非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパーク〈8〉
作者 石田 衣良
価格 1,600 円
出版社名 文藝春秋
出版年月 2008/07
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■読者の評価     おすすめ度平均

うーん。       おすすめ度
「トラブルシューター」…なんだか今の時代にこの言葉って、少し気恥ずかしい。
ひと昔前の言葉みたいな気がしてしまう。
まあ、シリーズ第一作が書かれたのは相当前ですものね。

内容は、時代に即したテーマを扱っていて、クラシックの曲名も
いくつも出てきて、重厚感かある…ようでいて、実は上滑りで軽い感じ。
確かに、考えさせられたこともたくさんあったし、普段はスルーしてしまっている
ことを、もう少し真剣に、身近な問題として考えるきっかけになったかもしれません。

出版物としては、それで充分な意義があるのかもしれません。…が。

私は、作者が思っていることを、作中にあまりにわかり易く反映させるやり方は
あまり好きではなく。
モノローグでも、そこに書かれているのが主人公マコトの思考なのか、作者の
社会に対して思っていること垂れ流しなのかがわかりづらく、なんだか
マコトに自己を投影し、代弁させている気がして好きになれませんでした。

石田さんはエッセイもたくさん書かれているんだから、自分の気持ちは
そちらに書いていただき、小説の中では、登場人物の息吹きだけを感じたいのです。

「夜の桃」のうすっぺらさにはかなりがっかりしましたが、これも、なんだか
世の中と小説を安易に結びつけて、新聞記事の中に主人公を放りこんだような感じ。

最近の石田さんは「時代にマッチし、世間に求められているスタイリッシュな俺」を
自己プロデュースみたいで、なあんか好きになれないなあ。



いつもながらの石田節       おすすめ度
はい、いつもながらの石田節(笑

ワーキングプアを主題にした表題作やら、

シングルマザーやら。

相変わらずのステレオタイプの世界ですが、

反対にそれが安心と言うか。

そんな上っ面だけ簡単になぞっていいのか?というのはさておいて、

とにかく読みやすい。

なので、すぐに読み終えて損?(笑

ちょっと定価で買うのは、つらいですね。

でも、おもしろいのは、確かです。


ご存じ池袋ウエストゲートパークシリーズ       おすすめ度
定番中の定番だから水戸黄門漫遊記のように安心して読める。
が、ちょっと気を緩めると涙腺までもゆるんでしまうから注意してくれ。
まっ、今回は、口元もゆるむ楽しくてほんわかしたお話ばかりだから、
ブラームスでも聴きながらリラックスして読むといいだろう。
マコトの有力な後ろ盾であるGボーイズは登場するが、
警察署も暴力団も登場しなくなった。
そのかわりに最恐のおふくろさんが活躍するから楽しんでくれ。
いま流行の「自助努力」で事件を解決する傾向になったと言うことだ。


一気に読みました       おすすめ度
ちょっと、中弛みのイメージがあるこのシリーズ。買ってから暫くツンドクだったの
ですが、本を開けたら一気に読み終えてしまいました。

いつもの様に、キングやサルがからむ展開です。彼らの力に頼らずに事件を解決してみろよ、
と思う反面、マコトと彼らとの会話がこの作品の面白さの一つですし、また彼らの活躍を
見てみたいという気持ちもある、複雑な心境です。(それと以前の作品でマコトが出張した
際に、その土地では(当然ですが)無名の存在であるという事に何故か違和感を感じた事
からも、マンネリと言われても、この展開がベターなのかなと思うのです。)
 今回の作品は、以前の事件で関わった人や、「銀十字」の登場人物を思い出させる人、
それと、シリーズ外ですが「波の上の魔術師」の登場人物を感じさせる箇所など、石田
ファンがニヤリと出来る所が多かったと思います。


出たぜ!新作       おすすめ度
待ちに待った新作の登場です!!

今回の題材になった日雇派遣は現代社会の大きな問題となっています。
そんな問題をマコトが自ら体験して解決していく物語です。

現代社会にもマコトみたいなクールでカッコイイ奴が居たら良いんですけどね。

楽しく読めること間違いありません。
まだウエストゲートパークデビューしてないアナタは必読です!!