警官の血 下巻
作者 佐々木 譲
価格 1,680 円
出版社名 新潮社
出版年月 2007/09/26
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■読者の評価     おすすめ度平均

最後にいくにつれ不完全燃焼       おすすめ度
和也が祖父や父の事件の真相を知った後、警察組織との決別か復習をするのかと思ったんだけどなー。


直木賞に値する傑作です。       おすすめ度
平成19年下半期第138回直木賞候補作。
冒険小説に実績のある著者による警察官もの。
『笑う警官』『制服捜査』『警察庁から来た男』に連なる、集大成とも言うべき警察官親子三代にわたる年代記。
静かな緊張感が持続し、上下巻計800頁を一気に読み通しました。
言いしれぬ感動が読後に残ります。
名作です。


上下できっちり元がとれます       おすすめ度
三代にわたる、警察官の問う真の正義とはなにか....を描いた作品です。
上下巻別れた作品ですが、まず2巻とも揃えて読まれることをお薦めします。

上巻>過激派のスパイとして着任した二代目民雄の全共闘時代の描写が若干くどく、
ところどころ飛ばし読みになってしまいましたが、ここは物語の大勢にあまり影響ないので
それはそれでよいかと思います。
上巻でのエピソードが十分な伏線となって下巻では物語の勢いとキレが段違いにUPします。

祖父、父の時代に抱えた事件性はきちっとした解決という形には至らずに終わりますから
ミステリーと呼ぶよりは
むしろ「警官」という職業に生きる男たちの特殊な心情を丁寧に描いた心理小説。

どちらかといえば悲愴な生き様だった祖父、父の無念をはらすかのような
三代目、和也のクールでタフな勇姿は爽快で読んでよかったなぁとしみじみ思わせます。


臨場感       おすすめ度
祖父→父→息子と3代にわたる警察官の話。

昨年度の「このミス」1位に選ばれた作品だけれど
ミステリー感はそんなになく。
たぶん犯人は、誰もがなんとなく想像がつく。

でも、その時々の時代背景がとっても詳しく丁寧に書かれていて
ぐいぐいと作品に引き込まれていく感じ。
同じ警官でも、時代によってここまで違ってくるのか、と
驚かされる。

三代目の話は、少し物足りない感があったけれど
最後はちゃんと解決してくれたのですっきり。
でも、二代目は切なすぎたなぁ…。
もう少し報われてもよかったんじゃないかな、と思ったのは私だけ?

盛り上がり感には欠けるけれど
全体的にすごくよくまとまっていて
実際の事件も絡んでいて臨場感も伝わるので
とても読みやすかった。

こういうのって映像化されたら面白いんじゃないのかなぁ?


変遷の物語       おすすめ度
安城清二は戦後の大量採用時に警官となり,天王寺駐在所の制服警官となった。昭和28年に鉄道員殺害事件がおこり,5年前上野に勤務していたときに発生した男娼:ミドリの殺人事件との関連性を疑いはじめる。しかし,駐在所に隣接する五重の塔が火災となった際に不慮の事故により命を落とすことになる。その警官の血は息子:民雄,孫:和也へと脈々と受け継がれていく・・・

戦後の混迷機から現代までを舞台に親,子そして孫三代の警察官の人生を綴った物語である。上下巻ながら展開が早く,あっという間に読める物語であった。時代の移り変わりが,住居・事件・病名・警察組織などあらゆる場面にちりばめられていて,それも一つの勉強になった本であった。上記にある二つの事件に関わる謎を中心に,それぞれの代の警察官における時代の葛藤がとても重く感じられた。同作家の『制服捜査』と同様に大変心に残る物語であった。