秘密 (文春文庫)
作者 東野 圭吾
価格 660 円
出版社名 文藝春秋
出版年月 2001/05
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■読者の評価     おすすめ度平均

女の本性       おすすめ度
今回はバスの事故で脳死した娘の身体に母親の意識が入ってしまったというシチュエーションです。
人格交換ってまあ使い古された話だけど、それによって変化する夫婦関係とそれでもかわらない部分とで前半は引っ張ります。
ありえない状況下でも日常的に対応してしまっている夫婦の会話がなかなか楽しい。
タイトルの「秘密」の意味は最終章あたりでわかります。
秘密を知ってしまうと、それまでずっと引っ張ってきた親子や夫婦の絆が女性のしたたかな強さに変わる。
良くも悪くもそこがポイントなのかと。
そうすると主人公は踏み台みたいに思えてしまった。
最後まで読んでストーリーを振り返ると、人生をやり直すチャンスを有効にいかして新しく伴侶も得てっていうおいしい人生にも見える。
誰が一番不幸なのでしょうか。


これほど感情移入できる小説はありません       おすすめ度
結末については賛否両論ありますが、妻と子を持つ身としては、主人公・平介の気持ちが痛いほどわかります。思春期の娘が次第に離れていくところなど、妻・直子の気持ちも離れてしまう事になり、普通の親子以上に辛い事でしょう。
後半は読んでいるうちに本当に胸が痛くなり涙が出ました。家族を大切にしようと本気で反省しました。
最近、家族への愛情が薄れてきたと思っている方、是非読んでみてください。
しかし、この作家の恋愛観は誠実でまっすぐなものが多いですね。現実はもう少し歪んでいたりするものですが。


人間のもつ本性をフィクションを通じて訴える       おすすめ度
私はただの小説として読むことができませんでした。

本書では人が日常生活で感じる様々な心の葛藤を、主人公とその周りにいる人たちを通じて伝えています。

小説としてはもちろん、1日で読みきるほどおもしろいですが、家族のあり方、恋人とのあり方などを深く見つめるきっかけになる1冊。

家族に問題を抱える方、恋人と問題を抱える方、自分自身に悩みを感じている方、必読です!


泣いてしまいました。       おすすめ度
笑い話にしたかったけど読者が泣いたっていうんで手に取りました。
ラスト付近で一人タリーズで涙を抑え切れませんでした。
バス運転手の事故をおこしてしまった深い深い理由にも泣きました。
藻奈美さんが最後まで出てこれなかったのも、一母親として泣きました。
直子の苦労も平助の愛も、すごく感動、いろんな気持ち。

結婚指輪の件がなければ「秘密」が成り立たなかっただろうけど、
直子のわりにはわかりやすいポカをしたなと思ってしまいました。

映画も観たいと思っています。


どこまでも切ない物語。       おすすめ度
秘密をかかえて生きていくというのは、
誰にとってもつらいこと。

時が経ち暴露される秘密と、未来永劫暴露されない秘密。

登場人物たちのそんな多くの秘密が交じり合い、
この切ない物語を形作っています。

主人公・平介が最後まで暴露しなかった秘密は…
そしてその妻・直子が最後まで暴露しなかった秘密は…

読者はラストシーンでそれに気付かされます。

秀作。