Op.ローズダスト(上)
作者 福井 晴敏
価格 1,890 円
出版社名 文藝春秋
出版年月 2006/03/14
Amazonの詳細ページへ

  この著者の他の作品を検索する

著者名をクリックすると、この著者の他の作品を検索することが出来ます。

書名か表紙写真をクリックすると、 Amazon.co.jp の詳細ページに移動できます。

商品を購入する際は、移動先の Amazon.co.jp の購入ページにて、商品価格・在庫の有無や納期をよくご確認のうえ、お手続き下さい。



■読者の評価     おすすめ度平均

どうした福井!       おすすめ度
演出が漫画チック、主人公の設定がワンパターン、
てのは福井さんの事ですので置いておくとして、
気になることをいくつか。

まず、「新しい言葉」というのが抽象的すぎること。
最後に説明されますが、それでも「?」が残ってしまいます。
次に、ガンダムの影響がいつもの1,5倍ほど強い(気がする)こと。
ナンダバナオ太さんの言う脱出シーンやラストシーンはその最骨頂で、ちょっと引いてしまいました。
最後に、MASAYUKIさんも仰ってますが、TPexの解除方法が安直すぎること。
最初から気付けよと思わず読みながら突っ込みました。

ただ、北のミサイル発射以前(ですよね?)に執筆・出版されたにも関わらず、
先制攻撃論の話題をちらと出したり、
北の核実験の話題を出したりする(“保有”と“実験”を間違えた、という可能性もありますが)など、
タイムマシンでも持ってるのか、と思いたくなる先見性は健在で、
上の事を含めても上下巻合わせて3500円以上出す面白さはあります。


面白い娯楽小説ですよ       おすすめ度
ダイス物です
色々な意見がありますが、私はテロリスト側にも感情移入が出来ました。
安易に○○○を敵役にしないところも良かったです。
何故なら、動機が主義、主張ではなく、単に女性を介した復讐に近いものがあったからです。
但し、ハムの脂身さんはいい味出してますが、主人公のキャラクターはワンパターンですね。
また最後に爆弾を無力化する方法についても、最初から考え付きそうな気がするのは私だけでしょうか?
難しい事を考えないで楽しむ気になれば、〈それでいいと思いますが〉高評価を与えても良い作品だったと思います。
次回もし可能ならハムの脂身さんと上司の緑川さん是非登場させていただきたいです。
途中踊る大捜査線を見ているような気になったのは私だけでしょうか?


福井ファンにとっては失敗作       おすすめ度
過去のいわゆる「ダイス三部作」で福井作品の大ファンとなり「ローレライ」で大泣き。そういう福井ファンにとっては、今作は「くやしい」作品ではないでしょうか。
確かにテーマは深い。でも物語の描き方が問題。スケールにしても、話の展開や登場人物の描写にしても、過去の4作品で既に極まっているから、踏襲はさすがに無理。(それほど過去4作品が素晴らしいということ。)
ダイス三部作を良質な1本の映画とするなら「いい映画の続編は駄作に終わる」の典型パターンだと思います。
ただし、作品単体としてはやはり良質な作品です。ですから、今作で福井作品を初めて読む人がうらやましいです。このあとダイス三部作、そしてローレライと読み進めばどんなに感動できるだろう・・・いいなあ。


映画化を狙っている?       おすすめ度
「オペレーション・ローズダスト。状況を開始する」

「この国の状況」に報復しようとするテロリストと、組織の壁に阻まれながらも彼らを止めようと奮闘する者たちの戦いを描く。

全体に映画的な描写が展開し、そのまま映像化できそうな作品。2005年は福井作品が次々と映画化されたのも、このハリウッド的な映像が頭に浮かぶような描写の巧みさの賜だと思う。
ただ、本作品においては、それが裏目にでている。

福井作品でおなじみの、「心に傷をもつ少年とくたびれた中年」の組み合わせは本作でもワンパターンであるし、かといって、特段のひねりもない。展開も結末も意外性がなく、かなり早めに想像できてしまう。

また、本作については、テロリストの動機が非常に抽象的で、あまりストレートに感情移入ができない。『亡国のイージス』や『終戦のローレライ』のような、登場人物の心と一体になって泣けるような作品には残念ながらなっていない。もちろん単純な「お涙頂戴」をめざしていないのは分かるが、背景や思考が複雑に過ぎるように思う。もっと、単純でもよかったのでは?

消化しきれていない主題と、具体的な映画化を意識しすぎた描写(フジテレビ全面協力による映画化は既定路線か?同社は最後まで崩壊しないし・・・)の組み合わせは、最後まで読者が作品に「入り込む」のを妨げている。

過去の福井作品の大ファンだけに、不満の残る作品(期待が大きすぎるのは認めます)。次作は僕たちをあっと言わせるような展開の作品を期待しています。


「脱出」       おすすめ度
他の方も言っておられますが、登場人物や設定が過去作品から逸脱するものではなく、
「またか」と思ってしまう部分があることは認めます。 しかし、それを補って余りあ
る面白さが本作品にはあります。感動の度合いだけなら「亡国のイージス 」を凌ぐの
ではないかと個人的には思います。読んで絶対に損はしません。

これまた下巻のレビューで他の方が言っておられますが、クライマックスにおいて、
戦場での因縁のライバルとの対決から脱出にいたるまではファーストガンダムを彷彿
とさせますね。福井先生はこのシーンを描きたくてこの作品を書いたのではないかと
思うくらいです。富野由悠季監督をrespectする福井先生のことですからあり得る話
ですよね。