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■読者の評価
おすすめ度平均
『サウスポイント』よしもとばなな おすすめ度
「あのとき選ぶに選べなかった道が
もう一回目の前に、形を変えてやってきた。」
『ハチ公の最後の恋人』の後日談として描かれた世界。
ストーリィも行動も感情の交感も、
描き方が、植物の蔓を編んだ籠のような手触りで、ざっくりとした粗さがあって、
それを包み込む南国の生命のひろさとのコントラストが心地よい。
よしもとばななの世界は、
日常と言葉を瞬間で切り取り、深く自分の中身と繋げる。
その接合点がきらりと光る作家。
たぶんその繋げる深い部分は、死というモチーフ、なんだろうけど。
まさに、キルトのように、
その情景の色やモチーフでつぎはぎされた世界で、
絶望せず、癒されていく人々が描かれている。
もう一回目の前に、形を変えてやってきた。」
『ハチ公の最後の恋人』の後日談として描かれた世界。
ストーリィも行動も感情の交感も、
描き方が、植物の蔓を編んだ籠のような手触りで、ざっくりとした粗さがあって、
それを包み込む南国の生命のひろさとのコントラストが心地よい。
よしもとばななの世界は、
日常と言葉を瞬間で切り取り、深く自分の中身と繋げる。
その接合点がきらりと光る作家。
たぶんその繋げる深い部分は、死というモチーフ、なんだろうけど。
まさに、キルトのように、
その情景の色やモチーフでつぎはぎされた世界で、
絶望せず、癒されていく人々が描かれている。
胸に響かない おすすめ度
初期の吉本ばななの作品は何とも言えず魅了された。大好きな作家だった。
しかし、年々作品の完成度、レベルが落ちている。
新しい作品を読むたび、がっかりする。
私が歳をとり感性が合わなくなってきたのか?
いや、違う。
この作家からもう新しい物は生まれない気がする。
言いたい事を言い尽くしてしまったんじゃないの?
毎回ただちょっとテイストが違うだけで似たり寄ったりの作品。
本当に好きだった作家だっただけに寂しい。
しかし、年々作品の完成度、レベルが落ちている。
新しい作品を読むたび、がっかりする。
私が歳をとり感性が合わなくなってきたのか?
いや、違う。
この作家からもう新しい物は生まれない気がする。
言いたい事を言い尽くしてしまったんじゃないの?
毎回ただちょっとテイストが違うだけで似たり寄ったりの作品。
本当に好きだった作家だっただけに寂しい。
そこには日常の美しさがある おすすめ度
サウスポイントを読んで、はっとした。
大事なものはきれいな物語じゃなくて、いつもいつも退屈なように見えたり、
家族とケンカしたりする日常にこそあるのではないかと。
「家族は家族であるだけで、もうすでに問題点でいっぱい」と書く、
ばななさんに、愛情を私は感じたのです。
ばななさんが『ハチ公の最後の恋人』の続編と言っていましたが、
主人公の性格やキャラクター等、しっかり強く描かれていると思ったし、
なにより大人になっているのにおどろいた。
日々、成長を続けるばななさんの怒涛の生活の中から
生まれた作品だからこその迫力と勢いのあるストーリーになったと思いました。
大事なものはきれいな物語じゃなくて、いつもいつも退屈なように見えたり、
家族とケンカしたりする日常にこそあるのではないかと。
「家族は家族であるだけで、もうすでに問題点でいっぱい」と書く、
ばななさんに、愛情を私は感じたのです。
ばななさんが『ハチ公の最後の恋人』の続編と言っていましたが、
主人公の性格やキャラクター等、しっかり強く描かれていると思ったし、
なにより大人になっているのにおどろいた。
日々、成長を続けるばななさんの怒涛の生活の中から
生まれた作品だからこその迫力と勢いのあるストーリーになったと思いました。
よしもとさんの作品にしかない「空気」 おすすめ度
学生の頃出会ったテトラちゃんと珠彦くんの、運命のつながりを感じさせるラブストーリーです。
物語はテトラちゃんの目線で語られます。
珠彦くんは決して誰もが目を引く美男子ではないけれど、テトラちゃんの目には珠彦くんのことなら他の人が見ていないところまで飛び込んできてしまう。
「なんて素敵なの」といった直接的な言葉がなくても、珠彦くんに惹かれていることは手に取るように伝わってきます。
いわゆる「一目ぼれ」の恋でも、「あの日のあれを境に劇的に恋が始まった」でもなく、自然な流れで惹かれあった二人。
この「自然な流れ」を自然に描けるのは、私が知る限りよしもとさんしかいないのではないかと。
そんな二人の恋愛が、時を経て舞台をハワイ島に移し、繰り広げられます。
