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■読者の評価
おすすめ度平均
初期の作品のみずみずしさ おすすめ度
桐野夏生の作品は、時代とともに読んできた。
だから、この作品を最初に読んだのは、ずいぶん昔の気がする。
たまたま人に貸していたものを、その人の本棚で見つけ、借りて(?)きてまた読んだ。
このところの桐野の作品が、女性を主人公に、あるいは物語の中心にして進むものが大半を占めていることを考えると
本作品は、非常にオトコの匂いのする、ハードボイルドな印象のあるものになったいる
初期のミロのシリーズもそうだけど、その硬派なイメージから、私は桐野夏生という作者を、てっきり男の人と思っていたくらい
何というかな、ただ硬派、ハードボイルドというより、もっとオトコの心情に入った部分があって
これを女性が書いているとわかったときは結構驚いた。
いろんなものがまだ未解決のまま、最終的にはどこか突き放したような終わり方の作品です。
でも、そこがいい、な。
人の怖さを底流に、1960年頃の成長の前の日本の原風景に、オトコの孤独感に人生の節目のようなものを感じながらしっかりとしたタッチのドラマになっています。
だから、この作品を最初に読んだのは、ずいぶん昔の気がする。
たまたま人に貸していたものを、その人の本棚で見つけ、借りて(?)きてまた読んだ。
このところの桐野の作品が、女性を主人公に、あるいは物語の中心にして進むものが大半を占めていることを考えると
本作品は、非常にオトコの匂いのする、ハードボイルドな印象のあるものになったいる
初期のミロのシリーズもそうだけど、その硬派なイメージから、私は桐野夏生という作者を、てっきり男の人と思っていたくらい
何というかな、ただ硬派、ハードボイルドというより、もっとオトコの心情に入った部分があって
これを女性が書いているとわかったときは結構驚いた。
いろんなものがまだ未解決のまま、最終的にはどこか突き放したような終わり方の作品です。
でも、そこがいい、な。
人の怖さを底流に、1960年頃の成長の前の日本の原風景に、オトコの孤独感に人生の節目のようなものを感じながらしっかりとしたタッチのドラマになっています。
ミロと善三の関係 おすすめ度
ミロシリーズと言っても、こちらはミロの義理の父である村野善三の若い時代、ミロの母との出逢いやミロの本当の父である後藤の話なども書かれています。
出版されたのは1995年(文庫は1998年)で前記のミロシリーズ2作目の「天使に見捨てられた夜」の後に書かれています。
しかし、私はあえて後に回しました。
ミロの方が気になってしまったので(^^;)
なので、これを読めば、母が亡くなった後のミロと善三の関係がハッキリするのかと思っていたのですが、善三が調査屋を始めた頃まで(まだミロの母と結婚する前です)しか書かれていないので分かりませんでした。
文庫化にあたり削除された部分もあるそうなのですが・・・。
善三はミロとは血の繋がりが無いけれども、その調べる過程なんかは親子みたいだと思いました。
ちょっと人生を捨てたところがある感じも似てるのではないでしょうか?
たぶん、この本を先に読んでから「ダーク」を読んだら、善三の変わりようにショックを受けてしまったんじゃないかなと思います。
この本の後に善三が早重とどうなって結婚に至ったのかも知りたいものです。
早苗視点の話もあったら、また違った善三やミロ、後藤が出てくるんじゃないでしょうか。
出版されたのは1995年(文庫は1998年)で前記のミロシリーズ2作目の「天使に見捨てられた夜」の後に書かれています。
しかし、私はあえて後に回しました。
ミロの方が気になってしまったので(^^;)
なので、これを読めば、母が亡くなった後のミロと善三の関係がハッキリするのかと思っていたのですが、善三が調査屋を始めた頃まで(まだミロの母と結婚する前です)しか書かれていないので分かりませんでした。
文庫化にあたり削除された部分もあるそうなのですが・・・。
善三はミロとは血の繋がりが無いけれども、その調べる過程なんかは親子みたいだと思いました。
ちょっと人生を捨てたところがある感じも似てるのではないでしょうか?
