マッチメイク
作者 不知火 京介
価格 1,680 円
出版社名 講談社
出版年月 2003/08
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    第49回 江戸川乱歩賞   受賞
大手プロレス団体のスターが試合中に死んだ。自殺か? 他殺か? 「最強」を夢見る新米レスラー・山田聡は、真相に迫れるか?

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■読者の評価     おすすめ度平均

推理小説としての面白さではなく、プロレスの面白さ       おすすめ度
推理小説としての面白さではなく、プロレスの面白さで読ませる作品ですね。
プロレスファンなら、作中に出てくるプロレスラーやエピソードに、実在の
モデルが存在する事がすぐ判ると思います。

試合の内情やトレーニングの様子、「門番」という存在など、外からでは
窺い知る事の出来ないプロレス界の実態が描かれているのは、読んで
いて面白かったです。
ただ、ミステリーとしては、いまいち物足りないかも知れませんが。

あと、この主人公はちょっと無知ですね。
今時、「アングル」くらいはプロレスファンなら誰でも知ってると思うのに、
いくら新人とは言え、業界にいるプロレスラーが知らないなんて。


可能性に期待       おすすめ度
 とても面白く読めました。確かに、お世辞にも綺麗に纏まった作品とは云えません。プロレスについてはよく分かりませんが、謎解きは荒っぽさが目立ちますし、人物造形(特に主人公)にも難点が散見されます。笑える突込みどころもたくさんあります(個人的にはプラス・ポイントですが)。
 しかし文章はなかなか達者ですし、一応謎解きの整合性も保たれています。何より著者の「熱気」が全編に溢れているのがいいですね。後半の意外な展開を批判する方も多いようですが、僕には「型を破ってやろう」という新人らしい工夫の顕れに思え、非常に好印象を持ちました。お行儀よくちんまりと纏まった作品より、ずっと面白かった。少なくとも、予定調和なストーリーに未解決の謎まで残されている『脳男』より、ずっといい作品だと思います。
 この著者が「化ける」には時間がかかるかもしれませんが、「次は何をやってくれるんだろう?」というワクワク感は、ずっと与えてくれそうな気がします。読むのが遅くなってしまいましたけど、これからの活躍を心から期待しています。


描写はいいけど       おすすめ度
選評にも書かれていたが、登場人物が多すぎる。
主人公の友人、大地や鏡子は明らかに必要ないし、犯人である人物の動機も??である。
肉体増強の描写は楽しめたし、プロレスに興味が沸いてくる様なシュチュエーションもあるにはあるが、子猫を助けようとするクライマックス等は読んでいて、思わず笑ってしまった。あれはほとんどコメディだろう。
長坂秀圭氏の「エノケン一座の嵐」以来の珍作である。


辛い評価にせざるを得ない       おすすめ度
試合中にベテランプロレスラー・佐々木が不可解な死を遂げた。死因は蛇毒による毒殺。その後、佐々木の書いた自伝によって自殺として処理されたが…。
厳しいなぁ…。確かに、プロレスの裏話の暴露、というような意味での面白さはある。試合だとか、トレーニングの場面だとかも面白い。ただ…全体的に見ると評価はしにくい。少なくとも、プロレスについて有名レスラーの名前が少し浮かぶ程度の知識しかない私にはキツい。
まず、事件のカギとなるトレーニングマシンがどういうものかわからなかった(苦笑)。それが浮かんでこないので、それが出てくる場面がどういうものかぼんやりとしたイメージしか浮かばない。
また、小説全体を見ると、強引に話を引き伸ばしているという印象も受ける。乱歩賞作品だと、ページ数の関係で最後に無理やりまとめあげてしまったような作品はよく見かけたのだが、全く反対の印象を受けたのは初めてだ。また、トリックの解明にしても、「そんな方法でわかったのなら、警察は何をしていた?」とツッコミを入れたくなる。
正直…どうなんだろうな…これ。


プロレスのうんちくを盛り込んだエンターテイメントとして       おすすめ度
確かにミステリーを楽しもうというのであれば、謎解きは途中で終わり無理に決着を長引かせただけのようにも思えるし、ウエイトトレーニング中の殺人の件はよくわからないけれど、興味の無かった私でもモデルとなったレスラーのことやショウビジネスとしてのプロレスのうんちくを盛り込んだエンターテイメントとしては十分楽しめたと思います。