ハワイの空気が持っているスピリチュアルな雰囲気が、二人をつないでいる目に見えないものの存在をより浮き立たせます。
恋することの喜び、せつなさだけでなく、テトラちゃん自身の「悲しみ」や、テトラちゃんの周囲の人々の「悲しみ」にテトラちゃんが共鳴する様子もこの物語に登場しますが、そういった数々の感情を、活字を目で追って直接的な表現で確認するのではなく、よしもとさんが活字によって作り出す独特の「空気」によって感じることができる、そんな作品です。
その「空気」を感じた時、まるでテトラちゃんの人生を、読んでいる私自身が体験しているような、そんな気持ちになりました。
実はよしもとさんの作品はかなり久しぶりだったので以前に読んだ作品の内容は忘れてしまったのですが、この「空気」、以前の作品でも感じたことを思い出しました。
この「空気」を言葉で表現するのは非常に難しいのですが、強烈で頭にこびりつくようなものではないけど時が経っても読み手の心の奥底に留まる、そんなものです。
ぜひよしもとさんの作品に触れ、この「空気」を肌で感じていただきたいと思います。
物語はテトラちゃんの目線で語られます。
珠彦くんは決して誰もが目を引く美男子ではないけれど、テトラちゃんの目には珠彦くんのことなら他の人が見ていないところまで飛び込んできてしまう。
「なんて素敵なの」といった直接的な言葉がなくても、珠彦くんに惹かれていることは手に取るように伝わってきます。
いわゆる「一目ぼれ」の恋でも、「あの日のあれを境に劇的に恋が始まった」でもなく、自然な流れで惹かれあった二人。
この「自然な流れ」を自然に描けるのは、私が知る限りよしもとさんしかいないのではないかと。
そんな二人の恋愛が、時を経て舞台をハワイ島に移し、繰り広げられます。
ハワイの空気が持っているスピリチュアルな雰囲気が、二人をつないでいる目に見えないものの存在をより浮き立たせます。
恋することの喜び、せつなさだけでなく、テトラちゃん自身の「悲しみ」や、テトラちゃんの周囲の人々の「悲しみ」にテトラちゃんが共鳴する様子もこの物語に登場しますが、そういった数々の感情を、活字を目で追って直接的な表現で確認するのではなく、よしもとさんが活字によって作り出す独特の「空気」によって感じることができる、そんな作品です。
その「空気」を感じた時、まるでテトラちゃんの人生を、読んでいる私自身が体験しているような、そんな気持ちになりました。
実はよしもとさんの作品はかなり久しぶりだったので以前に読んだ作品の内容は忘れてしまったのですが、この「空気」、以前の作品でも感じたことを思い出しました。
この「空気」を言葉で表現するのは非常に難しいのですが、強烈で頭にこびりつくようなものではないけど時が経っても読み手の心の奥底に留まる、そんなものです。
ぜひよしもとさんの作品に触れ、この「空気」を肌で感じていただきたいと思います。
今、この本に出会えたことに感謝 おすすめ度
子供のころに強く強くひかれあったテトラちゃんと珠彦くんの2人が
大人になって再会する物語です。
あくまでメインはこの2人の奇跡のような恋なんだけど、
珠彦くんの家族は一年前に弟の幸彦くんを亡くしていて、悲しみの中で生きている。
私はそちらサイドのストーリーの方に共鳴してしまいました。
私も弟を半年ほど前に亡くしたので、
この家族の悲しみと虚無感は今の私のそれと同じなんです。
今の私の気持ちを代弁し、
この悲しみを納得させてくれるような説得力・安心感がありました。
よしもとばななさんの世界は決してぶれない。
どの作品を読んでも、言っていることはいつも同じ。
何気ない生活の中で何を大切にし、
どこを見つめていくことが幸福へつながるのかを気づかせてくれる。
胸が締め付けられるような、心を震わせる言葉にあふれていて心が洗われる。
ばななさんの本を読むと魂がツルッと磨かれたような気がします。
大人になって再会する物語です。
あくまでメインはこの2人の奇跡のような恋なんだけど、
珠彦くんの家族は一年前に弟の幸彦くんを亡くしていて、悲しみの中で生きている。
私はそちらサイドのストーリーの方に共鳴してしまいました。
私も弟を半年ほど前に亡くしたので、
この家族の悲しみと虚無感は今の私のそれと同じなんです。
今の私の気持ちを代弁し、
この悲しみを納得させてくれるような説得力・安心感がありました。
よしもとばななさんの世界は決してぶれない。
どの作品を読んでも、言っていることはいつも同じ。
何気ない生活の中で何を大切にし、
どこを見つめていくことが幸福へつながるのかを気づかせてくれる。
胸が締め付けられるような、心を震わせる言葉にあふれていて心が洗われる。
ばななさんの本を読むと魂がツルッと磨かれたような気がします。

