作者 クリスチアナ・ブランド
価格 1,260 円
出版社名 早川書房
出版年月 1984/06
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■読者の評価     おすすめ度平均

すっかりやられました       おすすめ度
まず冒頭の白鳥の湖邸のイラストにちょっとワクワク、次の登場人物の家系図を頭に入れ準備万端、冷静に読み始めた筈が…複雑な人間模様に熱くなってしまいました。そしてすっかりやられました。トリック自体は有名なので知っていましたが、この作品で使われているとは知らなかったんです。読んでる間もちっとも気づかず、最後の最後で呆然としました。トリック知ってて騙されるなんて…。でも心地よく騙されたので星五つです。


ブランドはやっぱり上手い!!       おすすめ度
老富豪、サー・リチャードが自宅のロッジにて死亡する。自宅からロッジに向けての足跡から、不可能犯罪だとわかる。それに挑むは、ケントの鬼、コックリル警部。
 ブランドの上手さが冴え渡る作品である。足跡のなぞの解く場面の出し方といい、容疑者たちの動かし方といい、二転三転する展開といい、どうしてこうもうまくやりおおせるのか、本当に不思議。登場人物の心の動き、行動、そして容疑者たちが行う推理でめまぐるしく変わる犯人像。大きな犯罪を描かなくとも読者をこうも煙に巻くことのできるブランドにお手上げです。


終盤の目くるめく錯綜感に、スリリングな面白さを堪能しました       おすすめ度
〈白鳥の湖〉邸で起きた殺人事件。容疑者の数が限られている中、
容疑者同士、「一体誰が犯人なのか?」「殺人はどのようにして
行われたのか?」をディスカッションしながら、真相に向けて事
件の様相がくるくると変転していきます。殺人現場の状況や足跡
の謎、ダミーとして提示された解答など、ディクスン・カーのミ
ステリに通じる面白さを感じました。

本書の登場人物のなかでは、自分の精神に疑惑と不信を感じて
おののく人が印象的。

最後の最後まで気が抜けないブランド印のミステリの醍醐味。
終盤での、ぐるぐると目くるめく錯綜感。迷路を探索するような、
スリリングな味わい。
謎解きに重きを置き、ミスディレクションを仕掛け、事件の可能性

を転々とさせていくブランドのミステリ。本格パズラーとしての
鮮やかな仕掛けの達人、クリスチアナ・ブランド。

『自宅にて急逝』、とても面白かったです。



美しい構成       おすすめ度
 足跡のない事件として有名な作品。トリックも良く知られているが、それを踏まえた上で読むと思わずにやにやしてしまう。トリックは知っているけれども、実際に読んだことはないという読者にも、ぜひ一読をおすすめする。

 話の筋立ては以下のようなもの。白鳥の湖邸と呼ばれる豪邸で大富豪が毒殺される。しかし現場の周囲には人の近付いた跡が全くない。集まっていた家族にはそれぞれに動機があり、コックリル警部の尽力も虚しく第二の殺人が起きる。

 ブランドらしく、美しくもねじれた人間関係を描き出す筆致が素晴らしい。戦時中という特殊な状況を生かした結末も、一幅の絵のようであり感動させられた。



ブランド特有の犯人当て       おすすめ度
限られた登場人物の中
細かい人物描写を織り成して、証拠を盛り込み
美しい犯人当てを作り出している
ブランドの作品

今回も限られた登場人物でありながら
その人間たちの心理のあやが見事なまでに
犯人当ての証拠や偽の証拠として
彩られています

足跡のない殺人がテーマの
広義の密室物として有名な作品です