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■読者の評価
おすすめ度平均
この独特の雰囲気がいい おすすめ度
久世さんの作品の中では一番好きです。
どれも独特の雰囲気がありますが、中でもこれはイイです。
懐古趣味的で、乱歩の世界の濃密なエロティシズムと差し色のようなグロテスク。
美青年に気を引かれる中年男、という部分は少し「ベニスに死す」を彷彿とさせ、
またあるときは美女に目移りし、ホテルの隣の部屋に怪奇的妄想を抱いたりする、
スランプで情緒不安定になっている乱歩の、外人向けホテルに逃避中の数日間(?)を描いています。
また、そんな生活から生み出される妄想を昇華したような小説が、
作中作で全部読めるんですが、これは乱歩っぽいといえば乱歩っぽいんですが、
何かもっとこう・・・熟れた桃の中にどっぷり入ってめくるめく陶酔に酔っ払ったような感じです。
アクがあってくせになるタイプの本です。私はめったに読み返しはしないのですが、
これはときどき読み返してしまいます。雰囲気にひたりたい時に。
どれも独特の雰囲気がありますが、中でもこれはイイです。
懐古趣味的で、乱歩の世界の濃密なエロティシズムと差し色のようなグロテスク。
美青年に気を引かれる中年男、という部分は少し「ベニスに死す」を彷彿とさせ、
またあるときは美女に目移りし、ホテルの隣の部屋に怪奇的妄想を抱いたりする、
スランプで情緒不安定になっている乱歩の、外人向けホテルに逃避中の数日間(?)を描いています。
また、そんな生活から生み出される妄想を昇華したような小説が、
作中作で全部読めるんですが、これは乱歩っぽいといえば乱歩っぽいんですが、
何かもっとこう・・・熟れた桃の中にどっぷり入ってめくるめく陶酔に酔っ払ったような感じです。
アクがあってくせになるタイプの本です。私はめったに読み返しはしないのですが、
これはときどき読み返してしまいます。雰囲気にひたりたい時に。
乱歩への深い愛情の賜物 おすすめ度
1934年、乱歩は新聞に連載していた小説「悪霊」を突然自分の都合で打ち切るという醜態を世間に晒し、数ヶ月間姿を隠していた。打ち切りの理由は「構想の未熟」であったと言う(乱歩の構想は「アクロイド」だったらしい)。本作はその空白の期間を作者があり余る想像力で補い、乱歩のそして時代の様子を描いたもの。乱歩に対する作者の愛情がヒシヒシと伝わる。
乱歩は友人に紹介されたホテルに泊まり新作を書こうとする。ところが、このホテルが怪しいのだ。ホテルの雰囲気自身が怪しいし、美青年のボーイ、謎の麗人、その他の怪しい宿泊客等、いかにも乱歩好みの状況だ。この状況に押されるように、乱歩は新作(勿論作者の作中作)を書き始める。その名は「梔子姫」。
物語は、乱歩が数々の謎に満ちた出来事に刺激を受けながら、この「梔子姫」を書き上げるまでを描く。この作中作は素晴らしい出来で、エロティシズムに溢れた怪異譚の傑作。乱歩自身の作品に優るとも劣らない幻想的作品だ。そして、最後に仕掛けが用意してある全体の構想も見事の一言に尽きる。
戦前の東京の様子・雰囲気も見事に描かれ、作者の研究ぶりが窺がえる。乱歩への愛情が産んだ乱歩ファンへの最高のプレゼントであり、構成も確かな耽美小説の傑作。
乱歩は友人に紹介されたホテルに泊まり新作を書こうとする。ところが、このホテルが怪しいのだ。ホテルの雰囲気自身が怪しいし、美青年のボーイ、謎の麗人、その他の怪しい宿泊客等、いかにも乱歩好みの状況だ。この状況に押されるように、乱歩は新作(勿論作者の作中作)を書き始める。その名は「梔子姫」。
物語は、乱歩が数々の謎に満ちた出来事に刺激を受けながら、この「梔子姫」を書き上げるまでを描く。この作中作は素晴らしい出来で、エロティシズムに溢れた怪異譚の傑作。乱歩自身の作品に優るとも劣らない幻想的作品だ。そして、最後に仕掛けが用意してある全体の構想も見事の一言に尽きる。
戦前の東京の様子・雰囲気も見事に描かれ、作者の研究ぶりが窺がえる。乱歩への愛情が産んだ乱歩ファンへの最高のプレゼントであり、構成も確かな耽美小説の傑作。
中年男の官能に静かな火をともす おすすめ度
乱歩についての作家論的な,それこそトリビアルなまでの取材がまずこの本を面白くしています.乱歩のいるホテルがまさにそこに足を踏み入れたように,そこの空気に包み込まれるように描かれています.それ以上に面白いのは,40歳の乱歩という中年男のいやらしさ,ねちっこさ,そして夢見がちな少年らしさという生理が,まるで目の前の禿頭をなで回すようにありありと実在感をもって描かれていることです.作中作「梔子姫くちなしひめ」はこの生理が生み出した宝石です.TVのお仕事についての高名が歴史に埋もれても,この本は語られ続けるでしょう.
乱歩以上に乱歩 おすすめ度
乱歩への久世氏のねじくれた偏愛は「梔子姫」で乱歩以上に乱歩という最上の艶かしさで幕を閉じる。
香り、匂い おすすめ度
久世さんの作品は、大体、好きです。
どの作品も独特の色気があるのですが、私が特に好きなのは、
短篇集「桃」と、この「乱歩」です。
どの作品も独特の色気があるのですが、私が特に好きなのは、
短篇集「桃」と、この「乱歩」です。
久世さんの日本語は、気品のある妖しい香気が漂っていて、
素晴らしいと思います。
作中に出てくる作品も良いのですが、
私としては、作中に出てくる小物の雰囲気が
薫り高くて、さらに好きです。

