東京島
作者 桐野 夏生
価格 1,470 円
出版社名 新潮社
出版年月 2008/05
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    第44回 谷崎潤一郎賞   受賞
あたしは必ず、脱出してみせる――。ノンストップ最新長篇! 32 人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても、無人島に助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か? いつか脱出できるのか――。欲を剥き出しに生に縋りつく人間たちの極限状態を容赦なく描き、読む者の手を止めさせない傑作長篇誕生!

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■読者の評価     おすすめ度平均

微妙な作品       おすすめ度
久しぶりに桐野夏生さんの小説を読みましたが、何人かのレビュアーの方が期待はずれだったといっているように、かなり微妙な作品ではあります。三十人余りの若い男性の中に、女性はただ一人、しかも46歳。彼女は年齢的にも微妙ですが、しかしある意味でこれは設定としては絶妙なのかもしれません。女性主人公がもっと若ければ、まったく別の物語になっていたでしょう。
登場するのがいずれも共感の持てない(持ちようがない)人物ばかり、しかも醜悪に醜悪に描かれています。そういう意味では徹底しています。まあ、無人島に流れ着いたのだから、清潔でいられるわけもないでしょうが。
昨日(2009年1月5日)の朝日新聞に載っている福岡伸一さんとの対談で、桐野さんは「性的に追いかけられるのも怖いですが、女がいると秩序が乱れるから、と『異物』を抹殺しようとする男だけの社会の怖さ。それを書きたいと思いました」と語っています。
なるほど。しかし、女性はときによると男性をこのような醜い存在と見ているのかもしれないと思うと、逆に怖くなってしまいます。うーん、やっぱり微妙だ…




無人島に中年女性が一人。       おすすめ度
文明から切り離された無人島を設定におき、人間の身勝手さ、醜悪さを書いた作品。

遭難者は、大きく日本人グループと、中国人グループとにわかれているのだが、日本人はただなんとなく救助を待ち、その日を暮らすという受身な生き方をしている。
一方、中国人グループは、生活力・生命欲にあふれており、自分たちで積極的に行動する。
その対比は、面白かった。
頭でばかり考え、みなが右に同じじゃないと安心できない日本人が、気温や食べ物にさほど苦労しない無人島に遭難したら、いがいとこんな感じなのかもしれないなとは思いました。

けどなぁ・・。とにかく清子が好きになれません。身勝手すぎる・・・。
隆がかわいそうだ。(作者は精神の弱さが死をまねいたってかいてたけど)
ワタナベが、助けを呼ばないのはしょうがないにしても、清子はひどすぎるだろう。

身勝手だろうと、そういう人間が強いってテーマなんだろうか。後味悪いです。


すらすらと読めますが…       おすすめ度
無人島に流れ着いた人々の中で、女が一人。そこから始まるさまざまな争い、葛藤、サバイバルな生活。
期待をこめて読み始めましたが、あまりにグロテスクで吐き気を催すこと数知れず。
まあ、実際にこうした状況に遭遇したら人間てこんなものなのかもしれないけれど、あまりに残酷で、自己中心的で、読後感はすっきりしません。
エログロ好きの方なら面白く読めるのかも。


ガッカリ・・・       おすすめ度
物語に起承転結がなく間延びしていて、「次はどうなるのだろう」というページをめくる期待感がまったく持てなかった。帯を読んでドキドキ・ハラハラするようなサスペンス的な要素を期待して購入したが、全くの期待はずれでした。


たんなるエログロにならないのが桐野夏生の力量       おすすめ度
桐野さんの作品だから読むけど正直、あらすじを読んだだけで気が滅入りました
「無人島で、数十人の男の中に女が一人」ですよ?いやでもエログロ系の話を想像しちゃいます。
さらに1ページ目でいきなり明らかになるのですが、この女っていうのが「46歳」なんです。
若い男たちがこの唯一の女をめぐって、サバイバル・・・・。
この設定、思いついてもなかなか書けるもんじゃない。
よっぽどうまくやらないとB級のエログロ小説にしかならないのに、そこはやっぱり桐野夏生!!
人間の欲、醜さ、非常事態で発狂していく様子が色濃く描かれ、
女性の図太さ、計算高さ、したたかさは憎たらしいくらいよく出ています。
女の汚い内面を描かせたらこの人ほどうまい作家はいません。

サバイバルよりも人間の人間らしい面がどんどん壊れていく過程に読み応えを感じました。
非常時もみんな仲良く協力しあって・・・なんてのは幻想。
「他人より自分」。これが現実なのかもしれない。
もし、自分がこの状況に置かれたら、彼らのようにはならないと私は言い切ることができません(>_<)

やっぱりワタナベみたいなキャラクタ−は必須ですね(ニヤリ)