月山・鳥海山 (文春文庫 も 2-1)
作者 森 敦
価格 570 円
出版社名 文藝春秋
出版年月 1979/01
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■読者の評価     おすすめ度平均

明晰な作品       おすすめ度
リアリズム小説の形をとりながら、同氏の『意味の変容』で書かれた数理的な世界観を見事に具現した佳作。「即身成仏の隠喩」と安易には片づけられない。同氏『浄土』と併せて読むことをおすすめ。


正直期待はずれ。       おすすめ度
 霊場で有名な出羽三山の一つ”月山”、そして作者の名前から想像される「敦」という名。また40年という星霜を経過のちに書かれたもの。
 神韻縹渺、霊験あらたかな作品を思い描いたが、しかし実際の作品は、白樺派亜流の私小説であった。若者にみられる平板な軽さは無かったが、私が望むレベルの作品=芸術ではなかった。


すぐ近くにある、大切なもの       おすすめ度
「生が眠るとき死も眠るのだ」(初真桑)
保坂和志にも劣らぬ、何気ない日常描写の中に、
上の引用文から窺えるような、生死の哲学が垣間見えます。
とにかく文章が簡潔で読みやすい!
(人によっては、それが眠気を誘発する恐れも……)
劇的な内容でもなく、日常の中に生死を見極める作風で、
大切なものは、すぐ近くにあるんじゃないか、と考えさせてくれます。
大げさすぎるエンターテイメントに飽きた頃に読むといいかも。