水の迷宮 (カッパノベルス)
作者 石持 浅海
価格 890 円
出版社名 光文社
出版年月 2004/10/20
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■読者の評価     おすすめ度平均

これはひどい       おすすめ度
タイトルに惹かれて買ってみました。
途中まではとても面白くてよかったのですが…
皆さん書かれているとおり、最後がありえない。
なんでこんな終わり方にしちゃったんだろう。
他にいくらでもあっただろうに、何を考えてこんな結末にしてしまったのか。
途中までが良いだけに、すごく勿体ない。
こんなに納得のいかない、後味の悪い小説は初めてです。


ミステリーの舞台は水族館       おすすめ度
 謎解きの円環がきれいに閉じています。少しずつ真実が解きほぐされていくので、大どんでん返しのような劇性はありませんが、論理的な清潔さでミステリーを楽しむ人には何の不足も感じないでしょう。
 ただ、なぞが解けたあとのラストが、ちょっとキレイ過ぎる。…そう見る向きもきっとあるでしょう。だって人が殺されてるのに…というわけです。
 舞台は水族館。背景に広がるのは透明な水で満たされた巨大な水槽と世界中から集められた魚たち。銀の鱗をきらめかせたり、グロテスクな口をパクつかせたり、身近なものから珍しいものまで、多種多様な海洋生物がいつも周りを囲んでいます。そして殺人事件など思いもよらず、水槽に見入る親子連れや恋人たち。…この幻想的、非日常的な空間のイメージが、謎解きの論理性と絶妙な対照をなしています。突然の脅迫メールによって館員たちは館内を右往左往しますが、その時も常に彼らの周りには水槽の水がゆらめき、魚たちは事件など関係なく、いつもと同じように水の中を泳いでいるのです。
 ミステリーとして上質なものを作り上げる一方、描かれてきたこのような舞台のイメージ(登場人物も総じていい人ぞろい)は最後まで壊さない、と作者は考えたのではないでしょうか。だから作者は、この物語の結びを描くに当たって、あえて予定調和を破らない、むしろ夢の水族館の実現へと舵を取った気がします。
 謎解きをするのが刑事でも探偵でもなく、聡明すぎる一般人なのは、この作者のいつものやり方。その一人飛び抜けた聡明さに不自然があるとしても、警察的科学捜査のないところに謎解きの面白さを見出すのが、この作者のこだわりなのではないでしょうか。
 最後に、この小説、映画にしたらいいのでは、とも思った次第。


善人たちの物語       おすすめ度
作者お得意の、“変な設定で警察が呼べない”事件。
設定に必然性があり、誰も事件にしたくないと思っているのだけど不幸な偶然で殺人が起きる・・・という良く作られたミステリーです。
でも、「殺人」を最後の大団円で帳消しにしていいの?と思うと、素直に「感動」していいものか・・・。
謎解きだけを楽しめる人にはおすすめです。


これもありだけれども       おすすめ度
犯人が正当化されることについては疑問が残りますが、これもありと思うしかないのだろう。でも本当はこういうことが許されてはいけない。法治国家が放置国家になってしまいそうだ。


端正な本格       おすすめ度
特に大きな謎というわけではありませんが、それが最後に理詰めで解かれていく時の快感は氏ならではです。それよりも本書の見所は、事件の後ろで通奏低音となっていた、最初の事件で死亡した登場人物の夢が明らかになる時の、その夢のイメージの壮麗さにあると言えるのではないでしょうか。
氏の作品では登場人物はだいたい常に理想や夢を持っていたりしますが、その夢と事件の相関関係、イメージの繋がり具合の綺麗さにおいて、これまでの氏のベストだと思います。