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■読者の評価
おすすめ度平均
人生の縮図 おすすめ度
マラカイ・コンスタントの人生は、到底ありえないようなひどいことばかりが続きますが、あまり非現実的な感じがしません。何だか、普通の人とそれほど変わらないのでは?とさえ思えてしまいます。彼の人生は確かに滑稽です。でも生きていく上で多くの困難にぶつかるのは皆同じであり、そういう意味では誰でも身につまされる部分があるのではないかと思います。だからこそ、最後には深い感動を呼び起こすのでしょう。本当に心が「トーストみたいにあったか」になりました。
ヴォネガットの、ウィットに富んだユーモアと皮肉、そして言葉のかぶせ技を、翻訳の浅倉さんは余すところなく見事にテンポのよい日本語にされていると思います。最高のエンタテインメントです。
ヴォネガットの、ウィットに富んだユーモアと皮肉、そして言葉のかぶせ技を、翻訳の浅倉さんは余すところなく見事にテンポのよい日本語にされていると思います。最高のエンタテインメントです。
ちょいと出ました「線形野郎」が〜丸くなったり四角くなったり〜 おすすめ度
27年前に完全読了。と威張って見てもどうと言う事は無い。
しかし、実際に自分が相場師になって読んで見ると
この作品が「線形性の限界」を示している様にも読める。
マラカイ・コンスタントの父親は、聖書を使った「線形的な手法」で
大儲け。息子マラカイに、その「秘伝の手法」を授けて世を去る。
此処までは、良い。「線形的なシステム」の寿命が、相場師自身の
寿命よりも長かった。結果的に『まぐれ』で儲けただけである。
問題は、二代目「線形野朗」のマラカイが、在−非在系を超越して
「超存在」する「非線形野朗」の、ウィンストン・ラムファードに
出会ってしまった事である。今、考えて見ると「時間等曲率漏斗」の
含意が、非常に興味深い。
・・・・・・・・・・
一寸話が前後するが、マラカイの
父親ノエル・コンスタントが、一代にして
数十億ドルの資産を築き上げた
その「秘伝の手法」が、アメリカ個別株の
「銘柄選定法」と「ポートフォリオ
銘柄の入れ替え方法」である。
どこかで聞いた様な話じゃないかね?石川君。
・・・・・・・・・・
此処でノエル・コンスタントの手法の話だが、聖書の文章の
アルファベット2文字ずつを、「前から順番に」、
銘柄シンボルと見做して、買っていくというもの。
「損斬り」はしない。買えば、何故か、皆上げる。
しかし、重要なのは利喰い法と、増えた分の資金を
再投資するやり方。即ち、イグジッティング・ストラテジーと
マネー・マネッジメント。此れだと、詰まり
「ランダム・エントリー」と全くおんなじじゃねーか!
従い、この「手法」は検証可能である。
・・しかし、問題は、その特定銘柄を、パンクチュアルには
詰まり、「単時点的な意味に於いて」、何時!買えば良いのか
まるで判らないのだ。で、傍から見ていて評論家連中が
「買いのタイミングが絶妙!」等と戯言をほざいたりする訳だ。・・
「手法」については詳しくはp80を参照。ノエル・コンスタントの
投資会社マグナム・オパスに関するレファとしては、p86に
2冊が紹介要約されている。
しかし、マグナム設立以前に、数千万ドルの資産を持ったノエルが
バフェット同様、経営を買う「投資家」になっていた。マラカイも
「手法」は全く同じだが、「相場師」である。ポートフォリオ銘柄の
入れ替えの為に、「売っちゃ買い」をしているから。
日本人の個人「投資家」で、この件に関して文句のある人は、直接
ヴォネガット爺さんにどうぞ。本人は07年4月に他界しているが。
・・・・・
此処で行き成り、エピローグ。家族の解体が描かれている。
60年代当時は日本では、核家族化云々等と言われていたが
核家族すら解体されて、マラカイもビアトリスもクロノも
個人としての「孤独な生」を全うする。日本では『砂の上の
ロビンソン』に代表される様な80年代的な状況。
この後、ヴォネガット爺さんは『スラップスティック』で
「もう、孤独じゃない!」を書く事になる。擬似大家族制度の
あの話である。
ビアトリスが飯を食いながら「人間の自由意志」に関する
大量の論考をものしていくシーンだが、ハリー・ポッターの
著者が、喫茶店でコーヒー一杯で粘りながら、紙とボールペンだけで
