いい子は家で
作者 青木 淳悟
価格 1,470 円
出版社名 新潮社
出版年月 2007/05
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■読者の評価     おすすめ度平均

笑える!       おすすめ度
作者が最初から人間を掘り下げて描くなんてことを考えていないのは明白で、ここに提出されているのはあくまで状況、というか、環境だと思う。だから、たとえば主人公の兄とか、女友だちとかの掘り下げが足りない、という指摘は、適格ではないと思う。小説って、人間を描くだけのものではないよ?というのが、この作品を読むと、よく、わかる。あと、竜巻のクダリは何かアリエネー!って感じで、笑えました。フツウのリアリズム小説で、こういう楽しさは味わえないと思う。


人間のサイズや姿が変わる       おすすめ度
この小説の語り手は人間ではない。
あるときは足の裏ばかりを注目する低い視線になり、あるときは“家事導線”なるものによって家の展開図そのものになる。
小説が人間によって人間のためにだけ書かれるものだと思い込んでいる人にとって、この小説は「?」の塊か苦痛以外の何物でもないことになってしまうだろうけれど、それは小説が個人の悲しみや喜びを書くものだと思い込んでいるその人が悪い。きっとそういう人たちは、カフカもガルシア=マルケスも深沢七郎も読んだことがないのだろう。
小説というのは自分のサイズで判断するようなちゃちなものではなく、読者として努力してその世界に接近するものだ。こういう小説を書く人が日本にもいてくれることが僕は心からうれしい。


お母さんと家       おすすめ度
 どの話も、息子側から見たお母さんの生態とお母さんが中心に回る家族の生態がするどい観察眼で描かれている。息子からしたら、それが当たり前で結局は戻るところは実家ていうことなのかなって思いました。
 中学生のころ、不謹慎ですが、「お父さんとお母さんが今いなくなったとしたらどっちが困るか」友達と話したことがあって、みんな「お母さん!!」って答えていたことを思い出しました。今の時代はもう少し変わっているような、変わっていてほしいような気がしますが…。
 


参った       おすすめ度
この本は参った。
「一本とられた」という意味の参ったではなく、本当に参った。

私にはどのように評価してよいのかわからない。

某新聞書評欄において、敬愛する江国香織が推奨していたので久しぶりに小説を読んでみたのだが、内容は作者が実験的に書いたとしか思えない。

夢と妄想をかき集めて出来上がったような「いい子は家で」。
日常生活を古舘伊知郎に実況中継させたものを書き起こすと完成しそうな「ふるさと以外のことは知らない」。
意地悪な娘の視点で親父を描写し、それを息子に書かせた風の「市街地の家」。

残念ながら私は感性が異なるようだ。
作家である江国さんにとっては、作品の参考となるプロットが豊富であることを指して推奨されたのかもしれないが、読者にとってはどうなのだろう。

江国香織推奨のコメントを読んで購入してしまった方がたくさんいらっしゃるだろう。