ダロウェイ夫人 (集英社文庫)
作者 ヴァージニア ウルフ
価格 750 円
出版社名 集英社
出版年月 2007/08
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■読者の評価     おすすめ度平均

意識と心でできた世界       おすすめ度
ダロウェイ夫人=クラリッサが、とある晴れた日に、お茶会を開催する。
そのロンドンの、たった一日の物語。

「意識の流れ」という手法は、名前は聞いたことはあったが、実際に読んだのは、本作がはじめてだった。(ジョイスやプルーストはハードルが高い)
まるでバトンを手渡していくように、意識の主体はさまざまな人に流れ、現在も過去もないまぜになって語られる。

色とりどりの糸が、交互にかさなって、一枚のタペストリーを作るような構成。
はじめは何のことだか分からない。読みにくくて投げ出したくなる。
だが読み進めていくうちに、模様がだんだん見えてくる。
思いもよらないところでつながって、ひとつの流れに集約されていくのがおもしろい。
やや読みにくい印象を受けるが、慣れればゆったりとした流れを堪能できる。

個人的に、ピーター・ウォルシュのキャラクターがいい。
なんだかんだと文句や理論を述べながら、クラリッサに恋をしている姿が好ましく思える。

人間や世界を、外側からではなく、内側からのぞいてみるおもしろさ。
意識と心だけでできた世界に、ゆらりと流れてみては。