八日目の蝉
作者 角田 光代
価格 1,680 円
出版社名 中央公論新社
出版年月 2007/03
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    第2回 中央公論文芸賞  受賞
    本屋大賞 2008年   受賞
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか−−理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。家族という枠組みの意味を探る、著者初めての長篇サスペンス。

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■読者の評価     おすすめ度平均

八日目の蝉を読み終えて。。。       おすすめ度
本屋で「店長お勧めの一冊」になっていてとても気になっていたところ
アマゾンで発見!即購入しました。
スタートからラストまで一気に読んでしまいました。
一つの事件から発展し、垣間見る幾つもの人生に自分を重ね、
切なくなったり、悲しくなったり・・・。
とても面白く、考えさせられる一冊でした。


母性の強さと優しさに心が揺さぶられる       おすすめ度
不倫相手との子供を堕胎した女が、その男の赤ん坊を誘拐する。
赤ん坊に対する強く切ない母性と追われる身となった自分たちの未来に対する不安が、
後戻りのできないギリギリの逃亡生活の中で激しく複雑に入り交ざる。

逃亡生活の果てに二人が歩んでいく未来が
美しく奥ゆかしい情景の中で、感性豊かに描かれている。
思わず笑顔にさせられるけど儚くて切ない。強い愛情と弱い心。
不幸な人生の中に垣間見える小さくて大きな幸せ。

素晴らしいです。
心に感動が満ちていくような切なくて優しい小説。


角田さん尊敬します       おすすめ度
10回ほど読み返しました。
愚かな女性の行いを通して、愛情という曖昧な概念を鋭く描写していますね。人から人へと繰り返されること、離れていても思い続けること、憎しみを包み込む大きな力があること、憎悪と相反しないこと、才能であり、技術でもあること、それのみでは人を育てられないこと・・・諸々。
 
 許せないけれど、間違ったことをしているけれど、主人公がエンジェルホームを抜け出す時に「これから私があなたに全部あげる これまで奪ってきたものを返してあげる」と心の中で繰り返すシーンに心を動かされました。
 ラストすばらしかったです。言葉でどう言い表せばよいか解らないほどに。
 
 女性同士の複雑な人間関係、不完全な家族、ダメ女の友情、生きる事への肯定観、角田小説のテーマの全てが、網羅されていると思います。
 
 希和子と薫の「八日目」の先が、生きていてよかったと思える日々であるよう祈ります。


思いのほか、ものすごく泣けます       おすすめ度
サスペンスと期待していると、初めは少し肩すかしをくらいます。
初めはテンポがあまり良くないので、この調子で進んでいくのかな〜?と
気持ちがだれます。
この人の作品には同じように感じることがよくあり、純粋にのめりこんで読んだという感覚がありません。
なんというか、吉本ばななの本のような、言葉の使い方とかが、たまにアングラっぽいというか、そういう所に気持ちが引っかかってしまうので、なかなか入り込んで読むことができない…

のですが。

中盤あたりから、作品に引き込まれるようにして、最後はずっと泣きながら読み進めました(笑)

誘拐した子供を自分の子として愛せるのか。
そこはいまだに疑問に思うところですが、大きな罪を犯して、自分自身が罪から逃れるための逃亡ではなく、
ただただ一日でも薫と一緒にいたかった希和子の気持ちが切なくて涙が止まりませんでした。

もし時間を戻せたとしても、また何度でも薫との人生を選ぶ、というような表現があるのですが、もうそこにはただ、“母の愛”しかないのだなと強く感じ、共感しました。


そして、被害者である、成長した恵理菜にたいしては、なんだか親戚のおばさんのような気持ちで読みました(笑)
あらあら、あの子がこんな大きくなっちゃって!という感じで。
希和子とすごした日々を思い出し、どうしようもなく母親だったのだと、気づくところは
もう、何度読み返しても泣けます。


ラストは予想できるものではなく、どう終わらせるのだろう、というところも気にしながら読みました。
ラスト前で大号泣したので、安っぽく終わってほしくない(薫と希和子が涙の再会とか)
と不安だったのですが、切なさは残るものの、気持ちのいい終わり方だったと思います。

なんだかんだと、この人の作品はまた読みたくなってしまう、それをまた再確認した作品でした。


以外にも心が揺れる       おすすめ度
子供を奪っい逃げ続けている彼女へ、もう逃げないで楽になりなよ、と言う気持ちと、早く逃げてと思うとき、誘拐してきた好きな人の子供を逃げ切る気持ちが強くて、逃げる手段はいくつも使い母性愛も交えながら別れの日が来て長い年月が過ぎ、もう過去の記事だけが残り、その過去に引かれる子供と、過去を引きずり執着する犯人の引かれあって それを互いに知り得ずすれ違う無情とは なんとも言いがたい。感無量で何回も泣きました。