|
|
|||||||||||
|
||||||||||||
|
|
||||||||||||
???どこか浮世ばなれした雫石、超能力をもつ楓。そのパトロンで恋人の片岡さん。雫石の恋人の真一郎くん、アパートの「ものすごくいやな感じ」の隣人。彼らが繰り広げる物語は、『キッチン』から『アムリタ』までの初期の作品を彷彿とさせるファンタジックなストーリーである。しかし一片の無駄もない文章とストーリーで組みあげられた本書は、円熟期にある作家の手で極限まで磨きあげられた珠玉の作といえる。そして同時に、「また新しい章が始まる」という印象的な言葉で締めくくられているように、吉本文学の新たな作品世界の萌芽を予感させるものでもある。
?「守られている女の子の生き方の物語」である本書には、著者の計り知れない他者への愛情の深さがにじみ出ている。行方不明のインコを探してほしいという少年に、嘘をついてしまう楓。不倫関係にある真一郎くんとの恋をひそっりと続けていく雫石。たくさんの無垢な魂が、それでもしっかりと人生を歩んでいく姿が胸を打つ。物語に静かに流れる、決して声高に叫ばれることのないメッセージが、読むものの心をじんわりと癒してくれる。(中島正敏)
自然に宿る不思議な力、生きる意味について考えさせられました。
ずっと山の濃密な自然に囲まれて育った雫石、
人を癒すお茶を作ることが出来る美人なおばあちゃん、
盲目だけれど、持ち物からその人を取り巻くものが見える楓、
楓のパトロンの片岡さん、サボテンの栽培をお仕事にしている
雫石の恋人真一郎くん,etc…
とても個性的で素敵な良い人ばかりが登場するので
作品の雰囲気も澄んでいて、美しい緑の山のよう。
サボテンがとても巧く効果的に用いられていて
今まで全く興味がなかったのに育ててみたくなった。
なるほどなあ〜〜と思った作中の文章であります。
真骨頂と言ってもいいのではないのだろうか。
主人公はサボテンを守護神のように感じている「雫石」。彼女は、魔
女の弟子のように世間や親を知らず、幸せに山で暮らす。
そして、ある日訪れる、幸福な少女時代の崩壊。
ヒーリング、超能力、不倫、欠けている家族像と、これまでよしもと
氏が得意とする要素がふんだんに盛りこまている物語の序章である。
しかし、描いているものは、周囲に対する人間・自然に対する愛情、
そして謙虚な心を「日常の中で光らせておこう」と言う、ごく自然な
メッセージを感じる。
「雫石」が真一郎君との中で、楓との交流でどのように成長し、また
変わらないでいられるか、期待したいシリーズである。
きっと何度も読み返すだろうという予感があったのと、どうしても手元に置きたくなったからです。
よしもとばなな作品の中でも、このシリーズはかなり特別に好きなものになりそうです。
生きることに疲れたとき、毎日がただ、とつとつと過ぎていってしまうように思えたときに、これを読むと、心の目が覚めるような感じがします。
これはいいです!
この本大好きかも!と思った。
そのドキドキのテンションは最後まで続いた。
さてこのお話の何が最高かって主人公(雫石)のおばあちゃんが最高なのだ。
おばあちゃんは薬草を自在に操ってその人にぴったりのお茶を作る人なんだけど、この人の生き方がそりゃもうカッコイイのだ。
おばあちゃんは何十年も山に籠もって薬草を作り続けている。
それなのに仙人みたいに枯れてないのがいい!
山の開発でいいお茶が取れなくなると、さっさと引退してマルタ島に飛んでしまうのだ。
マルタ島だよ??なぜなら恋人が待ってるから。
しかもネットで知り合った恋人だ。
おばあちゃんの生き方に大いに触発された1冊。

