水の翼 (新潮文庫)
作者 小池 真理子
価格 700 円
出版社名 新潮社
出版年月 2004/04
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■読者の評価     おすすめ度平均

小池真理子の長編恋愛小説       おすすめ度
親子ほど年の離れた木口木版画家の夫、柚木(ゆずき)と静かに暮らす紗江(さえ)。
ある日、その紗江のもとに夫の弟子になりたいと寺島東吾(とうご)が訪ねてくる。
東吾もまた、才能を秘めた若者だった。やがて二人は柚木の急逝を機に激しく求め
合う。柚木が亡くなって未完成となった作品を東吾が仕上げることになる。
しかし、作品が完成したとき東吾は忽然と紗江の前から姿を消してしまう。
 東吾は、なぜ姿を消したのか、帰ってくるのか、と気になってぱらぱらとページを
先にめくってしまった。紗江が、東吾を待ちわびる姿の描写は卓越で、読む者まで
はらはらと落ち着かない気分にさせる。そして、急展開の結末。
 最初から中盤までゆったりと読ませ、後半は、ぐいぐいと引っ張られスピードが
上がってしまった。これもまた小池真理子を代表する恋愛小説と言えよう。


せつなく、激しい恋       おすすめ度
小池真理子氏が大好きで、作品はほとんど読んでいますが、その中でもピカイチのお勧めです。
心の奥底でめらめらと恋の炎を燃やしながらも、木口木版画の世界にどっぷり浸かり、「水の翼」の制作に打ち込む東吾。そんな彼に思いを寄せる紗江。互いの気持ちが痛いほどにわかり、なかなか進展しない二人の仲に、せつなくなってしまいます。最後に東吾が紗江についた嘘。その真相が解き明かされたとき、流れる涙を抑えられませんでした。読後、しばらく呆然と余韻に浸れる秀作です。