11の物語 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
作者 パトリシア ハイスミス
価格 840 円
出版社名 早川書房
出版年月 2005/12
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■読者の評価     おすすめ度平均

オンリーワンな短編集       おすすめ度
最初の「かたつむり観察者」からして極めて気持ち悪い話。
食用かたつむりを飼育する趣味を始めたノッパード氏、かたつむりは次々と産卵、数が増えて・・・部屋中に・・・
読み始めて感じる「あ〜あ、やっぱりな〜。」的な嫌な予感がそのまま訪れるラスト。それにしても最後の部分の描写は秀逸。
で、しばらく読むと「クレイヴァリング教授の新発見」でまた現れるかたつむり(今度は巨大かたつむりが2匹!!)
また「あ〜あ、やっぱりな〜。」的な嫌な予感がそのまま訪れるラスト。
(それにしても「溺れるか、生きながら食われるか」って救いようが無い最後ですね。)
ちなみに解説を読むと作者ハイスミスの趣味のひとつに「かたつむりの観察」があるようです。(どんな趣味だ???)
その他にも妄想がエスカレートしていく果ての『ヒロイン」、少年の心が食用のすっぽんとリンクして壊れて行く「すっぽん」等、
人間の歪んだ深層心理を痛烈に描き出した作品もあり、一読して忘れられない作品が多く収録されています。
他では中々読めないオンリーワンな短編集です。


毒のある短編       おすすめ度
名前はよく目にしたが、こんなに面白い作家とは知らなかった。
初期から後期まで集めた短編集としては手ごろ。トリックよりも
独特の意地の悪さを秘めた作品が多い。「モビールに艦隊が入港
したとき」のヒロイン、「すっぽん」の少年、いずれを読んでも
どうにかならないのか、とフユカイな気分になってくる。これで
作者の術中に陥ってしまう。毒のある短編で我が身のいじけた気
分が治るような気もした。特にデビュー作「ヒロイン」はとても
1945年とは思えぬ緊迫に満ちた作品であり、同類のストーリー
は作者晩年の90年代前半に流行したのである。
小林信彦がハイスミスの作品をフグ料理に喩えているが、まさに
毒に注意しながらでも味わいたい名品揃いである。




奇妙な味わい       おすすめ度
・・・とは陳腐な感想ですけども。
ミステリの短編が読みたくて適当に手にとったのですが、期待とは違った満足感がありました。
あっと思わせるのではなくて、微妙にずれた感覚の結末が怖い。
深沢七郎みたい・・・かな?
S・キングの短編もすこし思い出させます。