High and dry (はつ恋)
作者 よしもとばなな
価格 1,260 円
出版社名 文藝春秋
出版年月 2004/07/23
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■読者の評価     おすすめ度平均

初恋によって成長するオンナノコの話。       おすすめ度
女性はいくつになっても、心の中に「オンナノコ」がいる。
この小説は新旧の「オンナノコ」のためのもので
「オンナノコ」が共感しやすい感覚なのかもかな、と思った。

人を好きになると、その人のことが色々と知りたくなる。
彼の過去も家族も、家族に対するスタンスも。
それらを知ることで出逢う嫉妬や寂しさもある。
ヒロインは自分の嫉妬や寂しさときちんと向き合って、大人になる。
そして、少しだけ成長したヒロインは自分の中の「子どもの感覚」に気付く。
その場面がとても印象的だった。

何の疑問も持たず、当然のように家族から愛情を享受してきた子ども時代。
けれども、子どもはいずれ大きくなっていく。
ヒロインの父親と母親は、小さい頃に与えられるだけの愛情をたっぷりと与え、
ヒロインの成長を見届けた後、自分の人生を楽しみ始める。
そのことに寂しさを感じるヒロイン。
自分中心だった両親が、自分の成長によって対等の関係になってしまったことに、
なかなか慣れることができない。
そのことに彼女は人を好きになって、ようやく気付く。
愛情を与え、愛情を与えられることによって、
自分が寂しかったこと、まだまだ子どもだったことに気付くのだ。

このお話は初恋のお話。ほのぼのするような初恋の話。
そして、初恋によって成長する少女の話。
人は誰かを好きになることで、大人になるのだと、改めて気付かせてくれる話だ。

表紙も挿絵も色鮮やかでとてもキュート。
春の訪れのような色調とイラストが本当に「初恋」っぽくて、
本全体がばななさんの作品なんだな、と思った。


はつ恋ってなんて良いものなんだろう       おすすめ度
High and dry は、どのページをめくっても、きらきらした世界が待っていて、
私はいつでも、陳腐な言い方ですが胸がいっぱいになってしまうのです。


浮かんでは消えてゆく
素晴らしい気持ちが沸いてきます。



こういう類の感情は言葉にしずらいですね。
そもそも感情なんて付けられた名前どおりに言えば、
固まって死んでしまうものですからね。


バナナさんは言葉を死なせない。
だから私はバナナさんが大好き。



混じりけのない、まっすぐな恋 を
できているふたり。

二人の恋は一見ささやかな、
フツウだったら
『この人、本当に私の事好きなのかなあ』
って感じてしまう所が多いんじゃないかな。


それは自分自身が

恋が物質的なものでなく、
どんどん心と体の方で感じるようになったから
思ったことなんだろうと思います。


心身が感じる場合なら、
もう二人の恋は全然ささやかなんてもんじゃなく
金色に輝くような恋なのですよね。


こんな風に
心身が感じる小説を書けるバナナさんって本当に素晴らしい。

私の大好きなだいすきな小説です。


正直さが大好きだった       おすすめ度
夕子は背伸びしがちだったけど
自分の中の子供な部分もちょこちょこ認めている。
(そこがかわいい)
キュウだって20代後半でありながら
年をとったからってどうしようもできない子供な部分も見せている。
(そこがリアル)
そういう二人の絡み合いにすごく好感が持てた。

私は正直な人が大好きだから、夕子もキュウも大好きになった。

ファンタジックな構成の中でも、
出てくる人達がちゃんと
「生きて」「動いて」「感じて」「話している」
という感覚がすごくして、
自分自身の現実世界と
夕子たちの世界を重ねてしまわずにはいられない。

二人の恋愛を見てて、
はっとさせられたり
う〜〜ん、、、とうならされたり、
幼い頃を思い出させられたり…
読んでるとこんな忙しさがあって楽しかった。


はつ恋       おすすめ度
読み終えたとき
世界がキラキラとかがやきだしていました
そうだ こうだ これだったんだ
わたしは一体なにをしてたんだ
よみがえってよわたし
そんなかんじでした
理屈じゃないんだ
生きているって
 
月下美人のわきから小さい人間が走り出たり
おかさんのことを思いすぎて目がみえなくなっちゃったり
のらねこがぎらぎらやめらめらに似た光を放出炸裂しながらまるで産まれるみたいに死んでちゃったり

するんだ
きっと

変われる
そんな気がしてしまいました


なつかしい感じです       おすすめ度
誰にでもこんな時があった。初恋のころ。私はお母さんになっちゃってて、この主人公の夕子ちゃんと同じ年の娘がいるんだけど、夕子ちゃんのこともそのお母さんのこともすごくよくわかります。私もそういうなんか他の人には見えない物や人が見えていた時期があって、もう今ではあまりないんだけど、残像というのかな、今そこにいたというような気配とかを感じることはたまにあります。言っても理解されないというのはすごく悲しいことです。私はすごく冷めた子どもだったのだけど、子どもを産んで母になって、自由になった気がしました。殻を取り払ってそのままの自分に戻っていく感じ。すごくわかります。