延々と書き続けていた話を髣髴とさせる。女の物書き、いと凄まじきもの。
ヴァージニア・ウルフにしてみりゃ、タイタンのタージマハルでの
ビアトリスの暮らし振りと言うのは、理想的だったのかも知れん。
しかし、彼女の食い物が食い物だ。ピーナッツと缶詰のチキンだけを
食いながら、片手で執筆を続けていた。
ビンスヴァンガーかテレンバッハ他だったら、「病的合理主義」とか
言いそうだが、構う事あ無い。
「神は気にしたまわず」だ。
・・・
「世代的幸不幸」について。
クロノは両親の元から離れて、タイタンつぐみの中で暮らしていたが、
ビアトリスが74歳で死んだ時、妻の亡骸を葬ろうとしていた
マラカイの前に現れて
「お父さん。お母さん。僕に生命の贈り物をありがとう。」
と言うシーン。『エヴァンゲリオン』以前にこの本を
読む事が出来た者は、幸いである。
クロノはこの時、42歳。17歳でタイタンの家を飛び出し
父親とは一度も会わず、母親とは不定期に会っていた。
マラカイは、地球で死を迎えるが、クロノの最後を
知るものは、タイタンつぐみ達だけだった。
続きは、また書く。
しかし、実際に自分が相場師になって読んで見ると
この作品が「線形性の限界」を示している様にも読める。
マラカイ・コンスタントの父親は、聖書を使った「線形的な手法」で
大儲け。息子マラカイに、その「秘伝の手法」を授けて世を去る。
此処までは、良い。「線形的なシステム」の寿命が、相場師自身の
寿命よりも長かった。結果的に『まぐれ』で儲けただけである。
問題は、二代目「線形野朗」のマラカイが、在−非在系を超越して
「超存在」する「非線形野朗」の、ウィンストン・ラムファードに
出会ってしまった事である。今、考えて見ると「時間等曲率漏斗」の
含意が、非常に興味深い。
・・・・・・・・・・
一寸話が前後するが、マラカイの
父親ノエル・コンスタントが、一代にして
数十億ドルの資産を築き上げた
その「秘伝の手法」が、アメリカ個別株の
「銘柄選定法」と「ポートフォリオ
銘柄の入れ替え方法」である。
どこかで聞いた様な話じゃないかね?石川君。
・・・・・・・・・・
此処でノエル・コンスタントの手法の話だが、聖書の文章の
アルファベット2文字ずつを、「前から順番に」、
銘柄シンボルと見做して、買っていくというもの。
「損斬り」はしない。買えば、何故か、皆上げる。
しかし、重要なのは利喰い法と、増えた分の資金を
再投資するやり方。即ち、イグジッティング・ストラテジーと
マネー・マネッジメント。此れだと、詰まり
「ランダム・エントリー」と全くおんなじじゃねーか!
従い、この「手法」は検証可能である。
・・しかし、問題は、その特定銘柄を、パンクチュアルには
詰まり、「単時点的な意味に於いて」、何時!買えば良いのか
まるで判らないのだ。で、傍から見ていて評論家連中が
「買いのタイミングが絶妙!」等と戯言をほざいたりする訳だ。・・
「手法」については詳しくはp80を参照。ノエル・コンスタントの
投資会社マグナム・オパスに関するレファとしては、p86に
2冊が紹介要約されている。
しかし、マグナム設立以前に、数千万ドルの資産を持ったノエルが
バフェット同様、経営を買う「投資家」になっていた。マラカイも
「手法」は全く同じだが、「相場師」である。ポートフォリオ銘柄の
入れ替えの為に、「売っちゃ買い」をしているから。
日本人の個人「投資家」で、この件に関して文句のある人は、直接
ヴォネガット爺さんにどうぞ。本人は07年4月に他界しているが。
・・・・・
此処で行き成り、エピローグ。家族の解体が描かれている。
60年代当時は日本では、核家族化云々等と言われていたが
核家族すら解体されて、マラカイもビアトリスもクロノも
個人としての「孤独な生」を全うする。日本では『砂の上の
ロビンソン』に代表される様な80年代的な状況。
この後、ヴォネガット爺さんは『スラップスティック』で
「もう、孤独じゃない!」を書く事になる。擬似大家族制度の
あの話である。
ビアトリスが飯を食いながら「人間の自由意志」に関する
大量の論考をものしていくシーンだが、ハリー・ポッターの
著者が、喫茶店でコーヒー一杯で粘りながら、紙とボールペンだけで
延々と書き続けていた話を髣髴とさせる。女の物書き、いと凄まじきもの。
ヴァージニア・ウルフにしてみりゃ、タイタンのタージマハルでの
ビアトリスの暮らし振りと言うのは、理想的だったのかも知れん。
