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■読者の評価
おすすめ度平均
様々な人々、様々な人生、様々な残影 おすすめ度
下巻は、本書を貫く二本の糸ともいうべき忠三郎とタカジの死を描く。ここでもやはり、周辺人物(加藤拓川やユスティチア・たへ)の描写が印象深い。著者の「人間がうまれて死んでゆくということの情趣のようなもの」(47頁)を書くという目論見は、本書において十分達成されている。それにしても、それぞれの御令室(あや子夫人、摩耶子夫人)の苦労はいかばかりであったことか。その内面もまた一つのドラマであったろう。なお、タカジのキャラには「遅れてきた革命家」とでもいった風情があり、個人的には、彼の姿は最近読んだ『僕たちの好きだった革命』(鴻上尚史)の主人公である「ヤマザキ」の姿を彷彿とさせた。(ヤマザキ、○○を撃て・・・)
「…好きなあまり宙にはねるようにして…」 おすすめ度
Tさんという登場人物のために忠三郎さんが銀行の定期預金を集めてまわったと言うエピソードを書くとき、司馬氏は上のように書いた。忠三郎さんはTさんのことが好きなあまり…と。
司馬氏がこの物語を書いたのも、そのような衝動が彼の中にあったからなのかと思う。
司馬氏がこの物語を書いたのも、そのような衝動が彼の中にあったからなのかと思う。
あまりにもふつうで、それなのにどこか常人とは違う何か(それは彼の言うところの躾けによって受け継がれれる文明と言うものだろうか)をもち、まるで小説のように生き、謙虚に口をつぐみ続けた人々。
「奇跡的なほどに単純」であったふたりの中心人物の人柄を愛さずにはいられなかった。
特に、タカジの小学生のように素直で愚直な表現には心を打たれた。
人が生き、そして死ぬということはどういうことか! おすすめ度
司馬氏が描く世界にはまり込んでしまった。
人間、有名であろうがなかろうが、の歴史、思想、これを冷静に見守る司馬遼太郎の姿勢がとても暖かで優しい。
人間、有名であろうがなかろうが、の歴史、思想、これを冷静に見守る司馬遼太郎の姿勢がとても暖かで優しい。
良いとか悪いとかじゃなく、あるがままに、人が生き、そして死ぬということはどういうことか、人生、生き方について考えさせられる。透明、単純、そういった生き方の見本を描き出しているようにも思える。
