沖で待つ
作者 絲山 秋子
価格 1,000 円
出版社名 文藝春秋
出版年月 2006/02/23
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    第134回 芥川賞   受賞
「おまえさ、秘密ある?」住宅設備機器メーカーに入社して福岡支社に配属された同期の太っちゃんと女性総合職の私。深い信頼と友情が育っていく。そして太っちゃんの死。太っちゃんとの約束を果たすべく彼の部屋にしのびこむ。選考委員会で高い評価を得た第134回芥川賞受賞作。

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■読者の評価     おすすめ度平均

甘くせつない友情物語       おすすめ度
男と女の友情は成立するのか。
学生時代からずっと疑問に思ってきた。
切った張ったの面倒なもめ事を抱えることなく、異性とも友情を紡げたらどんなに楽
しいだろう…
そう思いながら、結局、今日に至るまで異性の親友はできずじまい。

だから、同期入社の「私」と「太っちゃん」の関係は理想型であり、
かたく、あつい友情で結ばれている二人は羨ましい限り。
「私」が女性総合職で、男性と伍して働いているからこそ成立したのかな〜とふと思っ
てみたりして。
まあ、これはジェラシーなのだけれども。

この小説は絲山さんの実体験に基づく話かと思わせるほど、リアルで綿密に描かれて
いる。
実際、パソコンのHDは秘密の箱であるだけに、絲山さんの一見平凡でありながら事実
を突いている着想に脱帽です。

自分の秘密や恥ずかしいことがたくさん詰まっているお弁当箱。
家族や妻にも見せることのできない大事なものを、互いに託しあうだなんて、心底信
頼していなくては難しいだろう。

親友との誓いを守るため、決死の覚悟で忍び込み、約束を実行する私。
そんな私のドキドキを見事に裏切る太っちゃんのヌケ具合も微笑ましい。
ひょっとしたら、異性だったからこそ、実現可能だったのかも知れない。

淡々と描かれる二人の友情に心癒され、最後はほろっとしてしまう。
この作品は、まさに、絲山さんの最高傑作でしょう!



淡々と、       おすすめ度
同期入社の男女が、どちらかが死んだら、HDDを破壊することを約束する。約束を果たすときは意外に早くやってくる。

とにかく淡々と時は進んでいき、そこに作者の「熱」らしきものは全く感じられません。最近の芥川賞はこの軽さがいいんでしょうか?どうも理解に苦しみます。
読み手も「感動」とは程遠く、読後、「で?」と突っ込みを入れたくなる。この無機質な感じ、好きになれなかったです。


変化球を待つ       おすすめ度
 うざいやつ(野辺山清)ってむかつくよね、いい人(水谷、マスター)にはなぐさめられるよねと言われれば、そうですねと答えるしかない。だからどうなのって思ってしまう『勤労感謝の日』。フーテンの寅さんが求職中キャリアウーマンに生まれ変わっただけじゃん、とばっさり切りたいようで切れないのは、道路に並ぶ長谷川さんのプランターや、19歳の女の子が運転するアウディにはねられるというリアルで理不尽なディテールのせいだ、たぶん。そういう気持ちで表題作へ読む進むと、やっぱり作者には小説家テレパシーがある!?と思わされる。『沖で待つ』は著者と読者の両方が縛られる小説の既成概念からの解放に由来する清々しさがあり、私にとってベスト中篇のソール・ベローのThe Actualを髣髴とさせる。マイナス・ドライバーで円盤に傷をつける痛いけど気持ちのいいエクスタシーを主人公と共有する時に、小説読みのエクスタシーを同時に経験する。東京の人の地方都市オーラ発見という点も、ソール・ベロー的で人間、年いくとワカモンの時にはわからなかったことに気づけて幸せじゃなぁと思う。
 まあ私のように人情アレルギーのあるひねくれ者の読者はもっと変化球を投げてくれぃ、と思いもしますがね。


これって企業小説だったの?       おすすめ度
何が面白いのでしょう?
これで芥川賞?
わかりません。
ある人が企業小説としては、新しいパターンと評していました。
そうなのかなあ・・・


 清清しい!!!       おすすめ度
 『沖で待つ』を読んで、作者糸山秋子さんて、すごく仕事に燃えてたんだなぁ〜と思った。

 主人公や同期の太ちゃんにしても、仕事に120%追求しているから、あんなに素敵な友情が生まれるのだと・・。 20〜30代にかけて仕事に全力投球している人に多くの共感が強く持てる作品だと。 同期としての強い絆。太ちゃんが、具合を悪くして熱を出し主人公が彼の為に、得意先(お客様)まで運転し、太ちゃんが助手席に座っているシーンがとっても好きな場面。  同期の為なら、なんだってする・・・・。 厳しい環境におかれるこそ、強い絆が生まれ、成長できるんだよねと。 私自身も、かけがいのない仲間(同期)がいて。久々に、ゆっくり電話してみたくなりました・・・。 同期(仲間)て、めちゃくちゃ大事ですね・・・。