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■読者の評価
おすすめ度平均
壮大なドラマなのに… おすすめ度
一人の侠客神崎武美の壮絶な人生を描いた長編小説。彼の行動の根底にあるのは自分を育ててくれた「父」への忠誠である。実際にはその「父」辰三は、自分のみを守るために武美を見放したり、売ったりするのだが、武美の人生は辰三への恩義が全ての人生なのである。
夜鷹の母が武美を産み落とし、辰三に託すまでの冒頭の短編「牡丹の女」は人物描写も繊細で、今後の展開を期待させる傑作なのだが、そこから先は、どうも作者の筆があらすじをなぞらえるばかりで、表現も直接的で乏しい。もっと丁寧に丁寧に描いていけば、読み応えのある大作になったと思うのに、残念。
夜鷹の母が武美を産み落とし、辰三に託すまでの冒頭の短編「牡丹の女」は人物描写も繊細で、今後の展開を期待させる傑作なのだが、そこから先は、どうも作者の筆があらすじをなぞらえるばかりで、表現も直接的で乏しい。もっと丁寧に丁寧に描いていけば、読み応えのある大作になったと思うのに、残念。
もう少し説得力があれば、 おすすめ度
昭和初期に生まれたある男の一生を、生い立ちに関わる周りの人物から語り、徐々に主人公に移っていくのです。ヤクザの世界に身を置く主人公に、とても胆(タンとかキモとか、つまり度胸のある)のある男の。
物語は連作短編の形で、それぞれの章にそれぞれ主人公に近しい人物の主観で、いかに主人公が凄い男かを表現していきます。物語としては、それなりに楽しめました。が、どちらかというと、不満が残りました。
物語の流れとしては、かなり長く、広く、それなりの世界観があるのです。また描写も、新しくはありませんし、斬新でも、特徴あるわけでもありませんが、悪くもありません、とても読みやすいです。どうしても気になってしまうのが人物描写、人物の心理描写、さらに、そこに2重構造を使う事なのです。
たとえば、如何に凄いか?を表現するのに、出来事や、それを通しての心理描写なりを使い、読者が想像し、ある程度感情移入できたり、できなくても理解でき、また魅力あるキャラクターであるなら良いのですが、ちょっと直接的過ぎる表現なのです。如何に凄いか?=凄いから、凄い。という説明になっちゃっている部分を私個人は多く感じました。何だか「この登場人物はアレをアレするためのキャラクターなんだろうなー」が分かり安すぎるので、どうしても薄っぺらく感じてしまうのです。
その上、2重構造、そんな割合薄っぺらく感じてしまいやすい人物を使って、主人公の心理描写や人間性を浮き彫りにしようとすると、どうしてもちょっとわざとらしく感じてしまいます。主人公の周りを固める、幼少期の兄的存在、親分、刺客、逃亡先で知り合う娘、どれもこれもが、主人公を凄く見せるための行動をとってくれる、勝手に恐れ入ってしまっている様に写るのです。行動に説得力が、どうしてそこまでなのか?が私にはちょっと。
と、文句もあるのですが、作品として、もう少しキャラクターが上手く動いて、伏線も張れているなら、題材としては面白いとも思うのです。義理と暴力とヤクザの世界の男と、宗教的救いの交差。もう少し登場人物に魅力があったり、説得力があれば(私には)よかったのですが。ちょっと余韻も足りなく感じましたが、特に村上 龍さんの小説が好きな方にはオススメできるかもしれません。
物語は連作短編の形で、それぞれの章にそれぞれ主人公に近しい人物の主観で、いかに主人公が凄い男かを表現していきます。物語としては、それなりに楽しめました。が、どちらかというと、不満が残りました。
物語の流れとしては、かなり長く、広く、それなりの世界観があるのです。また描写も、新しくはありませんし、斬新でも、特徴あるわけでもありませんが、悪くもありません、とても読みやすいです。どうしても気になってしまうのが人物描写、人物の心理描写、さらに、そこに2重構造を使う事なのです。
たとえば、如何に凄いか?を表現するのに、出来事や、それを通しての心理描写なりを使い、読者が想像し、ある程度感情移入できたり、できなくても理解でき、また魅力あるキャラクターであるなら良いのですが、ちょっと直接的過ぎる表現なのです。如何に凄いか?=凄いから、凄い。という説明になっちゃっている部分を私個人は多く感じました。何だか「この登場人物はアレをアレするためのキャラクターなんだろうなー」が分かり安すぎるので、どうしても薄っぺらく感じてしまうのです。
