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?「弟と暮らすのが夢だったの」という姉さんに拾われて、彼女の弟となった19歳の「僕」。新しい名前は「半沢良」。面接用に書いた「半沢良」の履歴書に、物足りなさを感じた「僕」は、真っ白な紙にもうひとつの「リレキショ」を書き上げる。免許・資格は「どこでもいける切符」。趣味・特技は「護身術」と「アイロンがけ」。無事、深夜のガソリンスタンドで働くことになった「僕」は、ある日、1通のラブレターを受け取る…。
???姉との関係を誰からも自然に受け入れられ、過去も決して問われない中で、白紙の「リレキショ」に新たな人生を書き加えていく「僕」。著者は、少しずつ人生を取り戻していく「僕」の姿を、最後まで清々(すがすが)しく描ききる。しかし、「僕」がこの虚構に自覚的であることは、昼勤の同僚たちを悪しざまに嫌う先輩社員にたまりかねて、思わず本名を告げてしまう場面にも象徴されている。ファンタジックで満ち足りた世界に、一瞬だけほの見える暗がりが、物語に一層の深みを与えていることを見逃してはならない。(中島正敏)
そこに 想像 というか、創造 の余地がある。
もし、神という創造者がいたのなら、彼は人間に 故意に恋する能力 を与えたのだろう。
その能力を最大限に発揮することによって、人間は創造者になる。
これは、ただの妄想だろうか。
この作品は、『始まりの三部作』1st らしいので、全部読んでみたいにゃ。
そして最後まで、なぜ拾われたのか 本当は誰なのかも書かれてもいない 奇妙な物語。
でもそのありえない設定以外は、妙に理解・共感してしまう内容だから不思議です。
新しい仲間、新しいバイト先、新しい趣味、新しい自転車・・・・。
新しいことづくしの中で、ドキドキしながらも見よう見まねでルールを覚えて、
ぎこちないながらも一生懸命に生活に溶け込もうとする姿は、
新入生・新社会人になったばかりの、かつての自分をリアルに思い出させてくれます。
小さなことまで刺激的だった日々。
新しい波に流されるだけでなく、自分が舵をきることができる陣地を確保し、
その中で独自のちょっとした楽しみを見つけようとしたあの頃。
なんか楽しかったなぁ〜。
人生の楽しみ方を忘れてしまったときにおすすめしたい一冊。
心の端っこを引っ張られる感じがする作品です。
良、姉さん、山崎の食卓での会話がいきいきしていて臨場感があってよかった。
良がアイロンかけてるところや護身術の本を読んでいる場面が笑える。
たくさんの個性的な擬音語や擬態語がでてきてそれがさらなる笑いにつながる。ウルシバラのラブレター(?)もこと細かくておもしろい。
気軽に読めて、くすっと笑えて、大事件が起こるわけでもないのにおもしろい話でした。流れてる空気感が好きでした。
読んだあとさわやかな気分になります。
何だろう、この作品を包み込む作品の空気は。いかにも暗くなりそうな設定でありながらも、淡々とした日常の描写の中に「僕」のうちに秘めた、「人を幸せにしてやりたい好奇心」のようなものの温かさが垣間見える。
お勧め。
人を人が拾ってくるなんてあり得ないとか考えていたら、
この本は何も楽しめないでしょう。
そんなことお構いなしで、細かいことを気にせず読んでください。
ぼんやりした世界は非常に不安定なのですが、
その不安定さが心地よく感じられます。
言葉を並べて表現されていく世界ではなく、
物語の流れを楽しめる作品です。
よくわからないからこそ、登場する人物が魅力的に見え、
言葉によって付け足された人間性では無い、しっかりした人物像ができあがっています。
家の中での描写、スタンドでの様子、すべてがあいまいなのですが
確実に読む人の心をつかみ、その世界に引きずり込んでいってくれます。

