破線のマリス (講談社文庫)
作者 野沢 尚
価格 650 円
出版社名 講談社
出版年月 2000/07
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    第43回 江戸川乱歩賞   受賞
首都テレビ報道局のニュース番組で映像編集を担う遠藤瑶子は、虚実の狭間を縫うモンタージュを駆使し、刺激的な画面を創りだす。彼女を待ち受けていたのは、自ら仕掛けた視覚の罠だった!?事故か、他殺か、1本のビデオから始まる、超一級の「フー&ホワイダニット」。

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■読者の評価     おすすめ度平均

うーん、最後の落ちはどうなんでしょうか       おすすめ度
10歳の子供が夜遅くまで母を追っかけてビデオを回す・・・
ちょっと難しい気がしないでもありません。
ですが、その部分は置くとして、内容はさすがにテレビ業界で生きる人って感じ。
登場人物たちの心理描写も入念で読みごたえは抜群です。


ぞっとする       おすすめ度
不快感が伴う作品です。何がそうさせるのかわかりませんが。
マスコミの過熱に伴う被害は今やみなが知っています。
その「種あかし」でしょうか。
作り出された映像に「事実」を見てしまう、見ようとしてしまうことの恐ろしさ。
クライアントである私達視聴者はきっとだまされたがっているのでしょう。
ラストにもう少し救いがあってもよいのではないかと思ってしまいました。
最初に読んだのは、かなり前で「この展開には無理があるのでは?」
と思った箇所も、今こうして読み返してみると「あり」に思えるのがぞっとします。
野沢氏は先を先を見てらしたのでしょうか。
早すぎる死を改めて惜しまずにはいれません


放送被害       おすすめ度
私はこの本を読み終わっての感想は正義は勝つだと思います。誰が正義で誰が悪なのか?究極の正義と悪を探す推理小説でした。どちらが正しくて、どちらが間違っているのか?
今のテレビの在り方、マスコミの在り方を示す意味ではとても興味深い作品でした。野沢氏の作品はどこかノンフィクションぽいですよね。それでいて、この破線のマリスは半ノンフィションではないのでしょうか?とてーも細かい描写でテレビ業界について書かれています。
マリスとは悪意。色んな悪意が見えてきました。


乱歩賞受賞作・・・なの?。。。       おすすめ度
TV業界の「やらせ」問題にも通じる「作為的な映像」をプロットの主に置いた作品。
主人公と被疑者の間の互いに迫り来る感情。
う〜ん、内容よりも・・・
主人公女性の生活感の方にしか、
感情移入できなかったかな^^;
乱歩賞作品と言う割には・・・。。。


予想以上に硬派な作品でした       おすすめ度
 今頃読みました。初版は1997ですから、もう10年前になります。でも、今読んでも一気に物語世界に引き込まれます。さすがは江戸川乱歩賞です。
 タイトルにもなっている破線とはTVの走査線、マリスとは報道の送り手側の意図的な悪意のことだそうです。その通り、これはテレビ局のニュース映像の編集者を巡る、捏造と紙一重の情報処理が主題となっています。登場する人々の追い立てられるような生き方が、非常に辛いですね。
 思いもかけないエンディングも鮮やかですが、現在の「あるある問題」を先取りしたようなメッセージ色の強さもまた、特徴といえるでしょう。こういった硬派路線も、たまにはいいものです。