てれんぱれん
作者 青来 有一
価格 1,650 円
出版社名 文藝春秋
出版年月 2007/11
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■読者の評価     おすすめ度平均

父がてれんぱれんになった理由       おすすめ度
 にら焼き屋を営む働き者のお母さんと、てれんぱれんのお父さんと過ごした町に40年ぶりにもどってきた主人公は、昔の知り合いだという女性に声をかけられる。子供のころの父との秘密「てれんぱれんさん」に関わることをできるだけ避けてきた彼女は、その女性に対し、胸騒ぎを覚え憂鬱になってしまうが、その女性に関わることで、父の思わぬ秘密と思いを知ることになる。
 なぜ、父がてれんぱれんだったのか、女性の明かした話と、逆らうこともせず黙って消えていく「てれんぱれんさん」への主人公の叫びに、思わずほろっとさせられました。長崎のあちこちには「てれんぱれんさん」の影がたくさんあるのかもって思わせられました。
 


確かに見えたあの頃       おすすめ度
題名を見て、死んだと思っていた人に逢いにわかに子供の頃の世界に連れ戻された想いがした。恋愛話一辺倒と見られる中で、かつては人の心に合った思い遣りや愛情をほのかに懐かしませる作品。私の子供の頃の河口付近の葦の茂みには河童が出るといわれ、夕刻にはおぼろげな得体の知れない影が出るので近づくことを止められていた。一地方都市の懐かしい詩情を感じさせてくれる。話題になっているAllwaysにはない自然がいい感じである。