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■読者の評価
おすすめ度平均
ぐっときました。 おすすめ度
北京生まれアメリカ在住の若手女流作家の短編集。
アメリカで沢山の文学賞を受賞している作品だけあって
かなり切れ味鮮やかな逸品ぞろいでした。
現代の中国の人々が何を感じ何を考えどう生きようとしているのか
歴史的背景はちがえども
根本的なところは変わらないのだなあと思いました。
思想統制のあった中国で生まれ育った彼女は
中国語を使うときには自分で”検閲”をしてしまうので
英語という別の言語を獲得したことによって
自由に語れるようになったと感じたとのこと!
そんな知られざる現代の中国人の内面を
のぞき見るようでもありとても興味深かったです。
登場人物は老若男女さまざま。
この人の愛の深さ
そしてそれを表現するときの
その愛の深さに反比例するかのような
慎ましさにぐっときました。
クレストブックシリーズは
厳選された世界の名作品が読めて大好きです!
アメリカで沢山の文学賞を受賞している作品だけあって
かなり切れ味鮮やかな逸品ぞろいでした。
現代の中国の人々が何を感じ何を考えどう生きようとしているのか
歴史的背景はちがえども
根本的なところは変わらないのだなあと思いました。
思想統制のあった中国で生まれ育った彼女は
中国語を使うときには自分で”検閲”をしてしまうので
英語という別の言語を獲得したことによって
自由に語れるようになったと感じたとのこと!
そんな知られざる現代の中国人の内面を
のぞき見るようでもありとても興味深かったです。
登場人物は老若男女さまざま。
この人の愛の深さ
そしてそれを表現するときの
その愛の深さに反比例するかのような
慎ましさにぐっときました。
クレストブックシリーズは
厳選された世界の名作品が読めて大好きです!
現代”中国”文学に心をつかまれる おすすめ度
この「新潮クレストブックス」は装丁がきれいで好きなんですが、
中身も伴っているところがとても良いですね。編集者の思いを感じます。
筆者のイーユン・リーはこれがデビューですが、この作品で数々の賞をとりました。
中国生まれ・中国育ちの中国人ですが、北京大学を卒業後アメリカの大学院で
免疫学を修めます。その後に創作科の修士課程に進んだという稀有な経歴の持ち主です。
そのためか、この作品は中国が舞台の短編集ですが英語で書いたのだそうです。
それは英語という新しい言語が彼女に「言葉」を与えたから。なんとなく、わかる気がします。
わたしも日本語のほうが語彙もあるし表現力もあるし親しんでいるけれど、
英語のほうが感情を表に出せる気がします。「英語」の力なのか、「第二言語」の力なのか、
それを学んだ背景や時期、受けた影響なのかはわかりませんがどれもあるんだと思います。
わたしは中国人作家の本はユン・チアン著の「ワイルド・スワン」しか読んだ事が
ないけれど、彼女も英国留学をしていて(たぶん)英語で書いています。
やっぱり、言語を表層とした文化的抑圧があるのかもしれません。
「千年の祈り」は、主に中国の貧しい地方や農村や人々を題材にした物語から
なっていて、「好女人(よき妻)」みたいなふるい価値観が軸になっていたりするのに
ところどころに「アメリカ留学を果たした自慢の息子」や、「ゲイ」といった時代を
うつしたり衝撃的だったりする思考が登場します。短いながらひとつひとつ丁寧に
言葉を選んだ小説で、心をつかまれます。登場人物への感情移入はないのに、
こういうのはとても不思議な感覚。翻訳も、中日ではなく英日なのに、いい訳でした。
中身も伴っているところがとても良いですね。編集者の思いを感じます。
筆者のイーユン・リーはこれがデビューですが、この作品で数々の賞をとりました。
