テロリストのパラソル (講談社文庫)
作者 藤原 伊織
価格 650 円
出版社名 講談社
出版年月 1998/07
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    第114回 直木賞   受賞
    第41回 江戸川乱歩賞   受賞
アル中バーテンダーの島村は、過去を隠し二十年以上もひっそり暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転する。ヤクザの浅井、爆発で死んだ昔の恋人の娘・塔子らが次々と店を訪れた。知らぬ間に巻き込まれ犯人を捜すことになった男が見た真実とは…。

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■読者の評価     おすすめ度平均

これが乱歩賞、、、?       おすすめ度
ミステリーやハードボイルドに学生運動をまぜるとこういう作品になるという例。とにかく学生運動が前面に出てきて、それにシンパシーを覚える人には絶賛されたのだろう。講談社は最後にどんでん返しがある神業ミステリーと宣伝したが、たいしたどんでん返しでもなく、普通のミステリーならどこにでもあるような内容だった。


教養のあるダメ男を書かせたら天下一品       おすすめ度
 何だか作品がいま一つになってきたなーと思っていたら、やっぱり病気だったね。58歳で亡くなられた。まずはご冥福をお祈りする。
 これから読むという方へ。藤原氏というのは、頭がよくて教養があり、でもひたすら情けない男を書かせたら右に出る者はいない。本書はその作品の中でも特によくできている。まあ、つまりデビュー作を超えられなかったという点では、定石どおりの方だったわけだ。というわけで、これは読んでも損はないと思う。次の「ひまわり」も面白いが、晩年の作品には期待しない方がいい。
 無人島に三つ持っていくとしたらPCとタバコ、ドストエフスキー全集という回答を見れば、どんな経歴の方かは大体わかるだろう(笑)。


ハードボイルドワンダーランド。ハリウッド映画にしたらいいかも。       おすすめ度
アル中男が、爆弾テロに巻き込まれて、次第に彼の過去との関係が明らかになってゆく。よくできた作品だと思います.文章もとてもうまく読みやすいので、あっという間に読んでしまいました.最後、犯人と対峙する場面や、犯行の理由などがちょっと安っぽい。「24」みたいで、ハリウッドで映画やTVシリーズにしたらよさそう。主人公のキャラクターは、ハードボイルドなのですから、まあこのくらい非現実的でいいんじゃないでしょうか。まさに「まじめなアル中、ジャック・バウアー風味」。でも、全共闘だの、安田講堂だのいわれても、最近の人にはなんのことかさっぱりわからないとおもいます。


思想が無ければテロリズムではない       おすすめ度
文章が美しいといわれているが、どこが? ただでさえハードボイルドは苦手なのだが、
本書の文体はクセが強くて好きになれない。ストーリーはご都合主義だし、登場人物は
変に頭が良すぎる。ラストは奇妙な恋愛話になってわけがわからない。なんでこんな
駄作の評判がいいのかまったく理解できない。あーもう、読んで損した。

大量殺人を犯した犯人にそれ相応の理由があるのかと思いきや、なんの必然性もない
情けないものだった。そこには、なんの思想性もない。本書を評価する人が多いという
ことは、それだけ思想を大事にしない人が多いということだろう。まさに、日本人の
無思想性がよく表れている。


こういう本を高評価する人って・・・。       おすすめ度
アマゾンに数多くのレビューを投稿し、「ベスト○○レビュアー」になっている方がいるが、その方々の高評価本がほんとうに「当たり」なのかどうか、その試金石になると、個人的に考えているのが、この本。

福田和也氏も書いているように「かつて全共闘運動に従事し、挫折してから天才ボクサーとなり、今はアル中のバーテンなのだが、イノセントな若い娘に惚れられている」というのが、この主人公のキャラクター。

こんな、カッコ良すぎる主人公が活躍する小説に、5つ星をつけるレビュアーの方は、自分とは違った本の好みをもっているのだなあ、と思ってます。