DZ(ディーズィー)
作者 小笠原 慧
価格 1,575 円
出版社名 角川書店
出版年月 2000/05
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    第20回 横溝正史賞   受賞
異常なまでに発展した文明とテクノロジーの中で、人間は500万年前と変わらないひ弱な心のままで生きている。しかし、もう、無理だ。人類が選ぶ最後の手段がここにある。ヴェトナム難民船より救出された妊婦から生まれた二卵性双生児(DZ)の兄妹が背負う宿命を、ハリウッド映画のような壮大なストーリーで描き上げたヒューマン・ミステリ。

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■読者の評価     おすすめ度平均

すこしだけひねりはありました。       おすすめ度
著者は京都大学医学部卒業の医者で、基礎医学の分野にも属していた経験をもつらしく、例のごとく、医学、最新のバイオテクノロジーの知識をちりばめたミステリーとなっています。
正直、こういった遺伝子操作、胚操作を人間に行ってしまうという倫理問題を絡めたミステリは、医学ミステリの分野では、巨匠ともいえるロビンクックの作品にいくつか見られますし、著者自身もおそらく読んでいる可能性が高いわけで、その焼き直しか、という感想を途中までは抱かざるを得ませんでした。
最後まで読むと、まあオチとしては、少しひねりが効いているんですが、それも、ロビンクックの「クロモゾーム6」を思い出させられて、どうも二番煎じの感がぬぐえないです。
ロビンクックをあまり読んでないヒトであれば、違和感なく楽しめるかもしれません。
ただ、全体的に、ちょっと専門的な知識を要求されるところも少なくないので、「染色体って何?」という方は、少しつらいかもしれないです。
場面が、フィリピンからアメリカそして、日本へと移り変わり、最終的にはそれが結びついていくところなどは、まずまずの構成かとは思いましたが、オチは途中で読めてしまいました。
それなりには楽しめて、少しひねりがあったので、星四つで。


よくわからん       おすすめ度
この分野が好きな人には傑作かもしれないが、
一般人にとって、これだけ専門用語が並べられると退屈至極。
その上、複数エピソードが同時進行するから、誰に感情移入してよいのやら。
また、登場人物の描写も平板で、誰をも書ききれていないので、
280ページぐらいまでは正直読むのが苦痛である。
話が見えてくると、今度は、
「えっ、なんでそんなことするの?」
「何で殺さないの?」
とか疑問が多い。
お話としては、よく出来た話であると思うが、
リアリティを求めると専門外という壁があり、
人物を追いかけると、「描写不足」という壁にぶち当たる。
いかにもがちがちの理系の人が書いた作品という気がする。


消化不良かな       おすすめ度
題材は面白いが人物の書込み不足という感は否めない。
それぞれの人物についてさまざまな描写が行われている割には、せっかくの材料を活かし切れていない感じ。
途中で出てくる小道具の行方についてもケリが付いていないし、メインとなる登場人物の能力や生い立ちについても間接的な説明にとどまったままになっている。
詰めの甘さが目立ち、最終的な謎解きにも不足を感じてしまうのだが。


ミステリを読む快感       おすすめ度
とても新人賞ものとは思えない上手さというか、なんか、すごいです。
アメリカあたりの翻訳ミステリっぽい書き方をしつつ、中盤まで話がどっちに展開していくのかが見当もつかない。
読み進めていくうちに、そこここに張り巡らせてあった伏線が終盤に向けて怒涛のように収束していく様が、いやもう、快感ですね。
「あれって結局どういう意味だったの?」と気になるような派手なやつに隠れて、ひっそり張ってある伏線とか…。
読みながら思わず「おおおっ」と声を上げてしまいましたよ!
設定的にはミステリ色の強いSFって感じなんだけど。
確かにこりゃミステリで横溝賞でオッケー。
これこそミステリ読む醍醐味ですよ先生。
難しげな遺伝子の云々は、わかった方がそりゃいいですが、右から左でも十分いけます。
ただ、人間とか社会とかの捉え方がかなりシビアなので、ちょっと神経が疲れますね。
あと、変に文章を書きなれてる感じで、若干マンネリ入った中堅作家のような表現が多かったのが、気になったといえば気になりました。


衝撃       おすすめ度
全く期待せずに手に取った本でしたが、面白い本でした。

現実味はないとは思いますが、衝撃のラストといい、もしかして本当にこんなことがあったら…と思わせるところは上手いのではないでしょうか?