逆軍の旗 (文春文庫 (192‐11))
作者 藤沢 周平
価格 500 円
出版社名 文芸春秋
出版年月 1985/03
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■読者の評価     おすすめ度平均

登場人物と共に、悔しさをかみ締め       おすすめ度
中篇4作収録。
この4作には共通しているものがある。
「志し半ばにして・・」という思いだ。読み終えた後、非常に悔しさが残る。

■「幻にあらず」
この直前に読んだ同著者「漆の実のみのる国 上・下」巻末に、この本のなかの「幻にあらず」が紹介されていた為、読み終わり後即購入した。この中篇は、著者49歳の時のものであるが、この作品に満足できずその20年後、長編「漆の実の・・・上・下」として書き直している。そういう意味で、私は最初にその長編を読んでいるので、その余韻のまま おさらいをする形で読み直してみた。
しかし、何度読んでも悔しい思いでいっぱいだ。
最後は竹俣美作当網が復活して、藩主上杉治憲、莅戸善政と共に、「漆の実」が鈴なりになった街道を3人で笑いながら歩いて欲しかったのだが・・。
この「幻にあらず」を先に読んだ方は、是非そのまま続けて「漆の実のみのる・・」を読んでいただきたい。もっともっと細かな描写、逸話が出てき、この話の面白さを味わえるはずである。そして、あの名句「為せばなる、為さねば成らぬ何事も・・・」の深い意味を実感できるはずである。

■ 「逆軍の旗」
映画「ラストサムライ」の最後のシーンを思い出す。悔しい。

■ 「上意改まる」
これまた悔しい話。
「クソッ!なんでそうならなきゃいけないんだ?何も悪いことしてない3兄弟が、どうしてそんな罪を着せられなきゃいけないんだ! 畜生!胸糞悪いなー」と、

■「二人の失踪人」
これまた悔しい話。
「それはそれとして、弟を捜しに行ったお兄ちゃんはどうした?」


短編の名手が描いた、明智の三日天下       おすすめ度
オーソドックスな光秀象で本能寺を描いている。
自分を守る為に主君を殺し、部下の為に天下を狙う。
天下を狙うには、主君は余りに大きく、その後のことは何も考えていなかった。
そこへ、秀吉大返し。この瞬間、切れすぎる兵法家は自らの運命を悟った。

主君を葬る一瞬の隙。その後のことは夢のまた夢。本能寺の朝、虚しさ、晴れ晴れとした青空。長年の重石が取れたのは気持ちが良いが、慣れるに時間がかかった。
短編の名手が描いた、明智の三日天下と光秀の心の移り変わり。