新釈 遠野物語 (新潮文庫)
作者 井上 ひさし
価格 540 円
出版社名 新潮社
出版年月 1980/10
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■読者の評価     おすすめ度平均

そうかもしれんし・・・       おすすめ度
 狐や鰻や馬が縦横に活躍する。「それじゃあ、誰それは河童だったのですね」「そうかもしれんし、そうじゃないかもしれん」というやりとりが、気に入りました。断定を避けつつも、物語の流れから考えて、そうとしか思えない・・・。そんな話が好きだ。世の中、確証を求めてもきりがない。みんながそう思ったり、自分がそうだと思うだけで十分なような気がする。
 インターネットなどというものも、いつか「あんた、さっきから馬の尻の穴ばかりのぞいちょるが、どうなさったんかな」なんて声をかけられかねないですねえ。電気仕掛けだからといって、安心はできません。ほら、シッポがはえている。ああ、これはマウスか・・・。


遠野物語が読みたくなったよ       おすすめ度
 実は私は本元の遠野物語は読んだことはありません。そこで感想。子供の時観た日本昔話を思い出しました。井上さんが東北に暮らしていた時に感じた景観、人々の暮らし、匂いまで伝わって来そうです。
 井上さんは主人公と同様に診療所のアルバイトをしていたそうです。


これはパロディではない       おすすめ度
 同郷である井上ひさし氏の『遠野物語』へのオマージュ作品。遠野へ行く時は、柳田国男の『遠野物語』そして井上氏のこの作品を読んでから出かけられることを強くオススメします。特に『新釈』の方は新幹線に乗りながら目を通せば、時空を旅することができることでしょう。そして最後の一文に達したとき、もう一度最初のページに戻っているに違いありません。遠野で最後にかかれた情景を見つけることができるでしょうか。
 『遠野物語』を読んだことのある人にとっては、さまざまなシーンで「あっこれは…」という箇所が沢山出てきます。しかし、これは決してパロディではありません。笑いあり、エッチなシーンあり、しんみりとしてしまうシーンあり。でも最後は…


のっけからパロディー、でもラストでふっと我にかえるノスタルジーあふれる作品       おすすめ度
いきなり、本家柳田國男の遠野物語のパロディー。とはいいつつ、語り部が読者に語りかける柳田民話の本質は外していません。井上ひさし流のコダワリの日本語でところどころにギャグがちりばめられつつ作品全体に漂う不思議な雰囲気。ラストではでふっとノスタルジーを感じさせてくれます。あなたも狐に化かされてみませんか?