3作目の「雑司ケ谷へ」。これは、非常に興味深い作品で、男が感じとる女の描写としては相当高いレベルではないかと感じさせられた。
4作目は、ショートホラー
5作目「ポールニザンを残して」は、とにかくお洒落な物語。
6作目は、ある過去に対する現在の認識を変えることが出来れば、それは過去を変えたことと同じだという面白い切り口で描かれたもの。
以上、著者の自画像とも思える作品が冒頭にあることによって、後の作品の味わい方が全然違ってくる。そんなことを実感しましたよ。
すばる文学賞(新人賞?)を受賞した連作を収録したハラダの原点。
早稲田の演劇科でコピーライターという文章表現のプロ
だけあって、面白い面白くないにかかわらず、コマーシャルの
1コマのように、軽く読みやすい。しかも中身は結構味わい深い。
独特の改行とダラダラとした文体が風邪を引いた「僕」
を絶妙に表していていい。これにハマって
文庫全部買い揃えた友人がいました(笑)。
本書は掲題作を含む短編集で、冒頭の作品が「優しくって少しばか」。独特の改行を用いて、それなりに効果をあげているけれど、あるいはここで読むのがいやになってしまう人もいるかもしれない。「自分の表したいことはこういう『カタチ』でないと表現できない」と考えてのことなのだろうが、やはり異質のものを受け入れるのは大変な作業。できれば、その「異質」なものを、伝統的な形式の中で表現して欲しかったと思う。
もちろん。そういう「カタチ」にも拘る原田宗典は、さすがに作品の細部にも気を配る作家で、全体的に彼の描く細部は十分な成果をあげている。一般的に言えば、「男の目から見た女の不思議」なんてモチーフの作品は読むに耐えないものが多い。しかし、本書においては「男から見た女」が、かなり「リアル」なカタチをもって描かれている。それは細部に拘る原田宗典の技術だろう。
解説で川西蘭が、短編を描くには技術が必要で、かつ技術があればなんとか書ける、という趣旨のことを言っている。原田宗典も『おまえは世界の王様か!』によれば、自ら描く短編象を常に頭に置きながら技術を身に付けてきた人。気持ち悪い描き方になりがちなモチーフを技術でクリアする。そういう点から考えると、本作は作家志望の人にも面白い本なのだと思う。尚、本書は86年に単行本として刊行。原田宗典が59年生まれなので、20代の作品ということになる。この短編集に描かれるような「オンナ」を描いた著者が、30代になって「何」を「どう」書いているのか、読んでみたいと感じさせる作品集だった。

