美晴さんランナウェイ
作者 山本 幸久
価格 1,575 円
出版社名 集英社
出版年月 2007/04
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■読者の評価     おすすめ度平均

美晴さん大好き!       おすすめ度
死んだ母親の葬式にランナウエイ。それだけ読めばなんて破天荒な娘と思うけれども、本当は、美晴さんはお母さんとの大事な想い出の場所に行っていて、結構泣けます。こんな家族って本当にいいなと思います。こんな伯母さんがいたら、きっと楽しいだろうし、最後に「兄さんの炒飯をお嫁に行く前に食べなくちゃ!」と何かを思いだした様に言う美晴さんって、最高!


懐かしい家庭と心       おすすめ度
軽いタッチで描かれているので、さらりと読みやすい。
でも、簡単そうに見える一文にも、しっかりと思いは刻まれている。
ほんの些細なことから、大きなことまで起こる家庭だけれど
絆は強く、受けとめるだけの器もある。

中学一年生になる世宇子が高校生になるまで、詳しく言えばタイトルの美晴さんがめでたく結婚し、家を出ていくまでのお話。
幼い恋心あり、美晴さんの奔放さあり、兄妹愛あり、その中には当たり前の家族愛があって。

楽しく、そして何かが心に染みていく物語。


美しきかな家族       おすすめ度
こういうホームドラマ的なものって、ほんの少し前群ようこが得意としてたパターンだったのを思い出しながら読みました。
姪っ子からみた叔母さんを全8話で描いてて、困った人だけど憎めない大好きな人っていう心温まる本。
正直、もう少し毒が入ってもいいかなって思うくらい。


ハートウォーミングな話です。       おすすめ度
山本幸久さん待望の新刊です。

世宇子には叔母さんがいる。
美晴さんという。
27歳の美女ながら、やることなすことがどうもうまくない。
母親の葬式にはぶらっと京都奈良まで出かけ、
何かあるとすぐにその場から逃げ出してしまう。
男からもそう。
でも、美晴さんは言う。
「逃げてるんじゃないの。追いかけてるの。」

美晴さんは何を追いかけているのか。
多分それは本当の自分。
自分の思いのままに生きる本当の自分。
それなんじゃないだろうか、と最後まで読んで感じた。

最後は愛する人と結婚する美晴さんだけど、
その行動の無鉄砲さには笑いが出てきます。
でも、その一つ一つの行動には、彼女なりの意味があって
なかなか他の人には理解できないんだけど、
それをすることで自分を保ててるんじゃないかと
そう感じられた。

周りの人も語り手である世宇子をはじめ
その家族、美晴さんの結婚相手、いとこである自由。
美晴さんに振り回されながら
でもなんとなく楽しく過ごせている。
そんな毎日が妙にいとおしく感じられるから不思議だ。

久しぶりの山本さんの作品だったけれど、
この作品もハートウォーミングな作品でした。


山本さんの新境地!       おすすめ度
若い女漫才師、デザイナーのタマゴ、映画宣伝会社の女性などなど、
現代を生きる働く女の人を描くのが得意な山本さんの新刊。
今までのお話は、平成の「いま」を生きる女性を描いた話が多かったけど
今回の小説は、昭和のにおいがします。ちびまる子ちゃんちみたいな。
それがあの、サクサクとした語り口とぴったり。
お父さんとお母さんとおばあちゃんと弟と12才の私・世宇子(ようこ)。
そして、お父さんの妹で、独身で気ままなバイト暮らしの美晴さん・27歳。
この若くて美人のおばさんは、お見合い写真を見てそっけなく断ったり
おばあちゃんの葬式を勝手に「タバコ買いに行く」と抜けて失踪したり
おかあさんの洋服を勝手に着てデートに行っちゃったり、
わたしが風邪をひいたらお父さんの秘蔵のブランデーであやしい卵酒を
作ったり、大人なのに困った人。おばあさんの葬式、就職、縁談など
人生のあらゆるシリアスなことから逃げる(ランナウェイ)みたいに
ふらふらしている。しかし、逃げていたようで、本当に好きな人とか
自分らしい生き方を探していたのだ、とだんだんわかってきて
世宇子ならずとも、美晴さんにあきれながらファンになっちゃう。
そんないきのいい「おばさん」とある家族の物語。号泣!とか、感涙!な
類ではないけど、ホームドラマらしいラストシーンはぐっとくるものが。