中国生まれ・中国育ちの中国人ですが、北京大学を卒業後アメリカの大学院で
免疫学を修めます。その後に創作科の修士課程に進んだという稀有な経歴の持ち主です。
そのためか、この作品は中国が舞台の短編集ですが英語で書いたのだそうです。
それは英語という新しい言語が彼女に「言葉」を与えたから。なんとなく、わかる気がします。
わたしも日本語のほうが語彙もあるし表現力もあるし親しんでいるけれど、
英語のほうが感情を表に出せる気がします。「英語」の力なのか、「第二言語」の力なのか、
それを学んだ背景や時期、受けた影響なのかはわかりませんがどれもあるんだと思います。
わたしは中国人作家の本はユン・チアン著の「ワイルド・スワン」しか読んだ事が
ないけれど、彼女も英国留学をしていて(たぶん)英語で書いています。
やっぱり、言語を表層とした文化的抑圧があるのかもしれません。
「千年の祈り」は、主に中国の貧しい地方や農村や人々を題材にした物語から
なっていて、「好女人(よき妻)」みたいなふるい価値観が軸になっていたりするのに
ところどころに「アメリカ留学を果たした自慢の息子」や、「ゲイ」といった時代を
うつしたり衝撃的だったりする思考が登場します。短いながらひとつひとつ丁寧に
言葉を選んだ小説で、心をつかまれます。登場人物への感情移入はないのに、
こういうのはとても不思議な感覚。翻訳も、中日ではなく英日なのに、いい訳でした。
噛み締めるような人生の真実を描き出す静謐な短編集。 おすすめ度
祖国中国を離れてアメリカ・カリフォルニア州で暮らし活躍する新進女流文学作家イーユン・リーの各賞を獲得し絶賛を浴びたデビュー短編集です。本書に収録された10編は、著者が故郷を離れて渡米した後に母国語ではなく英語を使って書かれています。こうした作品成立の経緯は、自由の国アメリカから眺めた祖国という視点を彼女に与え、独自の世界を構築し成功に繋がったと思います。しかし反面(勿論無理もないのですが)距離を置いた事で、抗い難い運命を容認せざるを得ない諦念が浮き彫りになる印象の物も幾つかあります。『あまりもの』では、不遇な老女の噛み締めるような人生のささやかな喜びの断片が『不滅』では、独裁者の影武者的人物がたどる運命の変転を通して、中国の連綿と続いていく終わらない悲劇が描かれています。『死を正しく語るには』は悲運に見舞われた男の姿を嘆くのではなくユーモアを持って明るく見つめ、人生の終焉に際して敬意を表します。『柿たち』は体制に怒りを感じて17人の役人を殺し死刑宣告された男の是非を皆で論じます。表題作『千年の祈り』は、中国からアメリカへ渡った娘の離婚を知った父親が、遥々訪ねて来て安否を気遣い、同時に過去の不仲を解消しようとする話です。父親には隠さねばならない秘密があり、結局娘との心の溝は埋められませんが、ふと知り合った言葉の通じないイラン人婦人と心を通わせます。この作品を読んで、テーマが見知らぬ異国の人との間でも心が通い合う奇跡にあるとは思いつつも、父娘の確執の問題で、もう一歩踏み込んでプライドを捨てて思い切って一切をさらけ出したら違った結果になっただろうにと残念で心残りを感じました。1972年生れでまだ30代半ばと若い著者ですから、そこは人間的に成長途上の段階にあると考えて、これから生み出される作品が今の境地を更に突き抜けて真の感動を与えてくれる物となる事を期待したいと思います。
新たなる才能に乾杯! おすすめ度
千年の祈りは、中国北京生まれの作者が、英語で書いた短編集である。
文体はコンパクトにして、つややか。なまめかしいと思えば、乾いている。女性にしか書けない、表現が多く感心した。
また、場面転換が非常にうまいとおもう。「あまりもの」での、婚約から、結婚式までの流れ。生活が一変してテレビのサイズが大きくなったら、逆に執着しなくなったという表現。始まりと終わりでのお弁当箱の使い方など、若い作家とは思えない巧みな書き方である。
