文福茶釜 (文春文庫)
作者 黒川 博行
価格 520 円
出版社名 文藝春秋
出版年月 2002/05
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■読者の評価     おすすめ度平均

後学のために是非読んでみてください       おすすめ度
アマゾン中古で単行本、本日現在196円 文庫本より安くてお得です。

水墨画、茶釜、茶碗、茶筅、彫刻、漫画、古美術や骨董品の贋作作りと、騙し合い(笑

まあ、骨董品とかに大枚払う人がいるから、騙すのですが。

知らないことも多くて、非常にためになるというか、おもしろかったです。

商売人同士が騙しあうのは、当たり前で、

騙されたほうが馬鹿にされるので、騙されても我慢して泣き寝入り。

で、また違う商売人を何とか騙すということで。

しかし、美術目録って信用できないっていうのが、よーくわかりました。

中古の値段なら、後学のために是非読んでみてください。



文福茶釜とはよく言ったもの       おすすめ度
まさにこのタイトルがふさわしいほどの化かしあいです。
古美術の世界で起るリアルな駆け引きに騙しあいという内容ですが、ちょっと古美術などに関心がある方には面白いと思いますし、なによりこの小説は不快に感じることがありませんでした。
水墨画、茶釜、茶碗、茶筅、彫刻、漫画、古美術や骨董品の贋作作りがいかにして行われているのか、またその贋作が必要となるいきさつも多様であり、そして商品が回っていく事が良く分かります。結局は人間の欲のなせる業なのでしょうが…。

ただ僕が唯一後悔したのは、先に「蒼煌」を読んでしまったということです。
この「文福茶釜」が短編集であり色々な駆け引きの物語であるので、これを読んだ上でさらに昇華させた「蒼煌」読んだ方がいっそう楽しめたと読み終えた後に感じてしまいました。

まだ読まれてない方には「文福茶釜」を読まれた上で、さらに美術界の熾烈な権力争いが繰り広げられる「蒼煌」をお勧めします。


続編,続々編が読みたいくらいの傑作       おすすめ度
「何々鑑定団」関連の本などで贋作の話がでてきますが,本書はそのような,古美術の贋作とそれを巡る人間のお話です。なんといっても短編集であることで成功しています。それぞれの話がドキドキハラハラなので,長編ではとてもこの緊張感が持ちません。また,騙し騙される話ですが,諸悪の権化のような悪人は登場しません。登場人物たちは読者にオーバーラップしそうな人々で,それがこの本を荒唐無稽な話ではなく,リアリティの感じられる芯のしっかりした小説にしています。もちろん著者の豊富な経験と知識もストーリーに過不足のない肉付けをしてくれています。なお,「解説」は本書のネタ晴らしそのものです。お気を付けください。


著者はきっと賢い       おすすめ度
黒川氏の「大博打」をなにかのきっかけで読み、非常に面白かった。秀逸なのは、どなた様もお亡くなりにならない点である。これはこの上なく評価できる。

この「文福茶釜」なる題名の作品(短編集)も、著者は著者のそういう持ち味を存分に発揮している。どうしたら、こういう話を考え出せるのだろうか。柔軟な脳味噌の持ち主であるに違いない。

騙されたと思わぬうちに、ぜひ皆さん、読んで下さい。どうして、まあ、こんな話をいっぱい書けるかね、とお考えになること間違いなし。

膨大な数の推理小説が世に溢れる中、毎作もれずにどれも被害者がまず死んでくれないとお話しが始まらないような作品は、お話しにならない。

最後に、黒川氏のこれら作品が面白い方には、(少々生臭さはあるものの)本所!次!郎著『銀行芝居』をこの場を借りてお薦めします。