弥勒の掌 (文春文庫)
作者 我孫子 武丸
価格 580 円
出版社名 文藝春秋
出版年月 2008/03/07
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■読者の評価     おすすめ度平均

読んだ後、ニヤリとしてしまう       おすすめ度
我孫子作品が好きで気軽に読みはじめたのですが、途中から「あれ?」て思ってしまいました。
「これ・・ページ数、足りなくね?^^;」
それほどの短さなのです。

しかし物語は変わらぬペースで進み、「え?!え?!大丈夫かこれ?!大丈夫?!大丈夫?!?!」と妙に焦ってしまいます。


・・・ついに残り十数ページ。

「もうダメだー><終われねーッ>スコーンスコーンスコーンって決められて『バン!!』て終わりました。

あとがきにもありましたが、え?!て結末なのに 何故か読んだあと爽快な気分が漂うのです。。
タバコ一本吸い、じんわりニヤリとさせて頂きました。

いやぁ、面白かったー^^

短くて負担にならない作品なので、気楽に購入して楽しめる一本です。


どんでん返し       おすすめ度
最後なかなかのどんでん返しがありました。
ただ、最後ずいぶんあっさりだったので短編小説を読んだような読後感でした。
もっとこの教団のことを深く掘り下げて描いてほしかったなあと。

話をすすめる2人の人物像は、最初はなかなか感情移入できない
「魅力のない人だなあ、もっと魅力的にしてよー」と思いながら読み進めていましたが
トータルで考えるとなかなか良い人物設定ですね。



一気読みの快感       おすすめ度
 話の構成(教師編と刑事編が交互に進む)とボリューム(短っ!!)
から私には珍しく一気読みしてしましました。

 冒頭の妻の失踪あるいは殺害の謎、そしてその結末には十分驚かされましたし
読後感は概ね満足なものでした。

 ではなぜ星3つかというと、私のミステリに求めるカタルシスに達していない
からという、それだけの身勝手な理由です。
 そのライトな味わいが満腹感を生まないと言うか、腹八分目というか……。

 でも他の作家が書かれたこの題材この構成の某作で激しく鬱になったことを思えば
この結末は嫌いじゃないです。面白かったです。


私にしては珍しく・・・。       おすすめ度
失踪した妻の行方を追う高校教師。妻を何者かに殺害された悪徳刑事。二人の目の前に現れたのは「救いの御手」なる宗教団体。

確か、著者の作品は初めてです。
ハードボイルドなタッチで物語は進んでいきます。しかし、私にしては珍しく、落ちが読めてしまいました。某コミックとそのドラマ化作品のおかげですね。



巧みな叙述の目眩まし       おすすめ度
綾辻行人、有栖川有栖らをはじめとする新本格第1世代作家の一人、我孫子武丸が自身の最高傑作といわれる『殺戮にいたる病』からなんと13年ぶりに書き下ろした実力作である。

ある日突然失踪した妻を捜し求めて、新興宗教団体≪救いの御手≫の存在を知った高校教師。
妻を殺され復讐を誓いながらも、汚職の嫌疑をかけられ、本庁人事監察から内部取調べを受けるベテラン刑事。やがて二人の行動は≪救いの御手≫の本部で交わって、事件は思わぬ展開を見せる。

刑事の妻の殺害は、果たして≪救いの御手≫の手によるものか。そもそも彼らの正体は?

折原一の諸作品を彷彿とさせる、アンフェアーぎりぎりの巧みな叙述の目眩ましは、衝撃のサプライズに収束してゆく。よほど注意して読み進んでも、まずだまされることうけあいだ。

また昨今の分厚い大作ブームの中、本書は、だまされながらも“謎”を楽しんで一気に読みきるパズラーという点では手頃な長さだった。

ちなみに本書は、文藝春秋のミステリー叢書「本格ミステリ・マスターズ」レーベルの一冊として発表された作品の文庫化であり、原書房発行の探偵小説研究会編「本格ミステリ・ベスト10」で’05年第3位、「このミステリーがすごい!」では’05年国内編第19位にランクインしている。