天安門事件当時の中国で成長した人間にしか描けない、さりげない心理・背景描写がすばらしい。不幸を起こした相手を糾弾するのではなく、ただ受け入れざるを得ない状況を淡々と書いているところも、よけいリアルに感じる。
また、折々に不思議なユーモア感があるのも、楽しめる。
中国の庶民が時代の急激な変化の中で、どう対処してきたのか、もっと作品を発表してくれることを願いたい。
なお、このクレスト・ブックスのシリーズは装丁が丁寧で、あたかも活版印刷の時代のよい本のような造りであり、読んでいる間も本が大切な時代のことを思い出させる。ぜひ、カバーを外して見ていただきたい。
文体はコンパクトにして、つややか。なまめかしいと思えば、乾いている。女性にしか書けない、表現が多く感心した。
また、場面転換が非常にうまいとおもう。「あまりもの」での、婚約から、結婚式までの流れ。生活が一変してテレビのサイズが大きくなったら、逆に執着しなくなったという表現。始まりと終わりでのお弁当箱の使い方など、若い作家とは思えない巧みな書き方である。
天安門事件当時の中国で成長した人間にしか描けない、さりげない心理・背景描写がすばらしい。不幸を起こした相手を糾弾するのではなく、ただ受け入れざるを得ない状況を淡々と書いているところも、よけいリアルに感じる。
また、折々に不思議なユーモア感があるのも、楽しめる。
中国の庶民が時代の急激な変化の中で、どう対処してきたのか、もっと作品を発表してくれることを願いたい。
なお、このクレスト・ブックスのシリーズは装丁が丁寧で、あたかも活版印刷の時代のよい本のような造りであり、読んでいる間も本が大切な時代のことを思い出させる。ぜひ、カバーを外して見ていただきたい。
処女作とは思えない完成度の短編集 おすすめ度
素晴らしい短編集です。これが処女作とは思えない完成度の作品です。
内容は、現代中国を舞台にした十人の主人公たちの人生の一片を切り取ったものです。しかし、その一片は、主人公の人生全体を見事に写し取った内容になっています。
十編のどの作品をとっても素晴らしいのですが、個人的には、冒頭の「あまりもの」と「市場の約束」が気に入りました。
「あまりもの」は、縁づくこともなく年老いた林ばあさんの話で、私立学校の雑役婦をしていて、その生徒に初めて淡い恋心を抱くという作品です。
「市場の約束」は、アメリカに恋人を留学させるために偽装結婚をさせてやり、いつまでも一人でいる三三の話です。恋人が離婚して帰ってきて、縁談がわきあがるのですが、三三は頑なに断ります。自分の決め事をしっかり守ること、それが「人生の約束」で、同じ考えの相手をついに見つけるところで終わります。
十編が十編とも明るい物語ではありません。でも、最後の一言で救われる、そんな物語の連続です。そんな短編集です。
内容は、現代中国を舞台にした十人の主人公たちの人生の一片を切り取ったものです。しかし、その一片は、主人公の人生全体を見事に写し取った内容になっています。
十編のどの作品をとっても素晴らしいのですが、個人的には、冒頭の「あまりもの」と「市場の約束」が気に入りました。
「あまりもの」は、縁づくこともなく年老いた林ばあさんの話で、私立学校の雑役婦をしていて、その生徒に初めて淡い恋心を抱くという作品です。
「市場の約束」は、アメリカに恋人を留学させるために偽装結婚をさせてやり、いつまでも一人でいる三三の話です。恋人が離婚して帰ってきて、縁談がわきあがるのですが、三三は頑なに断ります。自分の決め事をしっかり守ること、それが「人生の約束」で、同じ考えの相手をついに見つけるところで終わります。
十編が十編とも明るい物語ではありません。でも、最後の一言で救われる、そんな物語の連続です。そんな短編集です。