しかし、彼女の食い物が食い物だ。ピーナッツと缶詰のチキンだけを
食いながら、片手で執筆を続けていた。
ビンスヴァンガーかテレンバッハ他だったら、「病的合理主義」とか
言いそうだが、構う事あ無い。
「神は気にしたまわず」だ。
・・・
「世代的幸不幸」について。
クロノは両親の元から離れて、タイタンつぐみの中で暮らしていたが、
ビアトリスが74歳で死んだ時、妻の亡骸を葬ろうとしていた
マラカイの前に現れて
「お父さん。お母さん。僕に生命の贈り物をありがとう。」
と言うシーン。『エヴァンゲリオン』以前にこの本を
読む事が出来た者は、幸いである。
クロノはこの時、42歳。17歳でタイタンの家を飛び出し
父親とは一度も会わず、母親とは不定期に会っていた。
マラカイは、地球で死を迎えるが、クロノの最後を
知るものは、タイタンつぐみ達だけだった。
続きは、また書く。
最悪orz おすすめ度
評判が良かったので、息抜きがてら久しぶりに小説を読みましたが、空っぽの内容に閉口しました。
哲学を研究してる者として、読み物には何か新しい観念を求めてしまう私にとっては、愛や友情、人格を持った神、彼岸の概念などで芸術作品を作られても無聊に苦しみます。
ストーリーを純粋に楽しむとしても、そこまで絶賛される程に奇特な作品とは言いかねます。
見苦しい毒言失礼。悪しからず。
哲学を研究してる者として、読み物には何か新しい観念を求めてしまう私にとっては、愛や友情、人格を持った神、彼岸の概念などで芸術作品を作られても無聊に苦しみます。
ストーリーを純粋に楽しむとしても、そこまで絶賛される程に奇特な作品とは言いかねます。
見苦しい毒言失礼。悪しからず。
最後はある意味感銘深いが、取っ付き難い おすすめ度
作者の意図が最後の方までハッキリしないので、
様々な場面にどのような意味があるのか良く分からず、
フラストレーションが溜まります。
随分ともったいを付けた割には、落ちが弱いと感じました。
それと、登場人物があまり魅力的ではない点が好きになれません。
例えば、話の本筋とは全く関係がないのですが、登場人物が、
未来を見通せるが故に悩む(?)、という一点だけ
F. ハーバートの「砂漠の救世主」と似ていると感じました。
私は、「砂漠の救世主」のポウルの悩みには共感できますが、
この作品のラムファードの考えは意味不明です。
話の落ちとしては弱いと思ったのですが、最後に出てくる
教訓じみた台詞の中に,若干感銘を受けたものがあったので、
星2つです。最後まで読み通す根気が無ければ、星1つ以下でしょう。
様々な場面にどのような意味があるのか良く分からず、
フラストレーションが溜まります。
随分ともったいを付けた割には、落ちが弱いと感じました。
それと、登場人物があまり魅力的ではない点が好きになれません。
例えば、話の本筋とは全く関係がないのですが、登場人物が、
未来を見通せるが故に悩む(?)、という一点だけ
F. ハーバートの「砂漠の救世主」と似ていると感じました。
私は、「砂漠の救世主」のポウルの悩みには共感できますが、
この作品のラムファードの考えは意味不明です。
話の落ちとしては弱いと思ったのですが、最後に出てくる
教訓じみた台詞の中に,若干感銘を受けたものがあったので、
星2つです。最後まで読み通す根気が無ければ、星1つ以下でしょう。
今世界に必要なのはとびきりのユーモアなのだ おすすめ度
ヴォネガットの描く世界観や人間観はどうしようもなく絶望的なのに、彼のそれらに対する視線はなぜこんなにも温かなのか。
地球、火星、水星、また地球と太陽系をウィルストン・ナイルス・ラムファードの手によって流浪し、最後にたどり着いたタイタン(木星の衛星)で明かされる主人公マラカイ・コンスタントの使命とは?企業を宗教を死を人間そのものをユーモアを交えながらシニカルに書いているのに、読み終わったあとになぜか優しい心持になりした。誇張ではなく、一つの世界の終わりと始まりが本書にはあります。
地球、火星、水星、また地球と太陽系をウィルストン・ナイルス・ラムファードの手によって流浪し、最後にたどり着いたタイタン(木星の衛星)で明かされる主人公マラカイ・コンスタントの使命とは?企業を宗教を死を人間そのものをユーモアを交えながらシニカルに書いているのに、読み終わったあとになぜか優しい心持になりした。誇張ではなく、一つの世界の終わりと始まりが本書にはあります。

