夜のピクニック
作者 恩田 陸
価格 1,680 円
出版社名 新潮社
出版年月 2004/07/31
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    第26回 吉川英治文学新人賞   受賞
    本屋大賞 2005年   受賞
夜を徹して八十キロを歩き通すという、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。生徒たちは、親しい友人とよもやま話をしたり、想い人への気持ちを打ち明け合ったりして一夜を過ごす。そんななか、貴子は一つの賭けを胸に秘めていた。三年間わだかまった想いを清算するために―。今まで誰にも話したことのない、とある秘密。折しも、行事の直前にはアメリカへ転校したかつてのクラスメイトから、奇妙な葉書が舞い込んでいた。去来する思い出、予期せぬ闖入者、積み重なる疲労。気ばかり焦り、何もできないままゴールは迫る―。

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『「本屋大賞」事務局(http://www.hontai.jp)』より、恩田陸さんの受賞の言葉が届きました!
(Copyright© 新潮社 恩田陸)


■読者の評価     おすすめ度平均

毒にも薬にもならない夢小説       おすすめ度
本作に出てくる「歩行祭」とかなり近い行事を経験した者として、ひたすら違和感を感じてしまいました。
シチュエーションが知っているものとよく似ているだけに、このストレートな青春物語がとにかくこっぱずかしい・・・。
まあそれはこっちの問題として、イヤなのは登場人物がいちいち感慨深いもの思いにふける描写。星を見ては何かを思い出し、朝日を見ては何かにたとえ、休憩しては何かの終わりが近いことを思い・・・って、どれだけ感受性が強いのよ。
息つく間もなく心の声心の声、揺れ動き揺れ動きって印象。リアルなようでリアルじゃない会話部分も同じで、ちんたら読んでいるのがつらかったです。

みんなそれぞれの悩みを抱えていて、でもみんな根はいい子でいろいろ考えていて、だから青春は当然美しい。いさぎよいほどそれに終始しています。
けどそんな夢小説を良しとするのって誰? 思うように青春できてない現役世代・・・? この薄っぺらい思春期をうらやましいと思えるものでしょうか。主人公たちほどいい子じゃない読者にとっては、「これはないよ!」と噴飯もののはずですが。
少なくとも、すでに自分の青春を終えてしまってる大人にノスタルジーを感じさせるような普遍的な何かは、私には感じられませんでした。

実際に自分が経験した行事がヘタに料理されたようで、暗い気持ちになりました。
しかもこれが本屋大賞とは。売る側が、毒にも薬にもならない、なんともない小説を売りたがっているようでは、いつまでたっても普段本を読まない人が普段読まないまんまなのでは?
もらいものなので読みましたが、人にはおすすめできません。


私も3年間で100kmの学校行事経験者       おすすめ度
自分の出身高校にも、似たような行事がありました。
3年間で100km歩く。本と一緒で修学旅行は無し。
1年に1回、全校生徒が、朝学校を出発して夕方また戻ってくる。
それが、33kmくらい。これを掛けること3回やるわけです。

欲しいのは水。お菓子なんて食べる気力はなかった。
途中の坂道で水を売る上級生まで居た。
クラス対抗になっていて、強い運動部のチームは3〜4時間でゴール
峠の途中で、ゴールを告げる花火のような打ち上げを見ると疲れがどっと押し寄せる
最後のゴール前は、潰れた水ぶくれが痛くて溜まらなかった。
参加しないと体育の単位が貰えず。そのくせ翌日は休日じゃない。


途中、特に必要そうでもない会話をし始める箇所を読み始めると、この歩行だけでページを持たせるのはだらだらして難しいのじゃないかと思った。
実際、そうでもしなきゃ疲れだけがのしかかってきて辛いから、そうなってしまうのも分かるんだけど。

主人公達がやけにしっかりしている高校生だから、自分もあの頃こんなにしっかりしていれば、思い出に残る行事になったかな。って思います




なつかしの青春☆       おすすめ度
どっぷり、のんびり浸れる青春ドラマです。

社会人となり、
他人との壁を高めにして、
生活してる私にとっては、
秘密の共有や他人の恋愛の噂話などは
なつかしく、またうらやましくもありました。
逆に、新たな知り合いになった人にも、
親しくしたい人には秘密を共有していこうかな、
とも思いました。

学生の時に読んだとしても、
同年代の別の視点をもてるので、
面白いと思いました。


食わず嫌いしないで、早く読めばよかった       おすすめ度
あまりに話題になった本なので、ちょっと敬遠していたのですが・・・

なんせ、「せかちゅう」で笑っちゃうようなどす黒い腹をしているので(笑

読んでみて、びっくり。

すっきり爽やかな読後感。

といっても、よくある、「青春時代の美化」とも違い、

登場人物みんなが、ひねくれていたり、ゆがんでいたり、自己中だったり、

でも、それがまた可愛らしい(笑

食わず嫌いしないで、早く読めばよかったです。


非日常的な出来事がなぜか臨場感をもって味わえる       おすすめ度
高校を卒業したのは遠い昔のこと。

卒業した高校には夜の歩行祭なんて行事はなかった。

ましてクラスの中に異母兄弟がいることもない。

こうして並べてみると非日常的なことだらけの空想物語である。

しかしなぜだか彼らが長い道のりを一歩一歩進むときには、
自分も同じように歩いているようなそんな気分になる。

歩行祭の道のりと同じく文章そのものもとても長い小説だが、
ゴールに近づくにつれ達成感ともになぜか寂しい気持ちになっていくのは
読み手も同じこと。

なんだかせつなくてさわやかな物語だった。