喜多川歌麿女絵草紙 (文春文庫 (192‐3))
作者 藤沢 周平
価格 480 円
出版社名 文芸春秋
出版年月 1982/01
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■読者の評価     おすすめ度平均

大人の本だなあ       おすすめ度
これはこれは、大変な掘り出し物だった。
もちろん、藤沢周平なんだから、基本的に間違いはない。
でも、これは、ちょっと予想外。

なんちゅうかな、藤沢周平はたくさんの話を書いているけど、自分としては大きく、海坂藩をメインにした剣劇+お家騒動+ろまんモノ、あるいは江戸の市井の人の日暮らしぶりモノ、てな感じになって行くような気がする。
ところが、この作品は違う。
浮世絵で有名な歌麿。
ずいぶん艶っぽい話になるのかな、と思っていたら、なんと。
もっともっと、大人のオトコとオンナの、心の機微が語られる。

よかったなぁ。何だか、男と女の関係も、いろいろあるんだなぁ、なんて。
その中でも、歌麿と通いの女弟子千代との関係。
これは、よかったぁ。うーん、とてもとても情感があって、しみじみ感じるところがあった。

江戸の市井モノとも言えるけど、それ以上に、人の心のヒダを優しく優しくなでヒモ解くような。
一方で、盛りに陰りの見える中年にさしかかった歌麿の、もう一度と自分を鼓舞するところが今の自分かぶる。
いやぁ、これは大人の本だわ。