東京ゲスト・ハウス
作者 角田 光代
価格 473 円
出版社名 河出書房新社
出版年月 2005/10/05
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■読者の評価     おすすめ度平均

買いです。       おすすめ度
20年前の大学生のころ、自分も同じようなことがあった、わけでもないのですが、なにか懐かしいような気がしてしまうのは、この作者の作品を読んでいつも感じる錯覚なのですが、どこからはじまってどこへ向かっているのか判然としないといった時期を、人はきっと生きていくなかで不可避的に経験しなくてはならないでしょうから、そういった共通項をこの人の作品はそれと気づかせることなく呼び覚ましてくれるのでしょう。若いひとにお勧めです。


なんだかひどく懐かしくて切ない青春小説。       おすすめ度
夕暮れ時の淋しい感じがどこまでもつきまとう。。。そんな作品であります。


旅。       おすすめ度
旅でいったい何を見て、どう思ったのか。
旅に出たことのある人が、おそらく一度は必ず自問するであろう、この「問い」にすらりと答えることは難しい。旅なんてそんなに大げさなものではないし、他人に自慢するものでもない。ましてやその答えを誰かに押し付けるものでは、決してない。
一度行ってしまったどこかここではない≪場所≫を、日常の生活のなかで見出すことができたら、と願う、あるいは、見出せることを確信して待つ人たち。それが、旅に出てしまった人間の抱えることになる運命なのかもしれない。


箱庭のような「旅」で見つめた自分       おすすめ度
「人は帰るために旅をする」という言葉がある。
成田空港を出た電車やリムジンバスの車窓から見える風景に、
自分の居場所の無さを感じた主人公は、アジアのルーズな気だるさを
漂い続けるように「東京ゲスト・ハウス」に引き寄せられる。
日本の中の「アジア」、そこで繰り広げられる「旅の縮図」のような出来事。
それらは、周囲の「日本人」からは相手にされない。
そんな箱庭のような「旅」に入り込んだ「王様」という名の「日常」、或いは「大人」。
そこから再び逃げ出す友人もあるが、主人公は「日常」に向かい合い、
自分が旅の中で何を見て、何を感じたのか、旅を経て自分はどう
変わったのかを自問し始める・・・。
湿気を含んだ南風を感じながら、ゆったりと読み進めるうちに、
次第に「自分とは何か」と考えさせらる、角田光代の中でもお薦めの逸品。


旅の終わり       おすすめ度
「旅の終わりを探す」――購入動機はこんな紹介文。角田光代さんは、何冊か小説やエッセイを読めばわかりますが、旅好きです。そんな彼女が描くたびの終わりとは、どんなものなのだろう、と。
終わったはずの旅の途中の人たちが集まる下宿屋(ゲスト・ハウス)での話です。半年のアジア放浪の旅から日本に戻ってきた「僕」に、帰るべき場所あ場所がありませんでした。そんな彼が転がり込んだのが、その下宿屋です。少しずつちょっとダメ人間っぽいヘンテコな人たちが集まってきて、奇妙な共同生活を送りながら、確実に物語は動いていき……。
まさしく「旅の終わりを探す」物語でした。すっきり読めて、すっきりテーマを受け入れることができます。それでうまいこと人生を考えさせられます。それは、こんなヘンテコな話なのに、どこまでもリアルさがついてきているからなんだろうな、と思いました。旅に出て、人をよく観察できる角田光代さんだからこそ、こんなに自然で流れるような描写ができるんだと思います。
角田光代さんの作品の中ではそれほど癖も強くなく、もしかすると入門書として最適かもしれません。もちろん今までの角田光代ファンにも納得できる内容で、久々にいろんな人に薦めたい小説を読んだ気分です。