中庭の出来事
作者 恩田 陸
価格 1,785 円
出版社名 新潮社
出版年月 2006/11/29
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    第20回 山本周五郎賞   受賞
瀟洒なホテルの中庭。こぢんまりとしたパーティの席上で、気鋭の脚本家が不可解な死を遂げた。周りにいたのは、次の芝居のヒロイン候補たち。自殺? それとも他殺? 芝居とミステリが融合した、謎が謎を呼ぶ物語のロンド。

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■読者の評価     おすすめ度平均

魂の重さは、21グラムです!       おすすめ度
映画や都市伝説からの引用も多い著者だが、不正確な記述も見受けられ、なぜ編集が気づかないのだろう…と思ってしまう。
初版本で[魂というのは12グラム]とありましたが、映画『21グラム』が大好きな私にはショック…。しかも12グラムなら軽すぎるでしょうが!と一人ツッコミ!
その後、読む気を失しました。装丁も良くない。昔は新潮社装幀室、優秀だったのに…。


一本の劇のようなお話       おすすめ度
「劇」と「現実」が交互に描かれていたが、
「劇」のなかで起こっていることが「現実」と
リンクする部分があって、複雑な展開になっていました。
煙にまかれた感じです。
でもそれが恩田陸さんの本らしくて、私は結構好きなので、
楽しく読めました。


観客は私       おすすめ度
 何度も舞台と場面が転換しているうえ、劇の中と外が何層にもなっていて、頭の中がこんぐらかりそうになりましたが、最後の最後で、やっと納得できました。本自体が1つの劇場のようなイメージ。ある意味、ものすごく凝った本ですねー。


独自の小説世界       おすすめ度
小説内劇中劇、入れ子構造で組み込まれる物語、合わせ鏡のように絡み合う登場人物、
今読んでいる部分がどこに立脚しているか分からなくなるところがこの小説の魅力であり、読者を選ぶ要因となっているのでしょう。
個人的にはそれほど混乱せず一気に読むことができました(謎は謎として残ったままですが)。
読後感も予想に反して?すっきりとした感じです。
また劇中劇「中庭の出来事」も戯曲としてとても魅力的で、3人の女優+1人の男優の舞台として観てみたいと思わせる完成度となっています。
それにしても『Q&A」『ユージニア」といい恩田陸は独自の小説世界を次々発表し続けてますね。今後も期待です。


野心的な実験小説       おすすめ度
自分の小説世界を解体してより大きな世界に組み込もうとした実験的で野心的な作品。メタフィクションの極北でありながら、「おはなし」としてもちゃんと面白いというところがさすが。そういう意味でバッハの「フーガの技法」的な位置づけ。ただし、まだまだ実験的なところが勝っていて、『ユージニア』ほどこなれてはいない。それにしても「六番目の小夜子」が処女作にして最高傑作だったというので終わるかと思っていたら、最近の作品群はすさまじいなぁ。「小夜子」が無意識の世界が偶然作り上げた傑作だったとすれば、このあたりは自分の無意識を意識的にコントロールする技術の果ての作品のように思える。このペースでこれほど重い作品を作り続けるのは、小説そのものへのこだわりよりも自己向上への執念のようにも思える。彼女は一体どこまでいくのだろう。