贄の夜会
作者 香納 諒一
価格 3,000 円
出版社名 文藝春秋
出版年月 2006/05
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「犯罪被害者家族の集い」に参加したふたりの女性が殺された。ハープ奏者は両手首を切り落とされ、もうひとりは後頭部を石段に叩き付けられて-。猟奇的殺人の裏に隠された様々な秘密が、いま新たな悲劇を次々に生み出す。

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■読者の評価     おすすめ度平均

サイコサスペンスの傑作       おすすめ度
冒頭に女性二人が殺害され、その殺人事件を解決していくストーリーです。
内容は刑事が事件を解決していく犯罪小説と殺された女性の恋人の暗殺者が犯人を捜し出すハードボイルド小説を足したような感じで、容疑者の弁護士が果たして事件の犯人なのかどうか先が気になりぐいぐい読ませる力がこの小説にはあります。
あまりストーリーを書いてしまうと読む面白味が無くなると思うので書きませんが、この作品が出版された年の小説では個人的にはベスト3に入る出来だと思います。
「冬の砦」という作品も読みましたが、こちらの作品のほうが出来が良かったです。


力作       おすすめ度
一部の題材に過去実際にあった事件(例えば神戸のサカキバラ)を全くなぞる様な引用はどうかと思いますが、全体としては読み応えのあるミステリーでした。
大河内のデカとしての苦悩や葛藤など心理描写に加えて、猟奇殺人とその背後にある真相、また謎解きをする女性心理学者の見解、プロのスナイパーと暴力団ひいては警察との癒着の構造など場面場面で綿密な下調べがなされており、シーンが多い割には判り易い展開となっています。香納諒一の本は始めてでしたが、他の作品も読んでみたいと思いました。


色んな要素が絡み合った、“香納流ハード・ボイルド”超大作       おすすめ度
’06年、「このミステリーがすごい!」国内編第7位に輝いた、ハードカバー2段組581ページの超大作である。「このミス」の解説によると、本書は、’99年に「第52回日本推理作家協会賞」を受賞した『幻の女』と並ぶ、香納諒一の畢生の傑作ということである。

物語はふたりの女性の惨殺から幕を開ける。そしてこの猟奇殺人を追う、組織から逸脱した刑事、孤独な殺しのプロフェッショナル、そして謎の真犯人と、三者の追跡と闘いを、真正面からたっぷりと描いている。

少年犯罪、犯罪者は本当に更生するのか、といった問題、それに暴力団の抗争、プロの殺し屋、警察内部のキャリアとノンキャリアの問題、公安と刑事課との綱引き、警察内部の腐敗構造、あるいは被害者の人権、復讐、そして猟奇殺人・シリアルキラー、サイコサスペンスといったことが複雑に絡み合って、“香納流ハードボイルド”ストーリーは展開してゆく。

刑事にしろ、殺し屋にしろ、他人の心を操る謎の殺人者にしろ、その過去と生き様は、それぞれ、それだけでひとつの作品ができそうな重みとボリュームを持っている。

加えて、初出が、『別冊文藝春秋』の連載だったこともあり、各章にヤマ場が設けられており、これだけの大長編を飽きることなく読ませてくれる。そして第五章の「慟哭」で物語は大きく転回し、第六章(終章)の「暴走」で、刑事と殺し屋が出会った時、衝撃と感動の大団円が待っていた。

本書は、香納諒一が構想執筆に6年を費やした、読み応えじゅうぶんの大作である。


2006上半期の大きな収穫       おすすめ度
不振を極める2006年ミステリー界の最大の収穫といっていいだろう。主人公とスナイパー、犯人、脇役に至るまでキャラクターが立っている。犯人の動機が今ひとつ弱い気もするが、それを補ってあまりあるストーリー展開の妙がある。緊張感みなぎる描写も上手い。とにかくお薦めの一冊である。


力作、感動まちがいなし       おすすめ度
猟奇的殺人から幕が開ける。それを追う刑事大河内と、妻を殺されたスパイナーとが繰り広げる孤独な戦い。犯人を追いつめていく二人は最後に。。この二人がなんろもかっこいい。また娘を失い、妻と別居した大河内だが、最後に感動の結末が待っている。難を言えば、犯人自体を描いているところが少なく、動機が十分に説明されていないのが、残念。