逃がれの街 (集英社文庫)
作者 北方 謙三
価格 680 円
出版社名 集英社
出版年月 1985/01
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■読者の評価     おすすめ度平均

年の離れた二人の友情に涙・・・       おすすめ度
北方謙三といえば、「弔鐘はるかなり」のようなハードボイルド・アクションをイメージする。しかし、本書は違うのである。繰り広げられるドラマに泣ける、「物語」なのである。名作なのである。

近年のクライム・ノヴェルだと、一人の犯罪者が追っ手(警察、殺し屋、ヤクザなど)からやはり一人(もしくは女とかと一緒)で逃げるものが多い(かな?)。だが、「逃れの街」はそうではない。なんと「相棒」は、公園で知り合った見ず知らずの少年だ。
そのほかに、脇役たちが輝いている。内藤陳氏の叫び(「眠りなき夜」解説参照)に納得する次第。
主人公・幸二をジリジリと追いつめてゆく刑事、恋人・牧子、そして前述の少年・ヒロシ。
脇役が輝いているといっても、出しゃばっているわけではない。それぞれがすべきことのみをし、やがてそれはひとつの場所に集結する。
「弔鐘はるかなり」ではあまり見られなかった主人公を刑事たちが追う過程のサスペンスもうまく取り込まれている。
少年と殺しという名の汚れた荷物を背負った若者。ラストでは思わず感動・・・・。いい結末とはいえないのに、読み終えたとき、なぜか心はスッキリしている。まるでいい映画を観終わったあとのように―。

歴史に残る名作だ。


街から逃れるように 男は己の人生の終止符を打った       おすすめ度
人を殺した青年と少年の間に芽生えた魂の交流、逃れるように街を去った彼らの行く手には、死の間際に青年の心に何かが灯った、人生をあまりにも生き急いだひとりの男の苛烈で儚き物語、北方謙三氏の名作中の名作です