リピート
作者 乾 くるみ
価格 1,593 円
出版社名 文藝春秋
出版年月 2004/10/23
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■読者の評価     おすすめ度平均

ファンタジー的な要素だけでなく、ミステリ的な展開がおもしろい       おすすめ度
現在の記憶をもったまま過去のある時点から人生をやり直すという常識では考えられない現象に対して、自分だったらこのような可能性を疑うとか、過去に戻ったらこうするということが本当にリアルに描かれていたため、とても楽しめた。
また、過去に戻った世界で自分が思うがままに過ごすというファンタジー的な要素だけではなく、過去に戻った人間が狙われる事件が次々と発生するミステリ的な展開もおもしろくて、最後まで飽きずに読むことができた。


鮮やかな着地をみせる結末       おすすめ度
著者がグリムウッド『リプレイ』+クリスティ『そして誰もいなくなった』に挑んだSFミステリ。


〈リピート〉というタイムトラベル現象により、九ヵ月半前の過去に戻った九人の男女。
彼らは、そこで次々と変死したり、殺害されていきます。

彼らが〈リピート〉した人間であることは、彼ら以外知らないため、
内部に犯人がいると考えられますが、では何のために?
というのが、本作のミステリとしてのキモ。


著者は、逆転の発想により、タイムトラベルを前提とした《ミッシング・リンク》
という斬新なアイディアを、うまく作品のなかに落とし込んでいます。

ただ、その分、事件を支配している黒幕の動機は、いかにもゲーム的というか、
チープなものなので、眉をひそめたり、納得できない人もいるかとは思います。

本作は、一種の思考実験で、登場人物に感情移入するタイプの小説ではない――。
そう割り切れるかどうかが分水嶺でしょうね。


また、文字通り『そして誰もいなくなった』へと着地させる結末はお見事。

サプライズやツイストを求める人には、物足りないのかもしれませんが、
物語を破綻なく締め括れる著者の手腕は、評価されていいと思います。


面白いけれども、コピー負けといった感じもぬぐえない。       おすすめ度
乾くるみさんは、今では代名詞のように「イニシエーションラブ」が代表作のようですが、本当は「Jの神話」から始まった作家さんなのだから、このような作風のもののほうが得意ではないかと思います。タイムトラベルあり、そして誰もいなくなったありで、作品としてはかなりハイレベルで面白かったけれども、「イニシエーションラブを超える結末」かといえば、うーんわからない・・・・・・・・





  



消化不良・・・       おすすめ度
ケン・グリムウッドの「リプレイ」とアガサ・クリスティ−の
「そして誰もいなくなった」をあわせたような作品ということで
期待して読んだが、正直どっちつかずの作品だと思った。
この作品でも、リプレイした人間が次々に命を落としていくという
衝撃的なことが起こるが、その真相は「こんなものか」と思った
程度だった。タイトルは「リピート」だが、その意味「繰り返し」が
作品の中であまり生かされていないような気がする。リピートした
人たちのその後の描写も、特定の人物だけに限られていて物足りない。
「リプレイ」、「そして誰もいなくなった」では、得られたこと感じた
ことも多々あったのだが・・・。読後、満足感がなかったのは残念!


ジャンル分けが難しい       おすすめ度
ジャンル分けなんてする必要はないのでしょうけれど……。
時間ループの設定買いし、元は取れたとは思います。
人々の目論見がそれぞれリアルで、物語の世界にぐいぐい引っ張ってくれます。