説教師カニバットと百人の危ない美女
作者 笙野 頼子
価格 1,470 円
出版社名 河出書房新社
出版年月 1999/01
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■読者の評価     おすすめ度平均

豊富な言葉の海で溺れよう       おすすめ度
 笙野頼子ファンにはわざわざ言う必要もないだろうが、これから読もうかなーという方、最初はあまり意味など考えず、とにかく目まぐるしい言葉の洪水にひたすら溺れてみよう。もうこれは海に浮かぶ木の葉の気分である。そういう点では「母の発達」でもいいのだが、変なテーマ性がない分、この作品の方が「笙野頼子とは何か」を理解できると思う。(と書きながら、怖いのはご本人から違うっと言われることだ。)
 「フェミニズム」がテーマじゃん、と思ってしまった人は、向いてなかったと思って、他の作品に触れなければよろしい。


「侍魂」より先にあったWeb的表現       おすすめ度
ネタは笙野頼子としてはさして目新しいものではない。
「レストレス・ドリーム」でもあった既存の古典的女性像に関する激しい
嫌悪、それだけで引っ張る引っ張る。
よくもまあそのネタだけで続くかと思うが笙野が想像力が豊かなことは
既定の事実であるので、今更驚くにあたらない。

だがこの本を読んでどこかで見た表現形式だとは思わないだろうか?

インターネットでAmazonまでアクセスしてくる人はかなりの人が知っている
はずだ。文字を急激に大小させ文にメリハリと呼吸感を与える。
そう、中国ロボット「先行者」を嘲笑して一世を風靡したあの「侍魂」
である。

「侍魂」がブレイクしたのは2001年。本書の発行は1999年。
これは数多くの模倣サイトを生み出した侍魂へのまさに「先行者」!であった。

もっともこれを模倣する文学はついぞ見たことがないけれど。

本書は他にも主人公八百木千本による註と笙野頼子による註を随所に
挟み込み二重セルフ突っ込み文学にするなど新しい表現形態がある。
しかし、冒険しすぎたのか誰も模倣しなかったのは残念だ。