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亡くなるまで終始コミカルにシニカルに世界を笑い飛ばしてみせたエンターテイメント職人
中島らもの真骨頂ここに在り!!電算写植機軋ませながら、今日も机に向かう俺。
漏れ溢れ出す、無意識が筆を動かせる自動書記。この世のものとは思えぬ程に、
麗し美文で綴られて。幽霊が書いた作品やも!?と。詐欺師、というよりゃ、ぺてん師登場。
編集者相手に丁々発止。知恵比べ、化けの皮!剥がし剥がされ、ヨヨイのヨイ。
かくして揃った3人組。波多野、相川、宇井美咲。
文壇はおろか、揚げ句の果てに極道たちをも巻き込んで…。
文字が言葉が繋がって唸り出す、踊り始める。純度高い芳醇な香りのスピリッツ。
一瞬に込めた永遠。そして永遠から解き放たれた一瞬。生きている真っ最中の半ば。
ロックンロールな作品です。豊川悦司主演の映画版『Lie Lie Lie』と合わせてオススメします。
そもそも「ヒト」は、至極常識的な部分から全く非常識な部分まで、両極端をあわせ持つイキモノなんだ。そんな中島らもの哲学が、あふれ出ている一冊です。
プラスアルファ、彼の「表現者」としての喜びも、そして苦悩も、波多野の言動を通して語られている。
やっぱ、すごい、中島らも。どうしても会いたい。
物語は孤独な中年写植屋・波多野善二の所へ高校の同級生で詐欺師の相川真が転がり込むことから始まる。相川にもらった睡眠薬を酒で流し込んだ波多野は、無意識のうちに電算写植機「一休」で一編の美しい散文を書き上げる。それを幽霊が人間に取り憑いて書いたものと偽り、二人は大手出版社に持ち込むが、編集者・宇井美咲に虚偽を見抜かれてしまう・・・
相川の詐欺の手口に絡んでうねるギャグ、ラリった波多野が乱打する文章から溢れ出る才気。印刷会社の営業、広告代理店勤務、ドラッグなど、自らの実体験を娯楽色ゆたかに紡いだ、一級のエンタテインメントだ。なお、この小説は、豊川悦司・佐藤浩市・鈴木保奈美をメインキャストに「Lie lie Lie」の名で映画化されている。こちらもおすすめ。
中島らもは、生きながらにしてどこか仙人のような人だった。だから、彼がもうこの世にいないということがピンとこない。いまだにキツネにつままれたような気分だ。実を言えば、「階段落ち」をネタにした作者不詳の小説が出まわらないかと、密かに、そして真剣に、期待しているのだ。
映画も出演されている方が良く映画も素敵だったので、どうしてもその印象を重ねながら読んでしまいましたが、原作では、登場人物はもう少しくたびれている設定のような気がします。
この本では、らもさんのなかに住む3つの人格が強く各登場人物に投影されている気がしました。寡黙で思索的な写植屋、情報を重んじる知性の編集者、そして非現実な世界を懸命に構築しようとする詐欺師というように、各人物の性格が作者の中に同居している代表的な人格のように思えました。これまで読んだ作者の小説は、どれか一つの人格に光を当てて、“話し”を構築していく傾向があるように思いますが、この小説ではそれぞれの人格がそれぞれに目立つような構成になっています。たぶんそのようにバランスをとった結果として、読後の感想がライトで爽やかな恋愛小説になったんだと思います。
私はこの作者の本を多く読んでいるほうですが、この本を一番よく読んでいます。特に、睡眠薬を飲んだ後の写植屋の紡ぎ出す言葉の羅列が、圧倒的です。酒等を摂取してから、この小説のこのくだりを読める人にお勧めします。
言葉を吐く主体は、何かが乗り移ったと後になって思う。 …「俺は写植屋だから、作家の先生方のことはよく知らない。知らないけれど、作家というのは多かれ少なかれ、何かに憑かれてものを書くんじゃないんですか」 中島らもの哲学の表明をみることが出来る作品だと思います