たぶん、この本を先に読んでから「ダーク」を読んだら、善三の変わりようにショックを受けてしまったんじゃないかなと思います。
この本の後に善三が早重とどうなって結婚に至ったのかも知りたいものです。
早苗視点の話もあったら、また違った善三やミロ、後藤が出てくるんじゃないでしょうか。
単なるミステリー以上の出来です。 おすすめ度
高度成長に湧く、東京オリンピック直前の昭和30年代半ばが舞台です。
みゆき族が銀座を闊歩し、アイビールック全盛だった頃ですね。
私の高校時代もアイビールックのリバイバル全盛でしたので、服装に関する記述が非常に懐かしかったです。
VAN、KENT、JUNなどと言うメーカーがありましたね。
ところどころで、出てくる人物は実在のこの人物を想定しているのかな、などと考えながら読んで見ました。
トップ屋村野が、地下鉄の中で遭遇した爆弾事件、地下鉄の乗り換え時にすれ違ったと思われる容疑者の「草加次郎」を追います。
一方、家に戻らない甥を葉山まで迎えに行き知り合った女子高校生が殺され、容疑者となります。
勢いのある時代の雰囲気も上手く書かれており単なるミステリー以上に楽しめます。
みゆき族が銀座を闊歩し、アイビールック全盛だった頃ですね。
私の高校時代もアイビールックのリバイバル全盛でしたので、服装に関する記述が非常に懐かしかったです。
VAN、KENT、JUNなどと言うメーカーがありましたね。
ところどころで、出てくる人物は実在のこの人物を想定しているのかな、などと考えながら読んで見ました。
トップ屋村野が、地下鉄の中で遭遇した爆弾事件、地下鉄の乗り換え時にすれ違ったと思われる容疑者の「草加次郎」を追います。
一方、家に戻らない甥を葉山まで迎えに行き知り合った女子高校生が殺され、容疑者となります。
勢いのある時代の雰囲気も上手く書かれており単なるミステリー以上に楽しめます。
タイトルの意図 おすすめ度
私は本来のシリーズである「村野ミロ」を存じておりませんので、まったくの単品作品として読みました。
思ったよりも読了に時間を要しました。中盤まで展開の予測が立てられず、というか、予測する情報が与えられないために、若干ストレスを感じてしまったせいかと思われます。終盤にかけて急展開するものの、「アレ、犯人判明はそんなにアッサリ・・?」と少し物足りなさもあります。
そして、今ひとつ納得できていないのが、タイトルの『水の眠り 灰の夢』です。私が重要箇所を読み落としてしまっているのでしょうか?『灰の夢』に関しては、映画『灰とダイヤモンド』から取ったものであり、本文中でも言及されています。映画では燃え尽きた灰の中にダイヤモンドが潜むことになっていますが、本作の登場人物たちはダイヤモンドを見つけられないながら、求める姿が描かれます。これが『灰の夢』という表現でタイトルになったのだろうと。
しかしながら、『水の眠り』に関しては、何の意図でタイトルに付されたのか、疑問が残るのです。『水』は暗示的な何かなのでしょうか。直接的には、隅田川で死亡した少女のことかとも思うのですが、説得力に欠ける気がします。もしかして、アルコールでしょうか?隋所に時代を映すようなアルコールが効果的に使われているし。うーん、何なのでしょうか・・・
思ったよりも読了に時間を要しました。中盤まで展開の予測が立てられず、というか、予測する情報が与えられないために、若干ストレスを感じてしまったせいかと思われます。終盤にかけて急展開するものの、「アレ、犯人判明はそんなにアッサリ・・?」と少し物足りなさもあります。
そして、今ひとつ納得できていないのが、タイトルの『水の眠り 灰の夢』です。私が重要箇所を読み落としてしまっているのでしょうか?『灰の夢』に関しては、映画『灰とダイヤモンド』から取ったものであり、本文中でも言及されています。映画では燃え尽きた灰の中にダイヤモンドが潜むことになっていますが、本作の登場人物たちはダイヤモンドを見つけられないながら、求める姿が描かれます。これが『灰の夢』という表現でタイトルになったのだろうと。
しかしながら、『水の眠り』に関しては、何の意図でタイトルに付されたのか、疑問が残るのです。『水』は暗示的な何かなのでしょうか。直接的には、隅田川で死亡した少女のことかとも思うのですが、説得力に欠ける気がします。もしかして、アルコールでしょうか?隋所に時代を映すようなアルコールが効果的に使われているし。うーん、何なのでしょうか・・・
古いゆえに古びない物語 おすすめ度
探偵村野ミロシリーズの父、村野善三の若き日の物語。シリーズ番外編と言えようが、版元も違うし単品として十分成立していると思う。個人的にはこちらの方が好きなくらいだ。
舞台は1963年の東京。週刊誌の記者、いわゆる「トップ屋」として日々を疾走する村野。著者の事実をフィクション化することへの関心はこの頃から始まっていたのだろうか、当時の事件、実在したトップ屋集団などが下じきになっている。
実際、この時代を知っているわけではないが、60年代前半という何かが始まる前の独特の時代の空気、熱気をはらみつつも、モノクロームの画面を思わせるような落ち着いた筆致が好ましく、しばしその世界に浸った。桐野作品であることを忘れるようなオーソドックスなハードボイルドミステリーであり、改めて著者の多彩な作風を思った。
村野はある事件の容疑者にされ、自身で真相を暴こうとする。彼を待つのは悲哀を伴う出来事や事実の数々。著者は哀感を帯びた物語をうまく描き、印象深い作品に仕上がっている。
ミロシリーズ本編は現代モノだけに時間とともに古さが少々気になってくるが、もともと古い時代を舞台にしたこちらは古びない。ミロシリーズのファンはもちろんもそうでないかたにもご一読をおすすめしたい。
舞台は1963年の東京。週刊誌の記者、いわゆる「トップ屋」として日々を疾走する村野。著者の事実をフィクション化することへの関心はこの頃から始まっていたのだろうか、当時の事件、実在したトップ屋集団などが下じきになっている。
実際、この時代を知っているわけではないが、60年代前半という何かが始まる前の独特の時代の空気、熱気をはらみつつも、モノクロームの画面を思わせるような落ち着いた筆致が好ましく、しばしその世界に浸った。桐野作品であることを忘れるようなオーソドックスなハードボイルドミステリーであり、改めて著者の多彩な作風を思った。
村野はある事件の容疑者にされ、自身で真相を暴こうとする。彼を待つのは悲哀を伴う出来事や事実の数々。著者は哀感を帯びた物語をうまく描き、印象深い作品に仕上がっている。
ミロシリーズ本編は現代モノだけに時間とともに古さが少々気になってくるが、もともと古い時代を舞台にしたこちらは古びない。ミロシリーズのファンはもちろんもそうでないかたにもご一読をおすすめしたい。

