お腹召しませ
作者 浅田 次郎
価格 1,575 円
出版社名 中央公論新社
出版年月 2006/02
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    第1回 中央公論文芸賞  受賞
    第11回 司馬遼太郎賞  受賞
入婿が藩の公金に手を付けた上、新吉原の女郎を身請けして逐電。お家を保つために御留守居役が出した名案は「腹を切れ」。妻にも娘にも「お腹召しませ」とせっつかれ、あとにひけなくなった又兵衛は(表題作)―二百六十余年の太平で、武士の本義が薄れてきた幕末から維新にかけてを舞台に、名手が描く侍たちの物語。全六篇。

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■読者の評価     おすすめ度平均

五郎治殿御始末の・・・・・       おすすめ度
五郎治殿御始末が気に入った人なら絶対にお勧めです。やたらに不器用な武士ばかりが、明治の初めの混乱の中で何とか生きていこうとするとこうなってしまう。ほんのちょっと昔のことなのに誰も考えないことをきっとこんなだったろうなうと思わせる絶妙な語り口で描いています。
明治以降現代においては当たり前のことが、江戸時代の常識で生活していた人にはどうしても理解できないことが沢山あったのだと思いました。戦前と戦後で考え方ががらっと変わった以上に。
タイトルの「お腹召しませ」は、読者に当時の武士にとって切腹とは何だったのかを考えさせます。


侍だって人は人       おすすめ度
幕末から維新へと時代が変わる端境期。武士の本質を描いた6編の短編集。
武士=潔くて、男らしくい。本当にそうでしょうか?
人間の本質は、時代が変わっても同じなのではないでしょうか!
武士という職業だから許されなかった悲哀を、作者は語りたかったのではないのでしょうか。


お侍は、「潔かった」と描いたのではなかったのか?       おすすめ度
 「お侍」と言う言葉は、おそらく、江戸末期から明治にかけての変革期の武士をさす言葉でしょう。落語の世界では、江戸中期まで範囲は広がるが。
 ここで、浅田次郎氏が描こうとする「お侍」は、「壬生義士伝」で描いた「お侍」とほぼ同時期の武士でしょう。太平の世の中で「武士(もののふ)」の根性を失った、切腹など「昔の話」に成り下がった「お侍」だと思われるが、それじゃあ、新撰組は、どうなるのでしょう?
 吉村貫一郎は、どうなるのでしょう?

 何も、「武士」を一面から捉えて書いてほしいとはいいませんが、一方で、「潔かった」〜壬生義士伝の吉村の最後は「潔かった」と判断するかどうかは読者に任せられるとしても〜と言う視点で書いてこられながら、このシチュエーションはないでしょう。

 何か、基軸を失って、右往左往してませんか?

 「お腹召しませ」・・・回顧録だとしたら納得できますけど。


時代に翻弄された武士の息遣いを身近に感じました       おすすめ度
現代と過去を行き来する文体は、浅田作品に良く見られるものですが、今回の作品でもこれにより物語の展開への期待感が高まりました。

時代に翻弄された武士の戸惑いがとてもよく表現されています。
しかし、読んだ後にはとてもすがすがしい気持ちになりました。