その上、2重構造、そんな割合薄っぺらく感じてしまいやすい人物を使って、主人公の心理描写や人間性を浮き彫りにしようとすると、どうしてもちょっとわざとらしく感じてしまいます。主人公の周りを固める、幼少期の兄的存在、親分、刺客、逃亡先で知り合う娘、どれもこれもが、主人公を凄く見せるための行動をとってくれる、勝手に恐れ入ってしまっている様に写るのです。行動に説得力が、どうしてそこまでなのか?が私にはちょっと。
と、文句もあるのですが、作品として、もう少しキャラクターが上手く動いて、伏線も張れているなら、題材としては面白いとも思うのです。義理と暴力とヤクザの世界の男と、宗教的救いの交差。もう少し登場人物に魅力があったり、説得力があれば(私には)よかったのですが。ちょっと余韻も足りなく感じましたが、特に村上 龍さんの小説が好きな方にはオススメできるかもしれません。
浅草観音は何を語る? おすすめ度
本書の形式は、一見短編集の様に見えるが、物語は連続していて、一冊で一つの長編を成す。
主人公の出生そのものも壮絶であるが、その後の、裏社会での生き様も、壮絶極まりない。
物語は、重く、そして、寂しい。
復讐という、裏社会の掟が、主人公を徹底的に支配する。
この様な、掟そのものが、そこはかとなく寂しい。
しかしそれは、主人公が選んだ道ではない。
むしろ、夜鷹である母が、一定の願いを込めて、ある選択をした。
そして、その結果が、本書の展開を導いた。
東京、浅草寺の観音様が、主人公と対峙する場面がある。
夜鷹だった母が、観音様の姿を借りて、何かを語りかけている様にも思える。
表題が意味する事は、少々深い。
どっしりと重い読み応えの本書は、様々な事を語る。
読後には、複雑な余韻が、交錯する。
主人公の出生そのものも壮絶であるが、その後の、裏社会での生き様も、壮絶極まりない。
物語は、重く、そして、寂しい。
復讐という、裏社会の掟が、主人公を徹底的に支配する。
この様な、掟そのものが、そこはかとなく寂しい。
しかしそれは、主人公が選んだ道ではない。
むしろ、夜鷹である母が、一定の願いを込めて、ある選択をした。
そして、その結果が、本書の展開を導いた。
東京、浅草寺の観音様が、主人公と対峙する場面がある。
夜鷹だった母が、観音様の姿を借りて、何かを語りかけている様にも思える。
表題が意味する事は、少々深い。
どっしりと重い読み応えの本書は、様々な事を語る。
読後には、複雑な余韻が、交錯する。
伊集院版ゴルゴ13 おすすめ度
帯には「神とは、救いとは、伊集院文学の最高峰」となっているが、どうもそんな感じはしない。戦前に夜鷹に生み捨てられた主人公が、従軍して、網走とアメリカで懲役。バブル期の日本にやっと戻ってきて、長崎の離島で礼拝堂造り。いったい、何歳なんだろうか?東映映画の高倉健かゴルゴ13のような年齢不詳さ・・・。神、救いといったところも遠藤周作のような深さがない。やはり、伊集院の最高傑作は「でく」だと思う。
親のために おすすめ度
昭和8年。夜鷹が産んだ一人の男児、神崎武美。
彼は浅草の侠客、浜嶋辰三の下で育てられ、
次第に日本の裏社会を代表する存在となっていく。
親のために身体を張る。
親が誰かに狙われたりしたら、その相手を殺る。
任侠の世界の掟を小さい頃に教えられた武美は、
この教えに背くことなく生きていく。
裏切りを含めた、様々な辛い出来事にも遭遇するのだが、
掟を守るという武美の軸はブレることがなく、
彼は常に親のことを第一に考え、太く、大きくなっていく。
ただ、決して曲げない信念を持った強い男でありながら、
孤独や悲哀といった寂寥感も、この男からは感じ取ることが出来る。
そして優しさも。
刑務所内やアメリカに舞台を移した話も盛り込まれ、楽しめる。
文章も読みやすい。
彼は浅草の侠客、浜嶋辰三の下で育てられ、
次第に日本の裏社会を代表する存在となっていく。
親のために身体を張る。
親が誰かに狙われたりしたら、その相手を殺る。
任侠の世界の掟を小さい頃に教えられた武美は、
この教えに背くことなく生きていく。
裏切りを含めた、様々な辛い出来事にも遭遇するのだが、
掟を守るという武美の軸はブレることがなく、
彼は常に親のことを第一に考え、太く、大きくなっていく。
ただ、決して曲げない信念を持った強い男でありながら、
孤独や悲哀といった寂寥感も、この男からは感じ取ることが出来る。
そして優しさも。
刑務所内やアメリカに舞台を移した話も盛り込まれ、楽しめる。
文章も読みやすい。

