ゆりかごで眠れ
作者 垣根 涼介
価格 1,890 円
出版社名 中央公論新社
出版年月 2006/04
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■読者の評価     おすすめ度平均

キャラを活かしきれないストーリー       おすすめ度
主人公はコロンビア・マフィアのボスであるリキ・小林・ガルシア(日系2世)。話の流れは大きく2つあり、1つはリキがマフィアのボスになるまでを描いた「過去」、もう1つはリキが日本にやってきてからの「現在」。この2つが交差しながら、物語は進んでいく。比重としては、過去の方が大きい。
コロンビアは国としては貧しくないのだが、貧富の差が激しい。そして世界的なコカインの産出国である。その為、マフィアの社会的影響力が非常に強い。この本を読むと、そういった事情がよくわかる。作者は現地取材を行った経験があり、(その成果なのか)描写は生々しく迫力がある。
しかしそういった過去=コロンビアに比べて、現代=日本の話はいささかパンチ力が弱い。妙子や武田はそれなりに魅力的ではあるが、コロンビア人キャラほどの深みがない。また話のクライマックスとなるイベントはさほど盛り上がりもせず、あっけなく話が終わってしまう。せっかくの人物描写へのこだわりが生かされていない。素材はいいのにもったいないことだ。


垣根節、不発か       おすすめ度
垣根涼介はこんなものじゃないって読者は知っている。だから、読後感はすっきりしない。
コロンビア事情分析などはいい。一種のルポルタージュ風でもある。だから、あえて、日本を舞台にする必要もなかったのではと、思ってしまうのだが。
次回作に期待します。


もうちょっと       おすすめ度
何人かの方のレビューを拝見しましたが
全く同じ感想です。
期待しているものが似ているのでしょうか?
ワイルドソウルが最高傑作だと思いますが、
あのヒリヒリとした感じが無く、少し物足りない思いをしました。
ラストについてももう少し何となく落とし方があったような気がします。
あまり詳しく難癖をつけるとストーリーが分ってしまうので・・
ただ孤児の登場のさせ方など、作者らしい印象を受けました。
車の選び方ももう少し凝って欲しかったな。
今回の主人車?ランエボじゃなー
もう少し捻りが欲しかったです。


ファンだからこそ厳しく       おすすめ度
決して悪くはないのですが、垣根ファンとしてはまだまだこんなものでは満足できません。
主人公があまりに落ち着きすぎてしまい(危うさが足りないと言い換えてもいいですが)、
ワイルドソウルやヒートアイランドのようなスリリングさが不足しているように感じます。
キャラクターの立ち方はやはり一級品ですから、ストーリーでもっと引き付けて欲しい。
過剰な期待かもしれませんが、それが出来る作者ですから期待してしまうのです。
ここ何作かよりは大分楽しめましたが、もっともっとはじけた作品の方が、垣根先生には
似合っています。


堕ちる・・・       おすすめ度
《他の生き方を考えるだけで、心のブレーカーが落ちる。暗闇の世界。
・・・・・・おれもやがては地獄に堕ちる。》

しびれますねぇ!

でも、最後はちょっといけません。心に響くものがなかった。
できれば、続編があってもいいような気がしてます。
全体としては、おもしろかったです。