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そして、その恋愛をひとつの媒体として人と人とのあり方をあぶりだしていくのが彼女の手法だ。
何を当たり前のことを、と思うなかれ。
そのことに留意することなく書かれた恋愛小説のなんと多いことか!
最近の彼女の作品にはあまりピンと来るものがないのだが、これは彼女の頂点に位置してるのではないだろうか。
基本的には山田詠美は短編作家のような気がする。
どの短編もイキイキと書かれていて魅力的だ。
けれど、この「トラッシュ」という最初の長編小説はとんでもない高水準で、これ1冊で日本の文学史に足跡を残したといっても言い過ぎではない様に思う。
よく失恋が人を一段成長させるというようなことが言われるが、同じ文脈でこの小説を読むと何かが変わる、そんな魅力に充ちた物語だ。
彼女は本当に優しくて、でもちゃあんとエゴは持ってて、でもそのエゴはとてもキレイで。恋を大切にして他人も自分もきちんと愛していて、素敵です。
ジェシーの背骨と一緒に読んだので、ジェシーとココの関係の改善される様子やジェシーの成長ぷりがとても眩しくて、嬉しい気持ちになれます。
山田詠美さんの本はどれも好きだけど、この本は本当一生モノです☆
諭してくれた本でした。
人と別れるということ、これまでこの人がいないと生きていけないと
思っていた人なのに、「一緒にいたらダメ」とわかっているのに「あの人には
私が必要だ」と自分をだましだまししながら、とうとう修復できない到達点に
達することで破局を知る。
中身が濃密であった恋だからこそ、こんな風に終わりは痛々しく、
だれも傷つかない別れなんかないのかな、って思いました。
だから、傷ついたっていいんだよ、わんわんお風呂の中で大声あげて
泣いたっていいんだよ、ってこの小説は傷ついたことを認めなくなかった
私に教えてくれました。
この本があったからこそ、私は自分の傷を知り、向き合い、それを癒すことが
必要だと自覚させてくれました。
わーん、と声をあげて、夜中のバスルームで泣けたのはこの本のおかげ。
もしも、あなたが一つの関係の終わりを向かえ、疲れ切っているならば、
この小説を読んでみてください。
不思議とやさしくじんわりと「一つの関係が終わるとき、傷つかない者なんて
いないのだ」ということを教えてくれます。
ちなみに、この話、ある短編の続編なのね。。。なんだったか、忘れちゃったけど。。。。。探してみて。
いくつになっても、恋の痛みには慣れないものだ。
だから、また人を求めてしまうのだろう。
そして、誰も傷つけない恋などないんだなと、
この物語で心の随まで知った気がする。
余談だが、ハードカバー版を持っていて、文庫でも持っている。
買い求めた理由は、長い旅に出るときに連れて行きたいから。
もしも飛行機が落ちて無人島に流されても、
この1冊に恋して生きて行けそうだ。
